2025.12.29

特定技能外国人とは?採用の流れから費用、定着の秘訣まで専門家が徹底解説

「深刻な人手不足を解消したいが、何から手をつければいいのか…」
「外国人材の採用を考えているが、手続きが複雑そうで不安だ…」
「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまったらどうしよう…」
企業の経営者や人事・総務担当者の皆様から、このような切実な悩みをよく伺います。日本の多くの産業が直面する人手不足という大きな課題に対し、「特定技能」という在留資格が解決の鍵となるかもしれません。
2019年に創設されたこの制度により、即戦力となる外国人材の受け入れが可能になりました。2025年6月末時点で、その在留者数は336,196人と過去最多を更新し続けています。これは、特定技能制度が日本の産業にとって不可欠な存在になっていることの証です。

この記事は、特定技能外国人の受け入れを初めて検討する方から、既に受け入れているものの定着に課題を感じている方まで、あらゆる担当者の疑問や不安を解消するために作られた「完全ガイド」です。
制度の基本から、技能実習や2027年導入予定の「育成就労」との違い、採用の具体的な5ステップ、リアルな費用、そして最も重要な「定着率を高める秘訣」まで、網羅的かつ分かりやすく解説します。

なお、特定技能には「1号」と「2号」があり、在留期間や家族帯同の可否など実務上の要点が大きく異なります。まずは全体像を把握したい方は、特定技能1号・2号の違いもあわせて確認しておくと、採用計画や社内説明がスムーズになります。

この記事を最後まで読めば、貴社が特定技能外国人という新たなパートナーと共に、持続可能な未来を築くための具体的な第一歩を踏み出せるはずです。

そもそも特定技能制度とは?3分でわかる基本のキ

【このセクションでわかること】

  • 特定技能制度が創設された背景
  • 制度の目的と対象となる産業分野

特定技能制度とは、一言でいえば「深刻な人手不足に悩む日本の特定産業分野において、即戦力となる専門性・技能を持った外国人材を受け入れるための在留資格制度」です。
日本では少子高齢化を背景に、多くの産業で働き手の確保が困難になっています。この課題を解決するため、特定技能制度は2019年4月に創設されました。従来の「技能実習」制度が、国際貢献を目的としながらも実質的に労働力を補う役割を担っていたのに対し、特定技能制度は初めから「労働者」として外国人材を受け入れ、その権利を保護することを明確にしています。

また、特定技能とあわせて比較されやすい在留資格に「特定活動」があります。採用検討の初期段階で混同しやすいポイントなので、制度理解を整理したい場合は特定活動と特定技能の違いも先に押さえておくと判断ミスを防げます。

受け入れ対象となるのは、以下の「特定産業16分野」です。

  1. 介護
  2. ビルクリーニング
  3. 工業製品製造業
  4. 建設
  5. 造船・舶用工業
  6. 自動車整備
  7. 航空
  8. 宿泊
  9. 自動車運送業
  10. 鉄道
  11. 農業
  12. 漁業
  13. 飲食料品製造業
  14. 外食業
  15. 林業
  16. 木材産業

これらの分野で、企業は一定の技能水準と日本語能力を持つ外国人を「特定技能外国人」として雇用することができます。

特定技能1号と2号の7つの違いを比較表で解説

特定技能には「1号」と「2号」の2つの区分があります。企業の事業計画や人材戦略に合わせて、どちらの在留資格を持つ人材が必要かを理解することが重要です。両者の違いを7つの項目で比較してみましょう。

項目 特定技能1号 特定技能2号
目的 特定産業分野での即戦力として、相当程度の知識・経験を活かした業務に従事 熟練した技能を要する業務に、監督者レベルとして従事
在留期間 通算で上限5年(1年、6ヶ月、4ヶ月ごとの更新) 上限なし(3年、1年、6ヶ月ごとの更新)
家族帯同 原則不可 可能(配偶者、子)
必要な試験 技能試験+日本語試験

※技能実習から特定技能1号への変更の場合、下記基準を満たしている場合は試験の免除が可能です。

【技能試験】対象産業分野に関する技能実習2号を良好に修了した者※①

【日本語試験】職種を問わず技能実習2号に良好に修了した者※②

※①技能実習と特定技能1号で同じ産業分野に該当する場合に限ります。

※②日本語能力は技能実習と特定技能1号の産業分野が異なる場合でも試験の免除が可能です。

技能試験
対象分野 16分野(上記リストの全分野) 11分野(介護を除く)
転職 同一分野内であれば可能 同一分野内であれば可能
永住権 1号の期間だけでは永住要件を満たせない 要件を満たせば永住許可申請が可能

【企業視点でのポイント】

  • 特定技能1号:まずは現場の即戦力として、最大5年間活躍してくれる人材を確保したい場合に適しています。
  • 特定技能2号:現場リーダーや後進の指導役として、長期的に自社の技術・ノウハウを支える中核人材を育てたい場合に最適です。2号への移行を支援することは、優秀な人材の定着に繋がります。

より詳細に「どこが」「なぜ」違うのか、要件や運用の注意点まで整理したい場合は、特定技能1号と2号の違いを徹底比較も参照してください(社内稟議・比較検討資料のベースとして使いやすい構成です)。

「技能実習」はどう変わる?新制度「育成就労」との関係性

「特定技能と技能実習は何が違うの?」という質問もよく受けます。ここでは、これまでの技能実習制度と、これから始まる新制度との関係性を整理しましょう。

  • 技能実習制度(現行〜段階的に廃止)
    • 目的:日本の技術を開発途上国へ移転する「国際貢献」。
    • 課題:目的と実態が乖離し、労働力確保の手段として利用されるケースや、転職が原則不可であることによる人権上の問題が指摘されていました。
  • 特定技能制度(現行)
    • 目的:人手不足解消のための「労働力の確保」。
    • 特徴:労働者として保護され、同一分野内での転職が可能です。

そして、技能実習制度の課題を解消し、より実態に即した形で人材を育成・確保するため、2027年4月から「育成就労制度」がスタートします。
【今後のキャリアパスのイメージ】
育成就労(最長3年) → 特定技能1号(最長5年) → 特定技能2号(無期限)

制度改正の背景や「育成就労」と「特定技能」の役割分担をもう少し具体的に理解したい方は、特定活動・特定技能・新制度(育成就労)の位置づけもセットで読むと、全体像が一気に掴めます。

企業が特定技能外国人を受け入れるメリット・デメリット

【このセクションでわかること】

  • 特定技能外国人を受け入れることで企業が得られる具体的なメリット
  • 事前に把握しておくべきデメリットと、その対策方法

特定技能外国人の受け入れは、多くのメリットをもたらす一方で、注意すべき点も存在します。意思決定にあたっては、両方の側面を正しく理解しておきましょう。

メリット:即戦力確保から組織の活性化まで

  1. 即戦力となる安定的な労働力を確保できる
    特定技能外国人は、各分野で定められた技能試験と日本語試験に合格しているため、一定のスキルとコミュニケーション能力が担保されています。入社後すぐに現場で活躍できる即戦力として、人手不足をダイレクトに解消してくれます。
  2. 組織の活性化とイノベーションを促進する
    異なる文化や価値観を持つ人材が加わることで、職場に新しい視点がもたらされます。コミュニケーションの工夫や業務プロセスの見直しが生まれ、組織全体の活性化や新たなイノベーションのきっかけになることも少なくありません。
  3. 長期的な人材育成と定着が期待できる
    特定技能2号への道があるため、外国人材は日本で長期的なキャリアを築くことができます。企業が2号への移行を積極的に支援することで、彼らは帰属意識を高め、企業の将来を担う熟練人材として定着してくれる可能性が高まります。

デメリットと対策:離職リスクや言語の壁を乗り越える方法

  1. 言語・文化の壁によるコミュニケーションギャップ
    • 課題:業務指示が正確に伝わらなかったり、文化的な誤解から人間関係のトラブルに発展したりする可能性があります。
    • 対策:業務マニュアルにふりがなを振る、写真や図を多用するなどの「やさしい日本語」を心がける。日本人従業員向けに異文化理解研修を実施し、相互理解を深める。
  2. 制度の複雑性と事務負担
    • 課題:在留資格の申請や支援計画の策定、定期的な報告など、専門的な知識を要する事務手続きが多く、担当者の負担が大きくなります。
    • 対策:これらの複雑な業務は、専門家である「登録支援機関」に委託することが可能です。信頼できるパートナーを見つけることが成功の鍵です。
  3. 一定の離職リスク(転職が可能)
    • 課題:特定技能外国人は、より良い条件を求めて同一分野内の他社へ転職することが可能です。民間調査では離職率が16.1%というデータもあり、企業が育成した人材が流出するリスクは常に存在します。
    • 対策:この課題を乗り越える方法こそが、採用成功の核心です。後の「定着率を高める3つの秘訣」の章で詳しく解説します。
  4. 日本人と同等以上のコスト
    • 課題:特定技能外国人の報酬は「日本人と同等以上」と定められています。「安価な労働力」という認識は誤りであり、採用や支援には別途費用が必要です。
    • 対策:これはデメリットではなく、多様な人材への「投資」と捉えることが重要です。彼らが安心して能力を発揮できる環境を整えることが、結果的に企業の生産性向上に繋がります。

【5ステップ】特定技能外国人の採用から就業開始までの全手順

【このセクションでわかること】

  • 特定技能外国人を実際に採用するための具体的な5つのステップ
  • 各ステップでの「やるべきこと」「所要期間の目安」「注意点」

ここからは、実際に特定技能外国人を採用するための具体的なプロセスを、5つのステップに分けて解説します。全体像を把握し、計画的に進めましょう。

【採用プロセス全体像と所要期間の目安】

  • 海外から呼び寄せる場合:約4ヶ月〜8ヶ月
  • 国内在住者を採用する場合:約2ヶ月〜4ヶ月

ステップ1:受け入れ要件の確認と人材募集

  • 所要期間の目安:1ヶ月〜3ヶ月
  • やるべきこと
    1. 自社が受け入れ機関の要件を満たしているか確認する
      • 労働、社会保険、税に関する法令を遵守していること
      • 過去1年間に自己都合でない離職者を出していないこと 等
    2. 分野ごとの協議会へ加入する
      • 受け入れ企業は、各分野を所管する省庁が組織する協議会への加入が義務付けられています。
    3. 人材を募集する
      • 国内在住の外国人材:留学生や技能実習修了者などを、人材紹介会社やハローワークを通じて探します。
      • 海外在住の外国人材:現地の送出機関や日本の人材紹介会社を通じて募集・選考を行います。
  • 注意点:自社の業種が特定技能のどの分野に該当するのか、正確に確認しましょう。不明な場合は、専門家への相談が不可欠です。

ステップ2:雇用契約の締結と支援計画の策定

  • 所要期間の目安:2週間〜1ヶ月
  • やるべきこと
    1. 雇用契約を締結する
      • 報酬額が日本人従業員と同等以上であることを明確にします。
      • 本人が十分に理解できる言語(母国語など)で契約内容を説明し、書面を交付します。
    2. 1号特定技能外国人支援計画を策定する
      • 特定技能1号の外国人に対しては、職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援を行うことが義務付けられています。この支援内容を具体的に記したものが「支援計画」です。
  • 注意点:支援計画の策定と実施には専門的な知識が必要です。自社での実施が難しい場合は、登録支援機関に支援業務の全てを委託することができます。多くの企業がこの方法を選択しています。
    貴社に最適な登録支援機関選びでお困りの際は、中立的な立場でサポートする「海外人材コネクトナビ」へお気軽にご相談ください。

ステップ3:在留資格認定証明書の交付申請

  • 所要期間の目安:2ヶ月〜3ヶ月
  • やるべきこと
    • 企業の所在地を管轄する出入国在留管理局へ、必要な書類を提出します。
    • 海外から呼び寄せる場合:「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
    • 国内在住者を採用する場合:「在留資格変更許可申請」を行います。
  • 注意点:申請には、申請書や雇用契約書の写し、支援計画書の写しなど、非常に多くの書類が必要です。書類の不備は審査の長期化や不許可の原因となるため、行政書士や登録支援機関といった専門家のサポートを受けることを強く推奨します。

ステップ4:入国・就業開始と雇用後の届出義務

  • 所要期間の目安:1週間〜2週間
  • やるべきこと
    1. 【海外からの場合】ビザ申請と入国
      • 交付された在留資格認定証明書を本人に送付し、現地の日本国大使館・領事館でビザ(査証)を申請・取得後、日本へ入国します。
    2. 生活オリエンテーションの実施と各種手続き
      • 入国後の空港への出迎え、住居の確保、銀行口座の開設、住民登録など、支援計画に基づいたサポートを行います。
    3. 就業開始
  • 注意点:採用して終わりではありません。受け入れ企業は、1年に1回の支援の実施状況などを出入国在留管理局へ報告する義務があります。これらの届出を怠ると、新たな受け入れができなくなるなどのペナルティがあるので注意が必要です。(今まで四半期ごとの提出が必要であった定期届出は、2025年4月1日から特定技能制度の運用の一部変更となった為、1年に1回へと変更になりました。※対象年の4月1日から翌年3月31日までの受入れ・活動・支援実施状況を翌年4月1日から5月31日までに提出する。)

ステップ5:定期報告と支援の継続

  • 所要期間の目安:就業中、1年ごとに実施
  • やるべきこと
    1. 1年に1度の定期報告書の提出
      • 受け入れ企業(または委託された登録支援機関)は、一年に一度、支援の実施状況や報酬の支払い状況などを出入国在留管理局へ報告します。
    2. 定期的な面談の実施
      • 支援責任者などは、外国人本人およびその監督者と定期的(3ヶ月に1回以上)に面談を行い、生活や仕事で困っていることがないかを確認します。
  • 注意点:採用して終わりではありません。定期報告を怠ったり、適切な支援を継続しなかったりすると、改善命令や受け入れ停止などのペナルティを受ける可能性があります。長期にわたる適正な運用が、企業としての信頼に繋がります。

気になる採用費用は?内訳とコストを抑えるポイント

【このセクションでわかること】

  • 特定技能外国人を1名採用するためにかかる費用の内訳と相場
  • コストを計画的に管理するためのポイント

経営層への説明や予算化を行ううえで、費用は最も気になるポイントでしょう。費用は大きく「採用時の初期費用」と「雇用後の月額費用」に分けられます。

費用の種類 項目 費用の目安(1名あたり) 備考
採用時(初期費用) 人材紹介手数料 30万円 ~ 80万円 国内・海外、紹介会社により変動
在留資格申請費用 10万円 ~ 20万円 行政書士などに依頼する場合
登録支援機関への初期費用 5万円 ~ 15万円 支援契約時に発生する場合がある
渡航費用(海外採用の場合) 5万円 ~ 10万円 企業負担が一般的
初期費用 合計 50万円 ~ 125万円
雇用後(月額費用) 給与・社会保険料 日本人と同等以上 法定福利費含む
登録支援機関への支援委託費 2万円 ~ 3.5万円 支援内容により変動
住居支援費 企業により異なる 社宅提供の場合の家賃補助など

【コストに関してよくある疑問】

  • なぜ想定より費用が高い?:特定技能は「安価な労働力」ではありません。日本人と同じ労働者として、同等の給与や社会保険、そして外国人材ならではの生活支援への投資が必要だからです。
  • コストを抑えるポイントは?:複数の人材紹介会社や登録支援機関を比較検討することが基本です。また、支援業務の一部(住居探しなど)を自社で行うことで、支援委託費を抑えられる場合もありますが、担当者の工数とのバランスを考える必要があります。

採用成功のカギはここ!定着率を高める3つの秘訣

【このセクションでわかること】

  • 採用した特定技能外国人に長く活躍してもらうための具体的な3つのアクション
  • 他社と差別化し、「選ばれる企業」になるための考え方

人材確保のゴールは、採用することではなく、定着して活躍してもらうことです。転職が可能な特定技能外国人から「この会社で働き続けたい」と思ってもらうためには、制度上の義務を果たすだけでは不十分です。ここでは、離職を防ぎ、定着率を高めるための3つの秘訣を紹介します。

秘訣1:支援の質がすべて。信頼できる「登録支援機関」の選び方

登録支援機関は、単なる事務代行業者ではありません。企業の担当者と外国人材の間に立ち、円滑なコミュニケーションと生活基盤を支える最も重要なパートナーです。質の低い支援は、外国人材の不満や孤立に直結し、早期離職の最大の原因となります。

【信頼できる登録支援機関を見極めるチェックリスト】

  • 支援実績は豊富か?(特に自社と同じ業種での実績)
  • 外国人材の母国語に対応できるスタッフが在籍しているか?
  • 義務的支援だけでなく、独自の定着支援策(日本語学習サポート、交流会など)を提供しているか?
  • 料金体系は明確で、サポート範囲が分かりやすいか?
  • 担当者のレスポンスが早く、親身に相談に乗ってくれるか?

どの登録支援機関が良いか分からない、比較する時間がないという方は、「海外人材コネクトナビ」にご相談ください。貴社の状況やニーズに合わせ、実績豊富な優良登録支援機関をご紹介します。

秘訣2:社内の受け入れ・支援体制を構築し、心理的安全性を確保する

支援機関に丸投げするだけでは、真の定着は実現しないでしょう。企業自身が「仲間として迎え入れる」という姿勢を示し、安心して働ける環境を整えることが不可欠です。
【今すぐできる社内体制構築アクション】

  • 生活相談担当者を任命する:業務以外の悩み(ゴミの出し方、病院の受診など)も気軽に相談できる日本人スタッフを決め、本人に伝えておく。
  • 日本人従業員への異文化理解研修を実施する:宗教上の習慣(お祈りや食事制限など)や文化的な違いについて事前に共有し、偏見や誤解を防ぐ。
  • 「やさしい日本語」を社内に浸透させる:専門用語を簡単な言葉に言い換えたり、短い文章で話したりするなど、全社でコミュニケーションの工夫に取り組む。
  • 定期的な1on1面談を実施する:月に一度、母国語がわかる通訳を交えてでも、本人の困りごとやキャリアの希望を聞く機会を設ける。
  • 社内イベントや地域の催しに誘う:歓迎会や忘年会、地域のお祭りなどに誘い、職場以外での交流を通じて孤立感をなくす。

秘訣3:キャリアパスの提示とスキルアップ支援でモチベーション向上

特定技能外国人も、私たちと同じように「成長したい」「キャリアアップしたい」という意欲を持っています。その想いに応えることが、エンゲージメントを高め、長期的な定着に繋がります。
【モチベーションを高めるキャリア支援アクション】

  • 特定技能2号への移行を会社として支援する:「うちの会社で頑張れば、熟練者として家族と一緒に長く日本で暮らせるよ」という明確な道筋を示す。
  • 関連資格の取得支援制度を設ける:業務に関連する資格(例:介護福祉士、自動車整備士など)の受験費用や勉強時間を会社がサポートする。
  • OJT(On-the-Job Training)で丁寧に技術を指導する:ベテラン社員を指導役につけ、本人のスキルレベルに合わせて丁寧に仕事を教える。
  • 本人の希望や適性を考慮した業務を任せる:面談を通じて本人の得意なことや挑戦したいことを聞き、可能な範囲で業務に反映させることで、仕事へのやりがいを引き出す。

特定技能制度の最新動向と今後の展望【2027年育成就労導入へ】

【このセクションでわかること】

  • 特定技能制度の最新の受け入れ状況
  • 2027年の育成就労制度導入がもたらす変化と、企業が今から準備すべきこと

特定技能制度は、社会のニーズに合わせて常に変化しています。最新の動向を把握し、中長期的な視点で人材戦略を立てることが重要です。
出入国在留管理庁の発表によると、2025年6月末時点での特定技能在留外国人数は336,196人に達し、制度開始以来、一貫して増加し続けています。これは、多くの企業が人手不足の解決策として本制度を活用し、定着しつつあることを示しています。

そして、最大の注目点は、2027年4月から導入される「育成就労制度」です。
これにより、これまでの「技能実習→特定技能」という流れが、「育成就労→特定技能」という、より人材育成とキャリア形成を重視した一本の道筋へと変わります。

実務上は、制度変更に伴い「いつ・誰が・何を」更新するかの管理がより重要になります。更新手続きの全体像(必要書類・スケジュール・不許可リスクのポイント)を整理するなら、特定技能の更新手続きもあわせて参照してください。

【企業が今から準備すべきこと】
育成就労制度の開始を見据え、企業は「3年間かけて人材を育成し、その後、特定技能人材として自社の中核を担ってもらう」という、長期的な人材育成計画を立てる必要があります。単なる人手不足の穴埋めではなく、外国人材一人ひとりのキャリアに寄り添い、共に成長していくという視点が、今後ますます重要になるでしょう。

また、採用後の定着支援では「健康管理」も軽視できません。入社時・定期の健康診断の進め方や注意点は、外国人材の不安軽減とトラブル予防に直結します。実務担当者向けに整理した健康診断の手続き・注意点も、運用設計の参考になります。

まとめ:特定技能外国人は企業の未来を共に創るパートナー

本記事では、特定技能制度の基本から採用の具体的な手順、費用、そして最も重要な定着の秘訣までを網羅的に解説しました。
【この記事の重要ポイント】

  • 特定技能は、即戦力となる労働者を受け入れるための制度。
  • 1号は最大5年、2号は無期限の就労が可能で、長期的なキャリアパスを描ける。
  • 採用には5つのステップがあり、計画的な準備と専門家の活用が不可欠。
  • 費用は日本人採用と同等以上の投資と捉える必要がある。
  • 採用成功の鍵は、信頼できる支援機関選び・社内体制の構築・キャリア支援という「定着」への取り組みにある。
  • 2027年からは「育成就労」制度が始まり、長期的な人材育成がさらに重要になる。

深刻化する人手不足は、もはや避けては通れない経営課題です。特定技能外国人の受け入れは、その解決策となるだけでなく、組織に新たな活気と多様性をもたらし、企業の持続的な成長を支える大きな可能性を秘めています。
彼らを単なる「労働力」としてではなく、貴社の未来を「共に創るパートナー」として迎え入れること。その姿勢こそが、これからの時代に選ばれる企業になるための第一歩です。

まずは社内で受け入れの可能性を検討し、専門的な知識を持つ登録支援機関に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
本サイト内記事でご紹介した優良登録支援機関へぜひお問い合わせしてみてください。

執筆者コネクトナビ編集部

外国人材採用に役立つ情報を随時発信しています。


監修青山 信明

2018年から一般社団法人外国人介護留学生支援機構にて、日本で介護職を目指す外国人留学生の生活支援および就職支援を担当。ベトナム・ネパール・インド国籍の学生支援に従事する。
特定技能制度施行後は、同機構が登録支援機関として認可を受ける過程にも関与し、現在は主にベトナム国籍人材を中心とした特定技能外国人の支援業務を行っている。

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