特定技能介護の直接雇用を徹底解説|雇用形態・要件・申請の流れ
介護施設の人手不足が深刻化する中、特定技能外国人の採用を検討する施設が増えています。厚生労働省の推計によれば、2040年度には約272万人の介護職員が必要とされており、2022年度の約215万人と比較すると約57万人の増員が必要です(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」2024年7月)。この数字は、介護業界における人材確保が喫緊の課題であることを示しています。
特定技能制度を活用して外国人介護人材を受け入れる際、多くの施設経営者が疑問に思うのが「雇用形態」についてです。特定技能制度では、直接雇用が原則とされています。では、なぜ直接雇用が基本なのか、どのような手続きが必要なのか、そしてどのようなメリットや注意点があるのか。本記事では、介護施設経営者・人事担当者の皆様に向けて、特定技能の直接雇用について徹底解説します。
この記事のポイントは?
特定技能の「直接雇用」とは?制度の基本を理解する
特定技能制度における「直接雇用」とは、外国人労働者と受け入れ企業(介護施設)が直接雇用契約を締結する形態を指します。派遣会社などの第三者を介さず、施設が外国人材を正社員または契約社員として直接採用する仕組みです。2019年4月に創設された特定技能制度では、この直接雇用が大原則として定められています。
特定技能制度が直接雇用を原則とする理由
特定技能制度が直接雇用を基本としている背景には、外国人労働者の権利保護という重要な目的があります。派遣や請負といった雇用形態では、労働条件が不安定になりやすく、外国人労働者が不利益を被るリスクが高まります。直接雇用であれば、受け入れ企業が労働条件や福利厚生を適切に管理でき、外国人材が安心して働ける環境を確保しやすくなります。
また、直接雇用は長期的な人材育成の観点からも有効です。介護分野では、利用者との信頼関係構築や専門的なスキルの習得に一定の期間が必要です。直接雇用によって雇用の安定性が確保されることで、外国人介護士がじっくりとキャリアを形成できる環境が整います。
派遣雇用との違いを正しく理解する
直接雇用と派遣雇用の最大の違いは、雇用契約を結ぶ相手です。直接雇用では、外国人労働者は受け入れ施設と直接契約を締結し、その施設の職員として働きます。一方、派遣では外国人労働者は派遣会社と契約を結び、派遣先の施設で業務に従事します。つまり、派遣の場合は外国人労働者と実際に働く施設の間に派遣会社が仲介役として存在することになります。
特定技能1号では派遣雇用は原則として認められていません。ただし、農業分野や漁業分野など一部の分野では、業務の特性上、派遣形態での就労が例外的に認められています。介護分野においては派遣雇用は認められておらず、直接雇用のみが可能です。
特定技能「介護」で認められる雇用形態
特定技能「介護」で認められる雇用形態は、正社員(フルタイム)および契約社員です。いずれも直接雇用であり、受け入れ施設が雇用主となります。重要なのは、所定労働時間が同じ施設に雇用される通常の労働者(日本人職員など)と同等以上であることです。パートタイムやアルバイトといった短時間労働は認められていません。
また、報酬額についても日本人従業員と同等以上であることが求められます。「外国人だから安く雇える」という考えは制度上許されておらず、同一労働同一賃金の原則が厳格に適用されます。
| 項目 | 直接雇用 | 派遣雇用 |
|---|---|---|
| 雇用契約先 | 受け入れ施設 | 派遣会社 |
| 介護分野での可否 | 可能 | 不可 |
| 雇用の安定性 | 高い | 相対的に低い |
| 人材育成 | 長期的な育成が可能 | 派遣期間に依存 |
| 労務管理 | 施設が直接管理 | 派遣会社が管理 |
特定技能「介護」の最新動向と受け入れ状況
特定技能制度は2019年4月の創設以来、着実に普及が進んでいます。出入国在留管理庁の統計によれば、2024年12月末時点で特定技能「介護」の在留者数は44,367人に達しています(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」)。2022年から急速に増加しており、介護分野における外国人材活用の広がりを示しています。
特定技能介護の在留者数推移
特定技能「介護」の在留者数は、制度創設当初はわずか数百人程度でした。しかし、新型コロナウイルス感染症による入国制限が緩和された2022年以降、急激な増加傾向を示しています。2023年から2024年にかけての1年間だけでも1万人以上増加しており、介護業界において特定技能外国人の存在感が急速に高まっています。
この増加の背景には、介護業界の深刻な人手不足と、外国人材側の日本での就労意欲の高さがあります。日本は治安が良く、給与水準も母国と比較して高いため、アジア諸国を中心に日本での就労を希望する人材が多く存在します。
国籍別の受け入れ状況
特定技能「介護」の国籍別データを見ると、インドネシア国籍が最も多いことがわかります。これは、インドネシアで技能実習が盛んに行われてきたことに加え、インドネシア国内での特定技能試験の実施回数が多いことが影響しています。次いでベトナム、フィリピン、ミャンマー、ネパールなどのアジア諸国からの人材が多くを占めています。
大阪を拠点とする登録支援機関としての経験から言えば、ベトナム人やネパール人の介護人材は日本語学習への意欲が高く、介護現場での評価も総じて良好です。特に日本語能力試験N2を取得している人材は、利用者とのコミュニケーションもスムーズで、即戦力として活躍しています。
2025年度からの訪問介護解禁への動き
特定技能「介護」では、これまで訪問系サービスは対象外とされてきました。しかし、2024年6月に厚生労働省の検討会で、特定技能外国人も訪問介護に従事できる方針が決定されました。2025年度からは訪問介護への従事が可能になる見通しです。
この制度改正により、特定技能外国人の活躍の場がさらに広がることが期待されています。訪問介護は一人での業務となるため、高い日本語能力と介護スキルが求められますが、経験を積んだ特定技能外国人にとっては新たなキャリアの選択肢となります。
直接雇用のメリット:施設側・外国人材側の両面から解説
特定技能外国人を直接雇用することには、受け入れ施設側にも外国人材側にも多くのメリットがあります。ここでは、双方の視点から直接雇用の利点を詳しく解説します。
施設側のメリット
長期的な人材確保と育成が可能
直接雇用の最大のメリットは、長期的な視点で人材を確保し育成できることです。特定技能1号の在留期間は通算5年ですが、介護福祉士の国家資格を取得すれば在留資格「介護」に移行でき、在留期間の制限なく日本で働き続けることが可能になります。
実際、大阪の特別養護老人ホームでは、特定技能1号で入社したベトナム人職員が3年目で介護福祉士試験に合格し、現在はユニットリーダーとして活躍しているケースがあります。直接雇用だからこそ、施設が責任を持って国家資格取得のサポートを行い、長期的なキャリア形成を支援できています。
コスト削減効果
派遣を利用する場合、派遣会社へのマージンが発生するため、実質的な人件費は高くなりがちです。直接雇用であれば中間マージンが不要となり、その分を外国人材への給与や教育投資に充てることができます。
ただし、直接雇用の場合は在留資格申請や支援業務を自社で行うか、登録支援機関に委託する必要があります。登録支援機関への委託費用は発生しますが、それでも派遣を利用するよりもトータルコストを抑えられるケースが多いです。
帰属意識の向上とチームワーク強化
直接雇用された外国人材は、施設への帰属意識が高まりやすい傾向があります。「自分はこの施設の一員である」という意識が芽生えることで、業務への取り組み姿勢も積極的になります。日本人職員との協力関係も築きやすく、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。
外国人材側のメリット
安定した雇用環境
直接雇用では、外国人材は受け入れ施設と直接契約を結ぶため、雇用が安定します。派遣のように契約更新のたびに雇用継続が不透明になることがなく、安心して仕事に集中できます。
キャリアアップの機会
直接雇用であれば、施設内での昇進や昇給の機会を得やすくなります。介護福祉士などの資格取得支援も受けやすく、長期的なキャリア形成が可能です。実際に、多くの施設が外国人職員向けに日本語教育や資格取得支援プログラムを提供しています。
福利厚生の充実
直接雇用の外国人材は、日本人職員と同等の福利厚生を受けることができます。社会保険、有給休暇、賞与、退職金制度など、施設が提供する各種制度の対象となります。これは外国人材にとって、日本での生活基盤を安定させる上で非常に重要な要素です。
- 施設側のメリット
- 長期的な人材確保・育成が可能
- 派遣と比較してコスト削減効果あり
- 外国人材の帰属意識向上によるチームワーク強化
- 施設の方針に沿った教育・指導が可能
- 外国人材側のメリット
- 雇用の安定性が確保される
- 施設内でのキャリアアップ機会
- 日本人職員と同等の福利厚生
- 資格取得支援を受けやすい
直接雇用の手続きと流れ:ステップごとに解説
特定技能外国人を直接雇用するためには、いくつかの手続きが必要です。ここでは、採用から入社までの流れをステップごとに解説します。
ステップ1:受け入れ体制の整備
特定技能外国人を受け入れる施設(特定技能所属機関)は、一定の基準を満たす必要があります。まず、労働基準法、最低賃金法、社会保険関連法規を遵守していることが大前提です。また、過去5年以内に出入国管理法令違反がないこと、1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないことなども要件となります。
介護分野では、受け入れ人数の上限が「日本人等の常勤介護職員の総数」と定められています。例えば、事業所の常勤介護職員が20名であれば、特定技能外国人は最大20名まで受け入れ可能です。なお、この「日本人等」には、介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士や、在留資格「介護」で在留する外国人も含まれます。
ステップ2:人材の募集・選考
特定技能外国人を採用するルートは主に3つあります。1つ目は、海外から新規に呼び寄せるケース。2つ目は、日本国内の留学生を採用するケース。3つ目は、技能実習生から特定技能に移行するケースです。
海外から呼び寄せる場合は、現地の送出機関や登録支援機関を通じて人材を紹介してもらうのが一般的です。留学生を採用する場合は、介護福祉士養成校との連携や、求人広告を通じた募集が考えられます。技能実習生から移行する場合は、同一施設での継続雇用、または他施設からの転職となります。
ステップ3:雇用契約の締結
人材が決まったら、雇用契約を締結します。特定技能雇用契約は、以下の基準を満たす必要があります。
- 分野省令で定める技能を要する業務に従事させること
- 所定労働時間が通常の労働者と同等であること
- 報酬額が日本人従業員と同等以上であること
- 外国人であることを理由とした差別的取扱いをしないこと
- 一時帰国を希望した場合は必要な有給休暇を取得させること
雇用契約書は、外国人材が理解できる言語(母国語または十分理解できる言語)で作成し、内容を説明した上で署名をもらう必要があります。
ステップ4:1号特定技能外国人支援計画の策定
特定技能1号外国人を受け入れる施設は、「1号特定技能外国人支援計画」を策定する義務があります。この支援計画には、以下の10項目の支援内容を盛り込む必要があります。
- 事前ガイダンスの提供
- 出入国する際の送迎
- 住居確保・生活に必要な契約支援
- 生活オリエンテーションの実施
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(雇用契約終了時)
- 定期的な面談の実施、行政機関への通報
これらの支援は、施設が自社で実施するか、登録支援機関に委託することができます。自社で全ての支援を行うには、相応のノウハウと人員が必要となるため、初めて外国人材を受け入れる施設は登録支援機関への委託を検討することをお勧めします。
ステップ5:在留資格申請
雇用契約と支援計画が整ったら、出入国在留管理庁に在留資格の申請を行います。海外から呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書交付申請」、国内で在留資格を変更する場合は「在留資格変更許可申請」となります。
申請に必要な書類は多岐にわたります。申請書のほか、雇用契約書の写し、支援計画書、施設の登記事項証明書、決算書類、社会保険加入状況を証明する書類などが求められます。2025年4月からは申請書類の様式が一部変更されていますので、最新の様式を使用するようご注意ください。
ステップ6:入社・支援開始
在留資格が許可されたら、いよいよ入社となります。海外から呼び寄せる場合は、空港への出迎え(送迎支援)が必要です。入社後は、生活オリエンテーションを実施し、日本での生活に必要な情報(交通ルール、ゴミ出しルール、銀行口座開設方法など)を説明します。
業務面では、日本人職員と同様にOJTを中心とした研修を行います。外国人材の日本語能力や介護経験に応じて、研修内容や期間を調整することが重要です。
2025年4月施行の制度改正ポイント
2025年4月から、特定技能制度にいくつかの重要な改正が施行されています。直接雇用で外国人材を受け入れる施設は、これらの変更点を正確に把握しておく必要があります。
定期届出の頻度変更
これまで四半期ごと(年4回)に提出が求められていた定期届出が、年1回の提出に変更されました。対象年の4月1日から翌年3月31日までの受入れ・活動・支援実施状況を、翌年4月1日から5月31日までに提出することになります。この変更により、届出にかかる事務負担が軽減されます。
なお、新制度での初回の定期届出提出は2026年4月~5月となります。2025年1月から3月までの分については、従来どおり2025年4月15日までに提出する必要がありますのでご注意ください。
随時届出の新設・変更
2025年4月からは、新たに以下のケースで随時届出が必要になりました。
- 在留資格の許可を受けた日から1か月以上経過しても就労を開始していない場合
- 雇用後に1か月以上活動(就労)ができない事情が生じた場合
これらの届出は、新様式(参考様式第3-4号)を使用して出入国在留管理庁に提出します。在留資格取得から就労開始までに間が空いてしまう場合は、必ず届出を行いましょう。
申請書類の様式変更
在留資格申請に使用する申請書(省令様式)の様式が変更されています。また、特定技能外国人を初めて受け入れる施設については、追加の書類提出が求められるようになりました。申請の際は、出入国在留管理庁のウェブサイトから最新の様式をダウンロードして使用してください。
直接雇用における注意点とリスク管理
直接雇用にはメリットが多い一方で、受け入れ施設が注意すべき点もあります。トラブルを未然に防ぎ、外国人材と良好な関係を築くために、以下のポイントを押さえておきましょう。
労働条件の適正な設定
特定技能外国人の報酬は、同等の業務に従事する日本人と同等以上でなければなりません。「同等の業務」とは、業務内容、責任の程度、成果等を総合的に判断します。単に「介護職」というだけでなく、経験年数や役職も考慮して報酬を設定する必要があります。
また、報酬は預貯金口座への振込等により支払うことが義務付けられています。現金手渡しは認められていませんので、入社前に外国人材の銀行口座開設をサポートしましょう。
支援体制の確保
1号特定技能外国人支援計画に基づく支援は、義務的支援です。支援を怠ると、受入れ困難の届出が必要になるだけでなく、在留資格の更新が認められなくなる可能性もあります。
自社で支援を行う場合は、外国人材が理解できる言語で対応できる体制が必要です。通訳の確保や多言語対応マニュアルの整備など、事前準備を十分に行いましょう。登録支援機関に委託する場合は、信頼できる機関を選定することが重要です。
受入れ人数の上限に注意
介護分野では、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数を上限として特定技能外国人を受け入れることができます。例えば、A事業所に常勤介護職員が30名、B事業所に10名いる場合、A事業所では最大30名、B事業所では最大10名まで受け入れ可能です。企業全体ではなく事業所単位での上限である点に注意してください。
なお、常勤介護職員にはEPA介護福祉士候補者、技能実習生、特定技能1号外国人は含まれません。在留資格「介護」で働く介護福祉士や、永住者等の身分系在留資格を持つ外国人は含めることができます。
離職時の対応
特定技能外国人が離職する場合、受入れ施設は「受入れ困難に係る届出」または「雇用契約終了に係る届出」を出入国在留管理庁に提出する義務があります。2025年4月からは、自己都合退職の場合は「受入れ困難の事由」の対象外となりましたが、雇用契約終了の届出は引き続き必要です。
また、支援計画に基づき、離職する外国人材に対して転職支援を行う義務があります。希望があれば、他の受入れ施設の情報提供や、公共職業安定所への同行などを行います。
直接雇用を成功させるポイント
特定技能外国人の直接雇用を成功させ、長く活躍してもらうためには、受入れ施設側の取り組みが重要です。ここでは、大阪を中心とした介護施設の成功事例を踏まえ、実践的なポイントを紹介します。
入社前の丁寧なコミュニケーション
採用が決まってから入社までの間に、外国人材との信頼関係を築くことが大切です。オンラインでの面談を定期的に行い、業務内容や職場の雰囲気を伝えるとともに、外国人材の不安や疑問に答えましょう。入社前から「この施設で働きたい」という気持ちを高めてもらうことで、入社後の定着率向上につながります。
メンター制度の導入
外国人材1人に対して、日本人職員1人をメンターとして配置する「メンター制度」は、定着率向上に効果的です。メンターは業務指導だけでなく、生活面での相談相手にもなります。外国人材にとって、「困ったときに頼れる人がいる」という安心感は非常に大きいです。
大阪のある特別養護老人ホームでは、メンター制度を導入した結果、外国人職員の1年以内離職率が大幅に低下したという事例があります。メンター役の日本人職員も、外国人材との関わりを通じてコミュニケーション能力が向上するなど、相乗効果が生まれています。
日本語学習と資格取得支援
外国人材のスキルアップを支援することは、モチベーション維持と長期定着に直結します。日本語学習については、週1回の日本語教室開催や、オンライン学習ツールの提供など、施設の実情に合わせた方法で支援しましょう。
介護福祉士の国家資格取得支援は特に重要です。資格を取得すれば在留資格「介護」に移行でき、在留期間の制限なく日本で働き続けることができます。受験対策講座の費用補助や、学習時間の確保など、施設としてできるサポートを検討してください。
多文化共生の職場づくり
外国人材が長く働き続けられる職場をつくるには、日本人職員を含めた職場全体の意識改革が必要です。外国人材の文化や習慣を理解し尊重する姿勢を持つこと、「外国人だから」という先入観を持たないこと、コミュニケーションを積極的に取ることなどを、日本人職員にも理解してもらいましょう。
施設内での研修や勉強会を通じて、多様な人材が活躍できる職場環境を整備することが、結果的に介護サービスの質の向上にもつながります。
登録支援機関の活用と選び方
特定技能外国人を直接雇用する際、支援業務を登録支援機関に委託するかどうかは、多くの施設が悩むポイントです。ここでは、登録支援機関の役割と、委託する場合の選び方について解説します。
登録支援機関の役割
登録支援機関とは、特定技能所属機関(受入れ施設)から委託を受けて、1号特定技能外国人支援計画の策定および実施を行う機関です。出入国在留管理庁に登録されており、外国人材の受入れに関する専門知識を持っています。
具体的には、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保支援、生活オリエンテーション、公的手続きへの同行、日本語学習機会の提供、相談対応、日本人との交流促進、転職支援、定期面談などの義務的支援を施設に代わって実施します。
自社支援と委託のメリット・デメリット
支援業務を自社で行うか、登録支援機関に委託するかは、施設の状況に応じて判断します。
| 比較項目 | 自社支援 | 登録支援機関委託 |
|---|---|---|
| 費用 | 委託費用は不要 | 月額2~3万円程度/人 |
| 人的リソース | 多言語対応スタッフが必要 | 専門機関に任せられる |
| ノウハウ | 自社で蓄積が必要 | 専門機関のノウハウを活用 |
| 外国人材との関係 | 直接的な関係構築が可能 | 第三者が介在する |
初めて外国人材を受け入れる施設や、多言語対応が難しい施設は、まず登録支援機関に委託し、経験を積んでから自社支援への移行を検討するのが現実的です。
信頼できる登録支援機関の選び方
登録支援機関を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 介護分野の実績:介護業界に精通しているか、介護分野での支援実績があるかを確認します。
- 対応言語:採用予定の外国人材の母国語に対応できるかを確認します。
- 地域性:施設の所在地から近い機関であれば、定期面談や緊急時の対応がスムーズです。
- 費用の透明性:月額費用、初期費用、追加費用などが明確に提示されているかを確認します。
- サポート体制:24時間対応の相談窓口があるか、緊急時の対応体制が整っているかを確認します。
一般社団法人 外国人介護留学生支援機構は、大阪を拠点とする登録支援機関として、介護分野に特化した支援を提供しています。採用決定まで完全無料でサポートし、ビザ申請から入社後のフォローまで一気通貫で対応しています。日本語検定N2保持者など、即戦力となる人材のご紹介も可能です。
まとめ:特定技能の直接雇用で介護人材不足を解決しよう
本記事では、特定技能外国人の直接雇用について、制度の基本から手続き、メリット、注意点、成功のポイントまで詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを整理します。
- 特定技能制度では直接雇用が原則であり、介護分野では派遣雇用は認められていない
- 2024年12月時点で特定技能「介護」の在留者数は44,367人に達し、年々増加している
- 直接雇用は長期的な人材確保・育成が可能で、施設・外国人材双方にメリットがある
- 受け入れには、雇用契約の締結、支援計画の策定、在留資格申請など一連の手続きが必要
- 2025年4月から制度改正があり、定期届出の頻度変更や新たな随時届出が導入された
- 成功のポイントは、入社前からの丁寧なコミュニケーション、メンター制度、資格取得支援など
- 登録支援機関を活用することで、支援業務の負担を軽減できる
厚生労働省の推計によれば、2040年度には約272万人の介護職員が必要とされています。国内人材だけでは到底賄えない規模であり、外国人材の活用は避けて通れない選択肢となっています。特定技能の直接雇用は、外国人介護人材を安定的に確保し、長期にわたって活躍してもらうための有効な手段です。
外国人介護人材の受け入れをご検討の施設経営者様、人事担当者様は、まずは専門家にご相談ください。
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執筆者コネクトナビ編集部
