2026.02.14

特定技能外国人(介護)の面接で確認すべきポイント|日本語・スキル・定着を見極める

特定技能外国人の採用を検討している介護施設にとって、面接は採用の成否を分ける重要な局面です。厚生労働省の推計によると、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人の介護職員が必要とされており、2022年度の215万人と比較して大幅な増員が求められています(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」2024年7月公表)。この人材不足を補う有力な選択肢として、特定技能外国人の採用が注目を集めています。

しかし、外国人材の面接では日本人の採用とは異なる視点や確認事項が必要です。在留資格の要件確認、日本語能力の見極め、介護スキルの評価、そして文化的な背景への配慮など、多角的なアプローチが求められます。適切な面接を行わなければ、採用後のミスマッチや早期離職につながるリスクがあります。

本記事では、特定技能外国人の採用面接で確認すべきポイントを体系的に解説するとともに、実際の面接で活用できる質問例とスキルチェックシートをご紹介します。大阪をはじめとする各地域の介護施設で実際に活用されている実践的な内容ですので、これから外国人材の採用を始める施設はもちろん、すでに受け入れ経験のある施設にも参考にしていただけます。

この記事のポイントは?

特定技能「介護」の採用面接で事前に確認すべき基本事項

面接を行う前に、応募者の基本的な資格要件を確認しておくことが不可欠です。特定技能「介護」の在留資格を取得するためには、複数の試験に合格していることが条件となります。これらの要件を事前に確認せずに面接を進めてしまうと、採用後に「実はビザが取得できなかった」という事態に陥る可能性があります。

在留資格と在留カードの確認ポイント

外国人を採用する際、最初に確認すべきは在留資格の種類と在留期間です。特定技能1号の在留資格を持つ外国人は、通算5年間日本で就労することが可能です。2025年1月時点では、特定技能2号への移行により、さらに長期の就労も視野に入るようになりました。面接前に以下の点を必ず確認してください。

  • 在留カードの有効性確認:法務省の「在留カード等番号失効情報照会」サービスで、カードの有効性を確認できます。偽造カードの流通も報告されているため、番号の確認は必須です。
  • 在留期間の残日数:在留期間が残り少ない場合、更新手続きの予定を確認します。更新申請中の場合は、申請受理証明書の有無も確認しましょう。
  • 就労制限の有無:在留カードの「就労制限の有無」欄を確認します。「就労不可」と記載されている場合でも、資格外活動許可を得ていれば一定の就労が可能な場合があります。
  • 現在の在留資格の種類:技能実習からの移行の場合、移行要件を満たしているか確認が必要です。留学生の場合は、特定技能への在留資格変更許可申請のタイミングに注意が必要です。

特定技能「介護」の試験合格要件

特定技能「介護」の在留資格を取得するためには、以下の3つの試験に合格している必要があります。技能実習2号を良好に修了した者については、これらの試験が免除される場合があります。

試験名 求められるレベル 試験内容
介護技能評価試験 介護業務の基本的な知識・技能 介護の基本、こころとからだのしくみ、コミュニケーション技術、生活支援技術など
介護日本語評価試験 介護現場で必要な日本語能力 介護のことば、介護の会話・声かけ、介護の文書
日本語能力試験(N4以上)または国際交流基金日本語基礎テスト 基本的な日本語コミュニケーション能力 読解、聴解など基礎的な日本語運用能力

面接前に、これらの試験の合格証明書のコピーを提出してもらうことで、資格要件の確認がスムーズに進みます。特に介護技能評価試験と介護日本語評価試験は、厚生労働省が所管する試験であり、合格していれば一定水準の介護知識と日本語能力が担保されていると考えることができます。

技能実習からの移行者の確認事項

技能実習2号を良好に修了した者は、特定技能1号への移行が可能です。この場合、上記の試験は免除されますが、以下の点を確認する必要があります。

  • 技能実習2号の修了証明書:良好に修了したことを証明する書類の確認
  • 介護職種での実習経験:介護以外の職種で技能実習を行った場合は、試験の合格が必要となります
  • 実習期間中の評価:可能であれば、前の実習先での評価や勤務態度についても確認します

面接で確認すべき日本語能力と評価のポイント

特定技能「介護」の取得要件として日本語能力試験N4以上の合格が求められますが、N4レベルは「基本的な日本語を理解することができる」水準であり、介護現場でのコミュニケーションには十分とは言えないケースもあります。面接では、書類上の資格だけでなく、実際の会話能力を確認することが重要です。

日本語能力試験のレベルと実務能力の関係

日本語能力試験(JLPT)は主に「読む力」と「聞く力」を測定する試験です。そのため、N2やN3を取得していても、「話す力」や「書く力」については別途確認が必要となります。介護現場では、利用者やその家族との会話、申し送りや記録の作成など、実践的な日本語運用能力が求められます。

JLPTレベル 一般的な能力 介護現場での目安
N1 幅広い場面で使われる日本語を理解できる 複雑な申し送りや家族対応も可能
N2 日常的な場面に加え、より幅広い場面の日本語を理解できる 記録作成、基本的な家族対応が可能
N3 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる 定型的な声かけ、簡単な記録が可能
N4 基本的な日本語を理解することができる 指示理解、簡単な報告が可能(研修が必要)

面接で使える日本語能力確認の質問例

面接では、以下のような質問を通じて実際の日本語運用能力を確認します。質問は段階的に難易度を上げていくことで、応募者の日本語力を正確に把握できます。

基礎レベルの確認(N4相当)

  • 「自己紹介をしてください」:名前、出身国、日本に来た理由など基本的な情報を日本語で説明できるか
  • 「今日の朝ごはんは何を食べましたか」:過去形を使った簡単な質問への回答
  • 「週末は何をしますか」:未来の予定を説明できるか

実務レベルの確認(N3相当)

  • 「介護の仕事を選んだ理由を教えてください」:志望動機を論理的に説明できるか
  • 「前の職場(学校)ではどのようなことを学びましたか」:経験を具体的に説明できるか
  • 「困ったときはどうしますか」:仮定の状況に対する対応を説明できるか

介護場面を想定した確認

  • 「『○○さん、お食事の時間ですよ』と声をかけてみてください」:実際の声かけができるか
  • 「利用者さんが『気分が悪い』と言ったら、どうしますか」:緊急時の対応を説明できるか
  • 「申し送りで『Aさんは昨日、熱があったので、今日も様子を見てください』と伝えてみてください」:業務上の報告ができるか

日本語能力評価チェックシート

面接時の日本語能力を客観的に評価するために、以下のチェックシートを活用できます。各項目を5段階で評価し、総合的な日本語力を判断します。

評価項目 評価基準 評価(1〜5)
聞き取り能力 質問の意図を正確に理解しているか
発話の明瞭さ 発音が聞き取りやすく、文法的に正しいか
語彙力 適切な言葉を選んで使用できているか
会話の流暢さ 詰まらずにスムーズに会話できるか
敬語の使用 基本的な敬語表現ができているか

評価基準:5=十分、4=やや十分、3=普通、2=やや不十分、1=不十分

介護スキルと適性を見極める質問と実技確認

特定技能「介護」の資格を持つ外国人は、介護技能評価試験に合格しているため、一定の介護知識を有しています。しかし、試験は座学中心の内容であり、実際の介護現場で即戦力として活躍できるかどうかは、面接での確認が欠かせません。

介護経験と技術レベルの確認

応募者の介護経験を確認する際は、単に「経験があるかどうか」ではなく、「どのような業務を、どのレベルで行っていたか」を具体的に聞き出すことが重要です。

経験確認の質問例

  • 「これまでの介護経験を教えてください(施設の種類、期間、担当業務)」
  • 「一人で担当できる業務と、まだ助けが必要な業務を教えてください」
  • 「夜勤の経験はありますか。ある場合、何回くらい経験しましたか」
  • 「認知症の利用者さんへの対応経験はありますか」
  • 「移乗介助で気をつけていることは何ですか」

技術レベル確認のポイント

介護技術の習熟度は、以下の3段階で確認すると分かりやすくなります。

  1. 見守りレベル:先輩職員の見守りのもとで業務ができる状態。入職後すぐの段階ではこのレベルでも問題ありません。
  2. 一人立ちレベル:定型的な業務は一人で行える状態。日勤帯の基本業務を任せることができます。
  3. 指導レベル:他の職員に教えることができる状態。リーダー候補として期待できます。

介護スキルチェックシート(面接用)

以下のチェックシートを使用して、応募者の介護スキルを体系的に確認できます。各項目について、経験の有無と習熟度を確認しましょう。

業務カテゴリー 具体的な業務内容 経験有無・習熟度
食事介助 配膳、食事介助、服薬確認、口腔ケア □未経験 □見守り □一人立ち
排泄介助 トイレ誘導、おむつ交換、陰部洗浄 □未経験 □見守り □一人立ち
入浴介助 一般浴、機械浴、清拭、着脱介助 □未経験 □見守り □一人立ち
移乗・移動介助 車椅子移乗、歩行介助、リフト操作 □未経験 □見守り □一人立ち
認知症ケア 見守り、声かけ、BPSD対応 □未経験 □見守り □一人立ち
記録・申し送り 介護記録作成、口頭での申し送り □未経験 □見守り □一人立ち
夜勤業務 巡視、緊急対応、夜間の排泄介助 □未経験 □経験あり( 回)

実技確認の実施方法

可能であれば、面接と合わせて実技確認を行うことをお勧めします。実技確認は、施設見学と組み合わせて実施すると自然な流れで行えます。

実技確認で見るべきポイント

  • 声かけの仕方:利用者への声かけが自然にできるか、敬語や丁寧語が使えるか
  • 身体の使い方:移乗介助などで正しいボディメカニクスを理解しているか
  • 安全への意識:転倒防止や感染対策の基本を理解しているか
  • 利用者への態度:尊厳を持った接し方ができているか

大阪の特養ホームでは、面接時に「ベッドから車椅子への移乗」のロールプレイを行い、技術レベルと安全意識を確認しているケースがあります。このような実技確認を行うことで、入職後の研修計画も立てやすくなります。

志望動機と定着可能性を見極める質問

外国人介護人材の採用において、定着率は大きな課題の一つです。せっかく採用しても短期間で離職されてしまうと、採用コストや教育コストが無駄になってしまいます。面接では、応募者の志望動機や将来のキャリアプランを丁寧に確認し、長期的な定着が見込めるかどうかを見極めることが重要です。

介護職を選んだ理由の確認

「なぜ介護の仕事を選んだのか」という質問は、応募者の仕事への意欲や適性を判断する上で重要な情報源となります。単に「日本で働きたいから」という回答だけでなく、介護という仕事に対する理解や関心の深さを確認しましょう。

志望動機を確認する質問例

  • 「なぜ日本で働きたいと思いましたか」
  • 「数ある仕事の中で、なぜ介護の仕事を選びましたか」
  • 「介護の仕事のどんなところに魅力を感じますか」
  • 「母国でも高齢者の介護に関わった経験はありますか」
  • 「介護の仕事で大変だと思うことは何ですか。それでも続けたいと思う理由は何ですか」

ベトナム人介護士のBさん(仮名)は面接で「祖母の介護を手伝った経験から、お年寄りの世話をすることにやりがいを感じた。日本の介護技術を学んで、将来は母国でも活かしたい」と語りました。このように、介護への関心と将来のビジョンが明確な人材は、長期的な定着が期待できます。

キャリアプランと勤続意思の確認

特定技能1号の在留期間は通算5年間です。その間にどのようなキャリアを描いているのか、5年後にどうなりたいのかを確認することで、応募者の計画性や向上心を判断できます。

キャリアプラン確認の質問例

  • 「5年後、どのような介護士になっていたいですか」
  • 「介護福祉士の資格取得に興味はありますか」
  • 「日本でどのくらいの期間働きたいと考えていますか」
  • 「将来、母国に帰る予定はありますか」
  • 「当施設で長く働いてもらいたいのですが、何か希望や条件はありますか」

介護福祉士の国家資格取得を目指している人材は、長期的な定着が見込めます。2024年度から2028年度までの5年間で、介護分野では135,000人の特定技能外国人の受け入れが見込まれており(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度の受入れ見込数の再設定」2024年3月閣議決定)、競争が激化する中で、資格取得支援などのキャリアパスを提示できる施設は、優秀な人材を確保しやすくなります。

生活面の確認事項

日本での生活が安定していることは、仕事への集中と定着に直結します。住居、通勤、家族状況などについても確認しておきましょう。

  • 住居の状況:現在の住居は確保できているか、通勤は可能な距離か
  • 家族の状況:日本に家族はいるか、母国への仕送りの負担はどの程度か
  • 一時帰国の希望:帰国の希望時期と繁忙期が重なっていないか
  • 日本での生活経験:日本の生活習慣に慣れているか、困っていることはないか

面接でのNG質問と配慮すべきポイント

外国人の面接では、日本人の面接以上に注意が必要な質問があります。厚生労働省の「公正な採用選考の基本」では、本人の能力や適性とは関係のない事項を採用の判断材料にすることを禁じています。無意識のうちに差別的な質問をしてしまわないよう、NG質問と配慮すべきポイントを理解しておきましょう。

聞いてはいけないNG質問

以下のような質問は、就職差別につながる恐れがあるため、面接で聞くべきではありません。

本籍・出生地に関する質問

  • 「どこの国の出身ですか」(在留カードで確認可能なため不要)
  • 「ご両親はどちらの国の方ですか」
  • 「どうしてその国から日本に来たのですか」(志望動機として聞く場合は可)

思想・宗教に関する質問

  • 「何教を信仰していますか」
  • 「政治的な考えは何ですか」
  • 「尊敬する人物は誰ですか」

家族・住環境に関する質問

  • 「家族構成を教えてください」(業務に関係ない場合)
  • 「結婚していますか」「子供はいますか」
  • 「どのような家に住んでいますか」

宗教・文化への配慮

宗教について直接質問することはNGですが、業務上必要な配慮を確認することは可能です。例えば、イスラム教徒の場合、食事や礼拝の時間に配慮が必要な場合があります。このような場合は、以下のように聞き方を工夫しましょう。

  • NG:「イスラム教徒ですか?」
  • OK:「食事や休憩時間について、何か配慮が必要なことはありますか?」

配慮が必要な場合は、応募者自身から申し出てもらうスタンスで質問することが適切です。

質問の仕方の工夫

外国人面接では、質問の仕方にも工夫が必要です。以下のポイントを意識することで、より正確な情報を引き出すことができます。

  • クローズドクエスチョンを避ける:「○○ですか?」という質問は「はい」「いいえ」で答えられてしまい、日本語能力や考えを確認しにくくなります。「○○について教えてください」というオープンクエスチョンを使いましょう。
  • 誘導質問を避ける:「夜勤はできますよね?」のような質問は、本音を引き出せません。「夜勤についてどう思いますか」と聞きましょう。
  • ゆっくり、はっきり話す:早口や複雑な表現は避け、簡潔な言葉で質問しましょう。
  • 理解を確認する:質問の意図が伝わっているか、応募者の表情や反応を見ながら確認しましょう。

面接で使える総合チェックシート

ここまで解説してきた内容を踏まえ、特定技能外国人の採用面接で活用できる総合チェックシートをご紹介します。このチェックシートを使用することで、確認漏れを防ぎ、客観的な評価が可能になります。

面接前確認チェックリスト

確認項目 確認内容 チェック
在留カード 有効期限、就労制限の有無、カード番号の確認
試験合格証明 介護技能評価試験、介護日本語評価試験、JLPT等
履歴書・職務経歴書 学歴、職歴、資格の確認
技能実習修了証(該当者のみ) 良好修了の確認

面接評価シート

以下の項目について、5段階(5=優秀、4=良好、3=普通、2=やや不足、1=不足)で評価します。

評価カテゴリー 評価項目 評価
日本語能力 聞き取り・理解力
発話・表現力
敬語・丁寧語の使用
介護スキル 介護知識の理解度
実務経験の深さ
技術の習熟度
適性・人柄 コミュニケーション力
誠実さ・真面目さ
協調性・チームワーク
定着可能性 志望動機の明確さ
キャリアプランの具体性

質問項目チェックリスト

面接で確認すべき質問項目をカテゴリー別にまとめています。

基本情報・動機

  • □ 自己紹介をお願いします
  • □ 日本に来た理由・日本で働きたい理由
  • □ 介護の仕事を選んだ理由
  • □ 当施設を志望した理由

経験・スキル

  • □ これまでの介護経験(施設種類、期間、業務内容)
  • □ 一人でできる業務と助けが必要な業務
  • □ 夜勤経験の有無
  • □ 認知症ケアの経験
  • □ 介護で大切にしていること

キャリア・定着

  • □ 5年後のキャリアビジョン
  • □ 介護福祉士取得への意欲
  • □ 日本での勤務希望期間
  • □ 一時帰国の予定・希望

勤務条件・その他

  • □ 希望する勤務形態(夜勤の可否など)
  • □ 通勤方法・通勤時間
  • □ 配慮が必要なこと(食事、休憩など)
  • □ 質問・確認したいこと

面接後のフォローと採用決定のポイント

面接が終わったら、速やかに評価を行い、採用可否を決定することが重要です。優秀な外国人材は複数の施設から内定を受けている場合もあるため、意思決定のスピードが採用成功の鍵を握ります。

面接後の評価プロセス

面接終了後、できるだけ早いタイミングで評価会議を行いましょう。複数の面接官がいる場合は、それぞれの評価を突き合わせ、客観的な判断を心がけます。

  1. 各面接官の評価集約:チェックシートに基づく評価を持ち寄り、総合得点を算出
  2. 懸念点の洗い出し:日本語力、スキル、定着可能性などで懸念がある場合は共有
  3. 配属先の検討:候補者のスキルレベルに応じた配属先を検討
  4. 採用可否の決定:総合的な判断で採用可否を決定

内定通知と事前ガイダンス

採用を決定したら、速やかに内定通知を行います。特定技能外国人の受け入れには、雇用契約締結前に「事前ガイダンス」の実施が義務付けられています。事前ガイダンスでは、労働条件や活動内容、日本での生活に関する情報を、応募者が理解できる言語で3時間以上かけて説明する必要があります。

事前ガイダンスで説明すべき主な内容は以下の通りです。

  • 業務内容、勤務地、勤務時間、報酬などの労働条件
  • 入国手続きの流れと必要書類
  • 日本での生活に関する情報(住居、交通、医療など)
  • 相談・苦情の窓口と対応方法
  • 在留資格の変更や更新に関する情報

登録支援機関の活用

特定技能外国人の受け入れには、10項目の支援義務が課せられています。自社で全ての支援を行うことも可能ですが、初めて外国人材を受け入れる施設にとっては負担が大きい場合があります。登録支援機関に支援を委託することで、事前ガイダンスから入国後のサポートまで、専門的なノウハウに基づいた支援を受けることができます。

登録支援機関に委託する場合の費用目安は、月額2〜3万円程度が相場です。支援内容や地域によって異なりますので、複数の機関から見積もりを取ることをお勧めします。

2025年の制度改正と訪問介護解禁への対応

2025年4月21日より、特定技能外国人による訪問介護サービスへの従事が解禁されました。これまで施設介護に限定されていた特定技能「介護」の業務範囲が拡大されたことで、訪問介護事業所でも外国人材の活用が可能になりました。

訪問介護で特定技能外国人を受け入れる要件

訪問介護サービスに従事するためには、通常の特定技能「介護」の要件に加えて、以下の条件を満たす必要があります。

外国人材側の要件

  • 介護職員初任者研修の修了:訪問介護に従事する日本人と同様の要件
  • 介護事業所等での実務経験:一定期間の施設介護経験が必要

受入事業者側の要件

  • 訪問介護の基本事項、生活支援技術、日本の生活様式に関する研修の実施
  • 一定期間のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の実施
  • キャリアアップ計画の作成
  • ハラスメント防止のための対応マニュアルの作成・共有
  • ICTの活用を含む環境整備

訪問介護事業所が特定技能外国人を採用する場合、面接では上記要件を満たしているかどうかの確認が特に重要になります。また、一人で利用者宅を訪問することになるため、日本語でのコミュニケーション能力や緊急時の判断力をより慎重に評価する必要があります。

訪問介護向け追加確認項目

訪問介護での採用を検討する場合、通常の面接項目に加えて以下の点を確認しましょう。

  • 介護職員初任者研修の修了証明書の有無
  • 施設介護での実務経験(期間、内容)
  • 一人での判断・対応が求められる場面への対応力
  • 緊急時の連絡・報告能力
  • 日本の住宅環境への理解(靴を脱ぐ、ゴミの分別など)

まとめ:成功する面接のために登録支援機関を活用しよう

特定技能外国人の採用面接では、在留資格の確認、日本語能力の評価、介護スキルの見極め、定着可能性の判断など、多くの確認項目があります。本記事で紹介したチェックシートや質問例を活用することで、より客観的で効果的な面接を実施することができます。

  • 事前確認の徹底:在留カード、試験合格証明書などの書類を面接前に確認し、資格要件を満たしているか確認する
  • 日本語能力は実践的に評価:JLPTのレベルだけでなく、実際の会話を通じて「話す力」「聞く力」を確認する
  • 介護スキルは具体的に確認:経験した業務内容と習熟度を詳しく聞き、必要に応じて実技確認も実施する
  • 定着可能性を重視:志望動機、キャリアプラン、生活状況を確認し、長期的な定着が見込めるか判断する
  • NG質問に注意:国籍、宗教、家族構成など、本人の能力と関係のない質問は避ける
  • スピーディーな意思決定:優秀な人材を逃さないよう、面接後は速やかに評価・採用決定を行う

外国人介護人材の採用は、制度の理解、適切な人材の見極め、入国・就労手続き、入社後の支援など、多岐にわたる専門知識が必要です。初めて外国人材を受け入れる施設や、採用プロセスに不安がある場合は、登録支援機関のサポートを活用することをお勧めします。

監修青山 信明

2018年から一般社団法人外国人介護留学生支援機構にて、日本で介護職を目指す外国人留学生の生活支援および就職支援を担当。ベトナム・ネパール・インド国籍の学生支援に従事する。
特定技能制度施行後は、同機構が登録支援機関として認可を受ける過程にも関与し、現在は主にベトナム国籍人材を中心とした特定技能外国人の支援業務を行っている。

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執筆者コネクトナビ編集部

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