2026.02.05

ベトナム人を特定技能「介護」で採用する方法|手続き・費用・注意点を徹底解説

介護業界では人手不足が年々深刻化しています。厚生労働省の推計によれば、2040年度には約272万人の介護職員が必要とされ、2022年度の約215万人から約57万人もの上積みが求められています(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。こうした状況を打開する有力な手段として注目されているのが、ベトナム人をはじめとする外国人介護人材の活用です。

特に「特定技能」の在留資格は、即戦力として介護現場で働ける外国人材を採用できる制度として、多くの介護施設で導入が進んでいます。2024年12月末時点で特定技能「介護」の在留者数は約44,000人以上に達し、前年から大幅な増加を記録しました。その中でもベトナム人は最大の割合を占めており、勤勉さや日本文化への親和性から、介護現場での評価が高まっています。

本記事では、ベトナム人を特定技能「介護」で採用する方法について、制度の仕組みから具体的な手続き、費用、注意点まで徹底解説します。大阪をはじめとする関西エリアの介護施設で外国人採用を検討している経営者・人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

この記事のポイントは?

特定技能「介護」とは?ベトナム人が最も多い理由

特定技能「介護」は、2019年4月に創設された在留資格です。介護分野における深刻な人手不足を解消するため、一定の専門性・技能を有する外国人を即戦力として受け入れることを目的としています。技能実習制度とは異なり、労働者としての受け入れが前提となっており、より実践的な業務に従事できる点が特徴です。

特定技能「介護」の基本情報

特定技能「介護」には1号と2号がありますが、2025年1月現在、介護分野は特定技能2号の対象外となっています。そのため、介護分野で働く外国人は特定技能1号での在留となり、在留期間は通算で最長5年間です。ただし、この期間中に介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」への変更が可能となり、在留期間の上限なく日本で働き続けることができます。

項目 内容
在留期間 通算5年(6か月・4か月・1年ごとに更新)
家族帯同 原則不可
転職 同一分野内であれば可能
従事可能業務 身体介護、生活支援、レクリエーション等
キャリアパス 介護福祉士取得で在留資格「介護」へ変更可能

なぜベトナム人が多いのか

出入国在留管理庁の統計によれば、2024年12月末時点で特定技能の在留資格を持つ外国人は約28万人を超え、そのうちベトナム人は約12万6,000人と全体の約45%を占めています。介護分野においても、ベトナム人は最大級の存在感を示しています。

ベトナム人が特定技能で多い理由として、まず技能実習生の母数の大きさが挙げられます。現在日本に在留する技能実習生の約半数がベトナム人であり、彼らが技能実習修了後に特定技能へ移行するケースが非常に多いのです。また、ベトナム国民の平均年齢は約31歳と若く、働き盛りの人材が豊富である点も大きな要因です。

さらに、ベトナム人は勤勉で向上心が高いとされ、介護現場での評価も上々です。宗教上の制約が少なく、日本人と同様に仏教や儒教の影響を受けた文化背景を持つため、日本の生活習慣や価値観に馴染みやすいことも、受け入れ側にとって大きな安心材料となっています。

2025年4月の訪問介護解禁で広がる活躍の場

これまで特定技能「介護」では、利用者宅を訪問して行う訪問介護サービスへの従事が認められていませんでした。しかし、2025年4月21日から訪問介護への従事が解禁され、特定技能外国人の活躍の場が大きく広がりました。

訪問介護分野は特に人手不足が深刻で、有効求人倍率は15倍を超える状況が続いています。今回の制度改正により、一定の条件を満たした特定技能外国人が訪問介護に従事できるようになったことで、人材確保に悩む訪問介護事業所にとっては大きな朗報といえます。

訪問介護に従事するためには、介護職員初任者研修の修了と、原則として介護事業所等での1年以上の実務経験が求められます。また、受け入れ事業所には利用者・家族への事前説明や同行訪問の実施、ICTを活用した連絡体制の整備などが義務付けられています。

ベトナム人を特定技能で採用するための要件と手続き

ベトナム人を特定技能「介護」で採用する場合、他国の人材とは異なる独自の手続きが必要となります。これは日本とベトナムの間で締結されている二国間協定(協力覚書・MOC)に基づくもので、正しく理解しておかないと手続きが大幅に遅延する可能性があります。

外国人本人が満たすべき要件

特定技能「介護」で働くベトナム人は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 介護技能評価試験に合格:介護の基礎知識・技術を問う試験で、介護の基本から利用者への接し方まで幅広く出題されます。
  • 介護日本語評価試験に合格:介護現場で必要な日本語能力を測る試験で、介護用語や指示の理解力が問われます。
  • 日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストに合格:日常的な日本語でのコミュニケーション能力が求められます。
  • 18歳以上であること:未成年は対象外となります。
  • 健康状態が良好であること:所定の健康診断を受け、就労に支障がないことを確認します。

なお、技能実習2号を良好に修了した場合は、上記の試験が免除されます。大阪の特養ホームでは、技能実習からの移行組が即戦力として活躍しているケースも多く見られます。

受け入れ施設側が満たすべき要件

特定技能外国人を受け入れる介護施設側にも、いくつかの要件が課されています。

  • 介護分野の特定技能協議会への加入:厚生労働省が運営する協議会に入会し、制度の適正な運用に協力する義務があります。
  • 日本人と同等以上の報酬:同じ業務に従事する日本人職員と比較して、不当に低い賃金設定は認められません。
  • 適切な支援体制の構築:生活オリエンテーション、日本語学習支援、相談対応などの支援計画を策定・実施する必要があります。
  • 過去1年以内に非自発的離職者や行方不明者がいないこと:労務管理が適正に行われていることが求められます。
  • 事業所ごとの常勤介護職員数を超えない:特定技能外国人の受け入れ人数には上限があり、事業所の日本人等常勤介護職員数が上限となります。

ベトナム独自の手続き:DOLABと推薦者表

ベトナム人を特定技能で採用する際に必ず押さえておくべきなのが、DOLAB(ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局)と推薦者表に関する手続きです。

日本とベトナムの間では、特定技能に関する協力覚書(MOC)が締結されており、ベトナム政府が承認した推薦者の一覧に名前が載っている人のみ、日本が受け入れを行うと定められています。つまり、「推薦者表」の取得が必須であり、これがないと在留資格認定証明書の交付申請ができません。

ベトナム現地から新規入国する場合の流れ

  1. DOLAB認定送出機関との契約:日本の受け入れ企業(または登録支援機関)は、DOLABが認定した送出機関と労働者提供契約を締結します。
  2. 候補者の選定と雇用契約の締結:送出機関から紹介された候補者と面接し、雇用契約を結びます。
  3. 推薦者表の申請・取得:送出機関を通じてDOLABに推薦者表の交付申請を行い、承認を得ます。
  4. 在留資格認定証明書交付申請:推薦者表を添付して、出入国在留管理局に申請します。
  5. ビザ申請・入国:在留資格認定証明書が交付されたら、在ベトナム日本大使館でビザを取得し、日本へ入国します。

日本国内在住のベトナム人を採用する場合

すでに日本に在留しているベトナム人(技能実習生、留学生など)を特定技能に変更する場合も、推薦者表の取得が必要です。この場合は、駐日ベトナム大使館に対して推薦者表の交付申請を行います。申請は本人または受け入れ企業・登録支援機関が行うことができます。

ただし、すでに特定技能の在留資格で在留中の方が転職する場合や、在留期間を更新する場合には、推薦者表の再取得は不要です。

採用から入社までの具体的なスケジュールと費用

ベトナム人を特定技能「介護」で採用する場合、どのくらいの期間と費用がかかるのか、具体的に見ていきましょう。採用ルート(海外からの新規入国か、国内在住者の採用か)によって大きく異なります。

海外から新規入国する場合のスケジュール

ベトナム現地から特定技能人材を採用する場合、送出機関との契約から入社まで4〜6か月程度を見込む必要があります。

ステップ 内容 所要期間目安
1. 送出機関との契約 DOLAB認定送出機関を選定し、労働者提供契約を締結 2〜4週間
2. 候補者選定・面接 送出機関から候補者を紹介してもらい、オンライン等で面接 2〜4週間
3. 雇用契約締結 採用決定後、雇用契約書を締結 1〜2週間
4. 推薦者表申請・取得 送出機関を通じてDOLABに申請 2〜4週間
5. 在留資格認定証明書交付申請 出入国在留管理局に申請 1〜3か月
6. ビザ取得・入国 在ベトナム日本大使館でビザ申請、渡航手配 2〜4週間

登録支援機関を活用すれば、これらの手続きを代行してもらうことができ、施設側の負担を大幅に軽減できます。大阪の介護施設でも、登録支援機関と連携してスムーズに受け入れを進めているケースが増えています。

国内在住者を採用する場合のスケジュール

すでに日本に在留しているベトナム人(元技能実習生、留学生など)を採用する場合は、海外からの入国よりも大幅に期間を短縮できます。最短1〜2か月程度で入社が可能なケースもあります。

ただし、在留資格変更に伴う推薦者表の取得(駐日ベトナム大使館への申請)が必要な点は忘れないようにしてください。技能実習から移行する場合は、実習先での評価や技能検定の合格状況なども審査対象となります。

採用にかかる費用の目安

特定技能外国人の採用には、様々な費用が発生します。主な費用項目と目安は以下のとおりです。

費用項目 目安金額 備考
送出機関への手数料 給与1〜3か月分相当 海外からの新規入国の場合。日本側が最低1か月分以上を負担
人材紹介手数料 20〜40万円程度 紹介会社を利用する場合
登録支援機関への委託費 月額2〜3万円/人 支援業務を委託する場合の月額費用
在留資格申請費用 5〜15万円 行政書士に依頼する場合
渡航費用 5〜10万円 航空券代。施設負担とするケースが多い
住居準備費用 10〜30万円 敷金・礼金・家電家具等の初期費用

一般社団法人 外国人介護留学生支援機構のような登録支援機関を活用すれば、採用決定まで完全無料でサポートを受けられるケースもあります。費用面で不安がある場合は、まずは相談してみることをお勧めします。

活用できる助成金・補助金

外国人介護人材の受け入れに際しては、以下のような助成金・補助金を活用できる可能性があります。

  • 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース):外国人労働者の職場定着のための取り組みに対して支給されます。就業規則の多言語化、相談窓口の設置などが対象となり、最大72万円が支給されます。
  • 地域医療介護総合確保基金(都道府県事業):外国人介護人材の受け入れ環境整備に関する費用を補助する制度があります。自治体によって内容が異なるため、所在地の都道府県に確認してください。
  • キャリアアップ助成金:正社員化や賃金アップなどの取り組みに対して支給されます。外国人労働者も対象となります。

助成金・補助金は要件や申請期限が細かく定められているため、活用を検討する場合は早めに情報収集を行い、専門家(社会保険労務士など)に相談することをお勧めします。

ベトナム人介護士を採用するメリットと注意点

ベトナム人を特定技能「介護」で採用することには、多くのメリットがあります。一方で、受け入れにあたって注意すべき点も存在します。成功事例と失敗を避けるためのポイントを確認しておきましょう。

ベトナム人介護士を採用する5つのメリット

1. 若くて勤勉な人材が豊富

ベトナムの平均年齢は約31歳と若く、日本の高齢化した介護現場に若い活力をもたらしてくれます。ベトナム人は勤勉で向上心が高いと評価されることが多く、介護技術の習得にも意欲的に取り組む傾向があります。

大阪のある特養ホームでは、20代のベトナム人介護士Aさん(仮名)が入職後わずか1年で介護福祉士試験に合格し、リーダー的存在として活躍しています。「利用者さんから感謝されることがやりがい。日本で介護福祉士としてキャリアを築きたい」と話すAさんのように、長期的なキャリア形成を見据えた人材も少なくありません。

2. 宗教上の制約が少ない

ベトナム人の多くは仏教や儒教の影響を受けており、宗教上の食事制限やお祈りの時間などがほとんどありません。これは介護現場において大きなメリットです。食事介助の際に特別な配慮が不要であり、シフト調整も柔軟に行えます。

他のアジア諸国(インドネシアなど)からの人材はイスラム教徒が多く、礼拝の時間や豚肉・アルコールを避ける必要があるケースがあります。その点、ベトナム人は日本人と同様の生活リズムで働きやすいという声が多く聞かれます。

3. 日本文化への親和性が高い

ベトナムは歴史的に中国文化の影響を受けており、儒教的な価値観(年長者への敬意、家族の絆など)が根付いています。これは日本の介護現場において非常に重要な要素です。高齢者を敬う姿勢は利用者やその家族からも好感を持たれやすく、信頼関係の構築がスムーズに進みます。

また、箸を使った食事や入浴の習慣など、日本と似た生活様式を持つため、介護業務への適応も早い傾向にあります。

4. 候補者の母数が大きく採用しやすい

特定技能外国人の中でベトナム人が占める割合は約45%と最大であり、候補者の母数が豊富です。採用活動を行う際に応募者を確保しやすく、優秀な人材を選考できる可能性が高まります。

2024年3月からはベトナム国内でも介護分野の特定技能評価試験が開始され、現地で資格を取得した人材を直接採用できるルートも広がっています。

5. 技能実習からの移行がスムーズ

現在日本で働く技能実習生の約半数がベトナム人であり、彼らの多くが技能実習修了後に特定技能への移行を希望しています。すでに日本での就労経験があり、日本語や介護技術を習得している人材を採用できるため、即戦力として期待できます。

技能実習2号を良好に修了していれば試験が免除されるため、手続きもスムーズです。技能実習生を受け入れている施設であれば、そのまま特定技能に移行してもらうことで、人材の定着率向上にもつながります。

注意すべきポイントと対策

転職リスクへの対応

特定技能は技能実習と異なり、同一分野内であれば転職が認められています。待遇や人間関係に不満がある場合、他の施設に移ってしまうリスクがあります。

対策としては、以下のような取り組みが有効です。

  • 定期的な面談を実施し、悩みや不満を早期に把握する
  • 日本語学習支援や資格取得支援を行い、キャリアアップを後押しする
  • 日本人職員との交流機会を設け、職場への帰属意識を高める
  • 住居や生活面でのサポートを充実させ、安心して働ける環境を整える

言語コミュニケーションの課題

日本語能力試験N4レベルでは、複雑な指示や専門用語の理解に限界があります。特に認知症の利用者への対応や緊急時の報告など、高度なコミュニケーションが求められる場面では注意が必要です。

対策としては、以下のような工夫が効果的です。

  • 介護記録のテンプレート化や、よく使うフレーズの一覧表を作成する
  • 指示は簡潔に、視覚的な資料(写真・イラスト)を活用する
  • 日本語学習の時間を業務時間内に確保する
  • 日本語能力試験N3・N2の取得を奨励し、支援する

文化・価値観の違いへの配慮

ベトナムと日本では、仕事への姿勢や時間感覚に違いがある場合があります。例えば、ベトナムでは家族を非常に大切にする文化があり、親族の冠婚葬祭で急な休暇を申し出ることがあります。

こうした文化的背景を理解した上で、双方がストレスなく働けるよう、入職時のオリエンテーションで日本の職場文化やルールを丁寧に説明することが大切です。また、日本人職員に対しても、異文化理解の研修を実施するとよいでしょう。

登録支援機関を活用するメリットと選び方

特定技能外国人を受け入れる際には、「支援計画」の策定と実施が義務付けられています。この支援業務を自社で行うことも可能ですが、多くの介護施設では登録支援機関に委託しています。登録支援機関を活用するメリットと、選び方のポイントを解説します。

登録支援機関とは

登録支援機関とは、出入国在留管理庁に登録された法人または個人で、特定技能外国人の支援計画の全部または一部を受け入れ企業に代わって実施する機関です。外国人の入国前から帰国まで、様々な場面でサポートを行います。

主な支援内容は以下のとおりです。

  • 入国前の事前ガイダンス:労働条件、入国手続き、日本での生活について母国語で説明します。
  • 出入国時の送迎:空港から住居までの送迎を行います。
  • 住居・生活支援:住居の確保、銀行口座開設、携帯電話契約などをサポートします。
  • 生活オリエンテーション:日本の法律・ルール、公共交通機関の利用方法、防災・緊急時対応などを説明します。
  • 日本語学習の機会提供:日本語教室の情報提供や、オンライン学習の支援を行います。
  • 相談・苦情対応:職場や生活上の相談に母国語で対応します。
  • 定期的な面談:3か月に1回以上、外国人本人および監督者との面談を実施します。
  • 転職支援:受け入れ企業の都合で離職する場合、次の就職先を探す支援を行います。

登録支援機関に委託するメリット

専門知識と経験による安心感

在留資格に関する法令や手続きは複雑で、頻繁に改正されます。登録支援機関は最新の制度に精通しており、適切な対応が可能です。書類の不備による申請却下や、コンプライアンス違反のリスクを軽減できます。

施設側の負担軽減

支援業務を自社で行う場合、担当者の配置や多言語対応の体制整備が必要となります。登録支援機関に委託すれば、これらの負担を大幅に軽減でき、施設は本来の介護業務に集中できます。

母国語でのサポートによる安心感

外国人本人にとっても、母国語で相談できる窓口があることは大きな安心につながります。仕事上の悩みや生活上のトラブルを早期に解決でき、離職防止にも効果的です。

登録支援機関の選び方

登録支援機関は全国に数多く存在しますが、質にはばらつきがあります。以下のポイントを参考に、信頼できる機関を選びましょう。

  • 介護分野の実績があるか:介護現場の特性を理解し、適切なサポートができるかどうかを確認してください。
  • ベトナム語対応が可能か:ベトナム人を採用する場合、ベトナム語でのサポート体制が整っているかは重要なポイントです。
  • 24時間対応の緊急連絡体制があるか:夜勤中の事故やトラブルに備え、24時間対応できる体制があると安心です。
  • 費用体系が明確か:月額費用に何が含まれるのか、追加費用が発生するケースなどを事前に確認してください。
  • 定期報告などの義務を適切に履行しているか:四半期ごとの定期報告など、法令で定められた義務を確実に履行しているかどうかを確認しましょう。

一般社団法人 外国人介護留学生支援機構は、大阪を拠点とする登録支援機関として、ベトナム人をはじめとする外国人介護人材の受け入れを包括的にサポートしています。介護現場に精通したスタッフが、ビザ申請から入社後のフォローまで一気通貫で対応し、採用決定まで完全無料でサポートを提供しています。

特定技能から介護福祉士へ:長期的なキャリアパスの構築

特定技能「介護」の在留期間は通算5年が上限ですが、この期間中に介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」への変更が可能となり、在留期間の上限なく日本で働き続けることができます。ベトナム人介護士の長期的な定着を図るためには、この介護福祉士資格の取得支援が非常に重要です。

介護福祉士国家試験の受験資格

特定技能外国人が介護福祉士国家試験を受験するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 実務経験ルート:介護等の業務に3年以上従事し、かつ介護福祉士実務者研修を修了すること。特定技能として働きながら目指す場合、このルートが一般的です。
  • 養成施設ルート:介護福祉士養成施設で2年以上学び、所定の課程を修了すること。留学生向けのルートですが、特定技能からの転換は難しいケースが多いです。

実務経験ルートを選択する場合、特定技能として3年間働けば受験資格を得られます。ただし、並行して実務者研修(450時間)を修了する必要があります。

外国人の介護福祉士試験合格に向けた支援

介護福祉士国家試験は日本語で出題されるため、外国人にとってはハードルが高いと言われています。しかし、近年は合格者も着実に増えており、適切な支援があれば十分に合格可能です。

施設として以下のような支援を行うことで、合格率の向上が期待できます。

  • 業務時間内での学習時間の確保:週に数時間でも、就業時間内に学習時間を設けることで、モチベーション維持につながります。
  • 外国人向け対策講座の受講支援:EPA候補者向けなど、外国人を対象とした試験対策講座が開催されています。受講費用の補助や勤務調整を行いましょう。
  • 日本語能力の向上支援:N2レベル以上の日本語力があると、試験問題の読解がスムーズになります。日本語学習の継続支援が重要です。
  • 合格者へのインセンティブ:資格取得手当や昇給など、合格した場合のメリットを明確にすることで、学習意欲を高めます。

在留資格「介護」への変更と将来展望

介護福祉士試験に合格し、在留資格「介護」を取得すると、以下のようなメリットがあります。

  • 在留期間に上限がなくなり、永続的に日本で就労可能
  • 配偶者や子どもの帯同が認められる(家族滞在ビザ)
  • 訪問介護を含む全ての介護業務に従事可能
  • 将来的に永住権取得の道も開ける

ベトナム人介護士にとって、介護福祉士資格の取得は日本での長期的なキャリア形成の第一歩です。施設側にとっても、せっかく育成した人材を長く確保できるメリットがあります。資格取得支援を通じて、Win-Winの関係を築いていきましょう。

まとめ:ベトナム人特定技能介護人材の採用で人手不足を解消しよう

本記事では、ベトナム人を特定技能「介護」で採用する方法について、制度の概要から具体的な手続き、費用、メリット・注意点まで詳しく解説しました。

  • 特定技能「介護」は即戦力となる外国人を採用できる在留資格で、在留期間は通算5年。介護福祉士資格を取得すれば在留資格「介護」へ変更可能
  • ベトナム人は特定技能外国人の約45%を占め、勤勉さ・日本文化への親和性・宗教的制約の少なさなどから介護現場での評価が高い
  • 2025年4月から訪問介護への従事が解禁され、特定技能外国人の活躍の場がさらに広がった
  • ベトナム人採用にはDOLABと推薦者表に関する独自の手続きが必要。登録支援機関の活用で負担を軽減できる
  • 採用から入社まで4〜6か月程度(海外からの場合)。国内在住者なら1〜2か月程度で採用可能
  • 転職リスクや言語コミュニケーションの課題には、定期面談・日本語学習支援・職場環境整備で対応する
  • 介護福祉士資格の取得支援を通じて、長期的な人材定着を図ることが重要

介護分野における特定技能制度は、慢性的な人材不足が続く介護業界においては、もはや選択肢ではなく必須の取り組みとなりつつあります。

中でもベトナム人材は、就労意欲の高さや職場への順応力の面で評価が高く、介護分野における主要な外国人材層を形成しています。

定期的なフォローや語学面の支援、安心して働ける環境づくりに加え、資格取得を後押しする取り組みなどの適切な準備と支援体制を整えることで、外国人材は介護現場の貴重な戦力として活躍してくれるでしょう。

執筆者コネクトナビ編集部

外国人材採用に役立つ情報を随時発信しています。


監修青山 信明

2018年から一般社団法人外国人介護留学生支援機構にて、日本で介護職を目指す外国人留学生の生活支援および就職支援を担当。ベトナム・ネパール・インド国籍の学生支援に従事する。
特定技能制度施行後は、同機構が登録支援機関として認可を受ける過程にも関与し、現在は主にベトナム国籍人材を中心とした特定技能外国人の支援業務を行っている。

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