2026.10.13

阪南市のデイサービスで外国人介護職員の採用が進む理由

介護施設で外国人スタッフが日本人職員と笑顔で会話している様子

求人を出しても応募が来ない状態が、何か月も続いていないでしょうか。

阪南市のデイサービスでは、こうした悩みを抱える施設が少なくありません。採用担当の方の中には、外国人材の受入れという選択肢が気になりつつも、制度が複雑で一歩を踏み出せずにいる方も多いはずです。

阪南市でデイサービスを運営する経営者・施設長・採用担当者に向けて、人材不足の背景から受入れの判断材料までを整理しました。

読み終えるころには、自施設の人材課題の構造、在留資格ごとの違い、費用の相場、登録支援機関へ委託すべきかどうかの判断材料がそろい、比較検討できる状態になります。

この記事のポイント

□ 阪南市は高齢者と現役世代の比率が全国より厳しく、人員基準の維持が年々難しくなっています

□ 早く人手が欲しいなら特定技能、長期育成を前提にするなら在留資格「介護」が向いています

□ 受入れ決定から就労開始まではおおむね数か月単位の準備期間が必要です

□ 専任の採用担当を置けない施設は、登録支援機関への委託が現実的な選択になります

□ 支援機関を選ぶ際は、費用体系の明確さと、近隣での対応実績を必ず確認してください

阪南市の介護人材不足の実情とは?

阪南市の総人口は2025年1月1日時点で50,080人です。このうち65歳以上の高齢者は34.9%を占め、人口の3.0人に1人が65歳以上、5.9人に1人が75歳以上という構成になっています(総務省「住民基本台帳に基づく人口」2025年1月1日時点)。

さらに深刻なのは支え手の比率です。阪南市の高齢者と生産年齢人口の比率は1対1.7で、全国平均の1対2.1より支え手が少ない状態です。

つまり、働き手の絶対数が全国水準より乏しいまま、介護の需要だけが積み上がっている地域だといえます。

阪南市のオープンデータによると、特に高齢者の割合が多いのは箱作・自然田エリア、地区別では西鳥取地区で高齢者の占める割合が高いとされています。

阪南市が公表している人口ビジョンの改訂版では、65歳以上の高齢者単身世帯が増加傾向にあるとも示されています。

デイサービスを利用する高齢者の多くが単身世帯や夫婦のみ世帯であることを踏まえると、送迎や生活相談を含めた人手の必要量は、今後も高い水準で推移すると考えられます。

阪南市単独の介護職有効求人倍率は公表されていません。大阪府の公表資料によると、大阪府における介護職の有効求人倍率は5.70倍(2019年11月時点)で、全国平均の4.45倍を大きく上回る水準です。

阪南市も同様の傾向にある可能性はありますが、これはあくまで大阪府全体の値であり、阪南市単独の実情を示すものではない点にご注意ください。日本人の採用だけで人員基準を維持し続けるのが難しくなっている背景が、こうした数字から見えてきます。

在留資格ごとの違いとは?外国人介護人材の受入れ選択肢

外国人介護人材の受入れには、複数の制度上の選択肢があります。代表的なものが「特定技能」と在留資格「介護」です。

どちらを選ぶかで、採用までの期間や求められる教育体制が変わります。

比較項目 特定技能 在留資格「介護」
対象 一定の技能・日本語要件を満たした特定技能人材 介護福祉士の資格を持つ人材
就労できる範囲 一般的には介護業務全般とされています 一般的には介護業務全般とされています
在留期間 上限が設けられているとされています(1号の場合) 更新制限なし(長期就労が可能)
受入れまでの傾向 比較的早く採用しやすい 資格取得・育成を前提とするため時間がかかりやすい
向いている施設 早急に人手を確保したい施設 長期的に幹部候補を育てたい施設

就労範囲や在留期間の詳細な要件は改正が続いている領域のため、最新の情報は所管省庁の公表資料で確認してください。

この表からも分かるとおり、特定技能は就労開始までの速さを重視する施設に向いています。

一方、在留資格「介護」は時間をかけて育成する前提の制度です。

このほか、技能実習からの移行や、留学生としてすでに日本で介護福祉士を取得した人材を採用するルートもあります。

自施設がどちらを優先するかは、次の見極めのステップで整理していきます。

自施設に外国人介護人材の受入れが向いているか見極めるポイント

制度を比較する前に、自施設の状況を把握しておく必要があります。

向き・不向きを判断する軸は、次の3つに整理できます。

人員不足の深刻度

慢性的な欠員が続いているのか、特定のシフト帯だけ厳しいのかで、必要な人数と緊急度が変わります。

デイサービスは日勤中心の勤務形態が多く、送迎や入浴介助の時間帯に人手が集中します。

阪南市のような高齢者単身世帯の多い地域では、利用者の生活支援ニーズも複雑になりやすく、余裕を持った人員配置が求められます。

教育・指導体制の有無

日本語でのコミュニケーションや介護記録の指導にあたる職員を、現場に配置できるかを確認してください。

指導役がいないまま受入れを進めると、現場任せになり、早期離職につながりやすくなります。

住居や生活支援の受け皿

阪南市には石田・和泉鳥取・尾崎町・箱作など複数の町域があり、賃貸物件の情報は地域ごとに分かれています。

外国人材が暮らす住居を、施設側でどこまで確保・支援できるかも重要な判断材料です。

この3つのうち、2つ以上に不安があるなら、自社だけで進めるのは負担が大きいといえます。後述する登録支援機関への委託を検討する価値があります。

阪南市での受入れまでの流れと期間の目安

受入れを決めてから実際に就労が始まるまでには、複数の手続きを経る必要があります。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 自施設の課題整理と受入れ方針の決定(特定技能か在留資格「介護」か)
  2. 人材紹介会社や登録支援機関への相談・比較検討
  3. 候補者とのマッチング・面接
  4. 在留資格の申請書類の準備と提出
  5. 在留資格認定(または変更)の審査
  6. 住居・生活環境の準備
  7. 来日・入職、支援計画に基づく生活オリエンテーション

在留資格の審査には一定の期間がかかるため、採用計画は逆算して早めに動き出すことが欠かせません。

特に海外から新たに呼び寄せる場合は、国内在住者の採用に比べて準備期間が長くなる傾向があります。

阪南市のように南海本線・JR阪和線が通る地域では、通勤圏の設定次第で候補者の幅も変わってきます。候補者が国内のどのエリアから通勤できるかを早い段階で整理しておくと、面接やマッチングの調整がスムーズに進みます。

外国人介護人材の受入れにかかる費用の相場と内訳

外国人介護人材の受入れにかかる費用の相場と内訳

費用は、どの採用手法を使うかで内訳が大きく変わります。

人材紹介を利用する場合、介護業界では理論年収の30〜35%を成功報酬とする完全成果報酬型が主流とされています(エッセンシャルワーカー採用研究所「介護の人材紹介の現状と手数料相場」)。

同研究所が実施した2023年度の調査では、常勤介護職員(介護福祉士有)1人あたりの紹介手数料は平均で約89万円だったという結果が出ていますが、これは一つの調査による参考値であり、施設や候補者の条件によって上下する幅のある数字だと捉えてください。

この金額は全国的な業界水準であり、阪南市固有の数値ではありません。

手数料は採用が決定した時点で発生する完全成果報酬型が一般的とされており、採用に至らなければ費用は発生しないケースが多いようです。

このほか、登録支援機関へ委託する場合は、月々の支援委託費が別途かかります。

支援委託費は機関によって対応範囲が異なるため、金額は見積もりを取って比較する必要があります。

費用項目 内容 発生のタイミング
紹介手数料 理論年収の30〜35%が目安(成功報酬型) 採用決定時
支援委託費 生活支援・日本語支援などの委託料 月額または年額
住居関連費 初期費用・社宅準備費など 入職前
教育・研修費 日本語学習支援・介護技術研修など 入職後継続

この表のとおり、費用は採用時だけでなく継続的にも発生します。

見積もりを比較する際は、単発でかかる費用と、毎月かかる費用を分けて確認してください。

大阪府では「大阪府外国人介護人材受入促進事業」として、補助対象基準額1法人あたり250,000円の補助制度があります。補助基準額と実支出額のいずれか低い額が対象となります(大阪府「外国人介護人材受入促進事業」)。

こうした補助制度の活用も、費用負担を抑える手段の一つになります。

外国人介護人材の支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか

外国人介護人材の支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか

特定技能人材を受け入れる場合、1号特定技能外国人への支援は義務となっています。

自社で行うか、登録支援機関へ委託するかを選べる仕組みです。

比較項目 自社で支援 登録支援機関へ委託
専任担当の必要性 必要(人員を割く必要がある) 不要(機関が代行)
費用 人件費のみ(追加の委託費は無し) 支援委託費が発生
多言語対応 施設側で用意する必要がある 機関のノウハウを活用できる
緊急時対応 施設職員が対応 機関が初動対応を担うことが多い

専任の担当者を配置できる体制があれば、自社支援でコストを抑えることも可能です。

ただし、デイサービスは日勤帯の業務に人手が集中しやすく、支援業務まで手が回らない施設も多いはずです。

その場合は、登録支援機関への委託が現実的な選択になります。

登録支援機関を選ぶときの判断基準

委託すると決めた後、次に悩むのが機関選びです。

判断基準は次のとおり整理できます。

阪南市やその近隣に拠点・担当者がいるか

受入れ後のトラブルは、電話やメールだけでは解決しないことがあります。

近隣に担当者がいれば、当日中に施設へ駆けつけてもらえる可能性が高まります。

外国人材本人の役所手続きや住居探し、通院の付き添いも、対面での対応のほうが進みやすいものです。

地域の不動産会社や日本語教室とつながりを持つ機関であれば、生活支援の質も変わってきます。

逆に、遠方の機関は訪問頻度が下がりやすく、交通費が追加費用として上乗せされることもあります。

介護分野での実績と対応できる在留資格の幅

特定技能だけでなく、在留資格「介護」や技能実習からの移行にも対応できる機関であれば、将来の受入れ方針の変更にも柔軟に対応できます。

定着支援の内容と日本語教育体制

入職後の生活相談、日本語学習の機会をどこまで用意しているかを確認してください。

大阪府全域では、識字・日本語教室が227教室、学習者数5,576人という調査結果があります(大阪府教育庁地域教育振興課「令和7年度識字・日本語教室等現況調査」)。

阪南市単独の教室数は公表されていませんが、こうした府全体の教室網を機関が把握しているかどうかも、選定の参考になります。

費用体系の明確さと追加費用の有無

契約前に、料金表と追加費用の発生条件を書面で確認してください。通訳対応や緊急時訪問が別料金になっていないかは、特に見落としやすい点です。

契約解除やキャンセルの条件

支援機関との相性が合わない場合に、どのような条件で契約を解除できるかも事前に確認しておく事項です。

見積もりで確認すべき項目とは?

複数の登録支援機関を比較する際は、見積もりの内訳をそろえて確認する必要があります。

確認すべき項目は次のとおりです。

  1. 支援委託費に含まれる業務の範囲(生活支援・日本語支援・定期面談など)
  2. 通訳対応や緊急時訪問が、追加費用になるかどうか
  3. 交通費・出張費の有無と金額
  4. 契約期間と更新時の条件
  5. 解約時の違約金の有無

項目をそろえて比較しないと、安く見える見積もりが実際には割高だった、という事態が起こります。

見積もりは必ず複数の機関から取り、同じ条件で並べて比べてください。

悪質な事業者の見分け方

先に挙げた判断基準の裏返しとして、注意すべき特徴もあります。

次のような事業者には注意が必要です。

□ 費用の内訳を書面で示さず、口頭説明だけで契約を急がせる

□ 対応できる在留資格や国籍を曖昧にしか説明できない

□ 受入れ後の定着支援について具体的な説明がない

□ 阪南市やその近隣での対応実績を尋ねても答えられない

□ 契約解除の条件を事前に提示しない

費用の安さだけで選ぶと、受入れ後の支援がほとんど機能しない、という事態につながりやすくなります。

複数の機関を比較し、説明の丁寧さと書面の整備状況を見ることが、見分ける最も確実な方法です。

阪南市の施設が受入れ体制として準備するもの

阪南市の施設が受入れ体制として準備するもの

委託先が決まった後は、施設側の実務的な準備が始まります。

住居の確保

阪南市には石田・尾崎町・箱作・自然田など複数の町域があり、賃貸物件の情報は地域ごとに分かれています。

社宅を用意するか、本人に物件を探してもらうかを早めに決めておく必要があります。

シフトと指導役の調整

デイサービスは送迎や入浴介助の時間帯に業務が集中します。指導役となる職員を、その時間帯に配置できるかを確認してください。

記録の書き方の指導

介護記録は専門用語が多く、日本語を母語としない職員には特有のつまずきが出やすい部分です。記入例を用意し、段階的に指導する体制が有効です。

日本語能力と任せる業務範囲

日本語能力に応じて、任せる業務を段階的に広げる設計が必要です。最初から全業務を任せるのではなく、送迎補助から始めて記録作成へ広げる、といった進め方が定着につながります。

既存職員への説明

受入れの目的と役割分担を、事前に既存職員へ説明しておくことも欠かせません。説明不足のまま受入れを進めると、指導役が孤立しやすくなります。

受入れ後に起きやすいトラブルと対処

受入れ後は、想定していなかった課題が表面化しやすい時期です。

よく起きるのは、生活面での孤立です。住居が確保できても、買い物や役所手続きに一人で対応できず、不安を抱えるケースが多く見られます。

この場合、支援機関や施設職員が初期の数回だけでも同行することで、本人の安心感が大きく変わります。

もう一つ多いのが、業務範囲の認識違いです。本人が期待していた業務と、実際に任された業務にずれがあると、早期離職につながりやすくなります。

入職前の段階で、担当業務を具体的にすり合わせておくことが有効な対処です。

既存職員とのコミュニケーション不足も見過ごせません。定期的な面談の場を設け、困りごとを早期に拾い上げる仕組みが、トラブルの拡大を防ぎます。

定着のために効く取り組み

受入れが済んだ後は、定着のための継続的な取り組みが欠かせません。

阪南市は南海本線やJR阪和線を利用して通勤する職員も多く、夜勤明けの移動負担にも配慮が必要です。

通勤時間が長くなりがちな人材には、勤務シフトを組む際に移動時間を考慮することで負担を軽減できます。

生活面では、役所手続きや通院への同行が、有効とされる定着支援の取り組みの一つです。

阪南市の在留外国人は増加傾向にあり、特にベトナム国籍の在留外国人が増えているとされています(阪南市「阪南市人口ビジョン改訂版」)。

一方で、阪南市の在留外国人数が総人口に占める割合は、近隣自治体と比べてやや低い水準だとも示されています。

同じ国籍のコミュニティが身近に少ない可能性があるため、孤立を防ぐ工夫がより重要になると考えられます。

定期的な面談や、日本語学習の機会を継続して提供することも、長期就労につながる取り組みです。

外国人介護人材の受入れでよくある失敗事例

契約後に通訳対応の追加費用が発生するのは、受入れで最も多い想定外の出費です。契約前に、通訳対応が委託費に含まれているかを書面で確認しておけば防げます。

住居探しの開始が遅れると、入職時期が月単位でずれることがあります。受入れ方針を決めた時点で、住居の確保に動き出すことが有効な対策です。

既存職員への説明が不十分なまま受入れを進めると、指導役となった職員が一人で抱え込み、孤立することがあります。受入れの目的を事前に共有し、役割分担を明確にしておくことで防げます。

日本語能力に見合わない業務を任せると、本人が自信を失い、早期離職につながることがあります。業務範囲を段階的に広げる設計にすることで、無理のない定着が期待できます。

費用の安さだけで支援機関を選ぶと、受入れ後の支援がほとんど機能しないことがあります。複数の機関を比較し、定着支援の内容まで確認することが防ぐための手段です。

コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。自施設の状況に合う機関を探す際にご活用ください。

受入れ準備チェックリスト

□ 自施設の人員体制と不足数を把握した

□ 受入れ可能な在留資格(特定技能・在留資格「介護」など)を確認した

□ 住居の確保の見通しを立てた

□ 指導役とシフトの調整方針を決めた

□ 費用の総額と内訳(紹介手数料・支援委託費・住居費・教育費)を確認した

□ 登録支援機関の対応範囲と、阪南市近隣での実績を確認した

□ 既存職員への説明の場を設けた

支援機関選びで迷った場合は、コネクトナビ掲載の支援機関を比較してください。費用や支援範囲、実績を確認し、自施設に合った支援機関を選びましょう。

阪南市のデイサービス外国人採用のまとめ

阪南市は高齢化率34.9%、支え手の比率も全国平均より厳しい地域です。日本人だけの募集で人員基準を維持し続けるのは、年々難しくなっています。

早く人手が必要なら特定技能、長期育成を前提にするなら在留資格「介護」が向いています。

自施設の人員不足の深刻度・指導体制・住居の受け皿を見極めたうえで、自社支援か登録支援機関への委託かを判断してください。

専任担当を置けない施設は、委託が現実的な選択です。その際は、阪南市やその近隣に拠点を持つ機関かどうかを必ず確認してください。

コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。自施設に合った受入れ方法を見つける一助としてご活用ください。

よくある質問

阪南市のデイサービスでも外国人介護人材を受け入れられますか
可能です。特定技能や在留資格「介護」など、制度上の選択肢があります。自施設の状況に応じて向いている制度が異なるため、まずは人員体制の見極めから始めてください。
費用はどれくらいかかりますか
人材紹介を利用する場合、介護業界では理論年収の30〜35%を成功報酬とする完全成果報酬型が主流とされています。これに加えて支援委託費や住居関連費がかかります。
日本語がまだ上手ではない人材でも任せられますか
業務範囲を段階的に広げる設計が有効です。最初は送迎補助など負担の軽い業務から始め、記録作成など専門性の高い業務へ段階的に移行する方法が定着につながります。
支援機関は近隣でなくても問題ありませんか
近隣に拠点がある機関のほうが、トラブル時の当日対応や生活相談で有利になる傾向があります。遠方の機関は訪問頻度が下がりやすく、交通費が追加費用になることもあります。
受入れ人数が多い場合はどうすればよいですか
受入れ人数が多いほど、自社だけでの支援は負担が大きくなります。登録支援機関への委託を検討し、複数機関から見積もりを取って比較することをおすすめします。