人材競争が激しい東大阪市の特養が採用で勝つためには
求人を出しても、応募がほとんど来ない。面接までこぎつけても、内定辞退が続く。東大阪市で特養を運営されている方の多くが、同じ悩みを抱えているのではないでしょうか。
日本人の応募だけを待っていては、人員基準を満たせなくなる時期が近づいています。ただ、外国人介護人材の受入れといっても、制度が複雑で何から手をつければよいか分からない、という声もよく聞きます。
在留資格ごとの違い、費用相場、登録支援機関へ委託すべきかの判断基準まで、順を追って比較できる形でお伝えします。
この記事のポイント
東大阪市は高齢化率28.9%(2023年)で、2050年には40.0%まで上昇すると見込まれています。特養など施設系サービスの需要は、今後も長期的に増え続ける前提で考える必要があります。
特定技能は即戦力を早く迎えたい施設向け、在留資格「介護」は長期育成を前提とした施設向けという違いがあります。受入れ費用は紹介手数料と支援委託費が中心で、大阪府の補助制度を使えば負担を抑えられる場合もあるでしょう。
専任担当を置けない施設にとって、登録支援機関への委託は現実的な選択肢です。支援機関を選ぶときは、東大阪市やその近隣に拠点があるかどうかが、受入れ後の実務に直結します。
東大阪市の特養が直面する人材競争の実情とは?
東大阪市の高齢化率は28.9%で、すでに4人に1人以上が高齢者という状況です。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、この高齢化率は2050年までに40.0%まで上昇すると見込まれています。
つまり、介護を必要とする人の数は今後も増え続けるということです。東大阪市の特養にとって、人材需要の増加は一時的なものではなく、長期的に向き合う前提になります。
高齢化の進み方が採用環境に与える影響
高齢化率28.9%という現在の水準から、2050年の40.0%へという上昇幅は11.2ポイントにのぼります。これは、今の採用計画が10年後、20年後の人員体制にも影響することを意味します。
短期的な欠員補充だけを考えて採用を進めると、需要の伸びに追いつけなくなる恐れがあります。中長期の人員計画を前提に、採用のチャネルを増やしておくことが求められます。
大阪府全体で見る介護職の求人倍率の高さ
働き手を確保する側の環境も、厳しさを増しています。東大阪市単独の有効求人倍率は公表されていませんが、厚生労働省資料をもとにしたマイナビ介護職のまとめによると、大阪府全体の介護職の有効求人倍率は5.70倍(2019年11月時点)で、全国平均の4.45倍を大きく上回る水準です。
これはあくまで大阪府全体の数値であり、東大阪市単独のデータではありません。府内に位置する東大阪市の採用環境も、この傾向と無縁ではないと考えられますが、市単位での裏付けが無い以上、あくまで参考値として受け止める必要があります。
他産業との人材獲得競争という側面
大阪府全体で見ると、外国人労働者のうち製造業に従事する人が約4万人と最も多く、サービス業や小売業がこれに続きます。この数値は大阪府全体のものであり、東大阪市単独の統計ではありません。
東大阪市の産業構造を示す裏付けは今回確認できていませんが、日本人採用だけに頼らない視点を持つことが重要です。
外国人介護人材の在留資格にはどんな違いがあるか?
人材競争が長期化する中で、外国人介護人材の受入れは有力な選択肢の一つです。ただし、在留資格によって受入れの性質が大きく異なります。
| 在留資格 | 特徴 | 在留期間の目安 | 向いている施設 |
|---|---|---|---|
| 特定技能1号 | 一定の技能・日本語力を要件に、即戦力として受入れ可能 | 通算5年まで | 早く人手を補いたい施設 |
| 技能実習 | 技能移転が目的。監理団体を通じて受入れる | 最長5年(区分により異なる) | 段階的に育成したい施設 |
| 在留資格「介護」 | 介護福祉士資格を取得した人材が対象。在留期間に上限なし | 更新により長期在留が可能 | 長期にわたって育成・定着させたい施設 |
| EPA(経済連携協定) | 二国間協定に基づく受入れ。国家試験合格が前提 | 資格取得後は長期就労が可能 | 協定対象国との連携を重視する施設 |
表のとおり、早く人手が要るなら特定技能、長く育てるなら在留資格「介護」が基本的な選び方になります。技能実習は監理団体を通す手続きが前提になるため、受入れ体制づくりに一定の時間がかかります。
どの制度を選ぶべきかは、自施設の受入れ人数や教育体制によって変わってきます。制度の詳しい要件や上限人数は改正が続いているため、最新の情報は出入国在留管理庁の公表資料で確認することをおすすめします。
自施設は外国人介護人材の受入れに向いているか見極める
制度を理解しただけでは、受入れがうまくいくとは限りません。まず自施設の状況を整理することが欠かせません。
受入れ人数に見合う教育体制があるか、既存職員が受入れに前向きか、日本語能力に応じた業務範囲を設計できるか。この3点を確認することが、見極めの出発点になります。
日本語能力と任せられる業務範囲の考え方
在留資格によって求められる日本語要件は異なります。特定技能1号では一定の日本語能力試験の合格が条件になりますが、それだけで利用者対応や記録業務のすべてを任せられるわけではありません。
最初は身体介護の補助から始め、日本語でのやり取りに慣れるにつれて記録業務や利用者家族への対応へ範囲を広げる、という段階的な設計が現実的です。業務範囲の設計を誤ると、本人の負担が大きくなり早期離職につながりやすくなります。
既存職員への説明と現場の受け止め方
制度や業務範囲が決まっても、現場の協力が無ければ定着は進みません。受入れの目的や役割分担を、早い段階で既存職員へ共有することが大切です。
説明が不十分なまま受入れを進めると、指導を任された職員だけが孤立してしまうことがあります。指導役を1人に任せきりにせず、チームで支える体制を事前に決めておきましょう。
受入れまでの流れと期間の目安
自施設の受入れ適性を確認できたら、次は具体的な手順です。受入れまでに行うことは、おおむね次の流れになります。
- 在留資格・受入れ制度を決め、登録支援機関または監理団体を選ぶ
- 求人票の作成、人材の選考・内定
- 在留資格の申請書類をそろえ、出入国在留管理局へ申請する
- 住居の確保と指導役・シフトの調整を行う
- 支援計画を作成し、受入れ後の支援体制を整える
この手続き自体は全国共通であり、東大阪市だからといって特別な手順があるわけではありません。ただし、住居の確保は実務上つまずきやすいポイントです。
住居探しの開始が遅れると、在留資格の審査が通っても入職時期が1か月単位でずれることがあります。選考が決まった段階で、並行して住居の検討を始めることをおすすめします。
外国人介護人材の受入れにかかる費用相場と内訳

流れを理解したところで、気になるのが費用です。人材紹介を利用する場合、手数料は想定年収に料率をかけて算出されるのが一般的で、理論年収の30〜35%が業界一般の目安とされています。
エッセンシャルワーカー採用研究所の2023年度調査では、常勤の介護福祉士資格を持つ人材1人あたりの紹介手数料は平均約89万円という結果が出ています。紹介手数料率・紹介手数料平均額のいずれも介護業界全体の一般的な水準であり、東大阪市固有のものではない点にご留意ください。多くは採用が決定した時点で発生する完全成果報酬型で、採用に至らなければ費用は発生しません。
この水準を踏まえたうえで、支援委託費や住居費、教育費といった他の費用も見込んで予算を組む必要があります。
追加費用が発生しやすいケース
見積もり段階では見えにくい費用もあります。通訳対応、緊急時の訪問対応、住居探しのサポートなどは、契約内容によって追加費用が発生することがあります。
契約後に通訳対応などの追加費用が出てくるのは、よくある想定外の出費の一つです。契約前に、料金表と追加費用が発生する条件を書面で確認しておくことで防げます。
費用負担を軽くする大阪府の補助制度
費用負担を軽くする手段として、大阪府の「外国人介護人材受入促進事業」という補助制度があります。補助率は2/3、基準額30万円に対して1施設あたり上限20万円が交付される仕組みです。
あわせて、大阪府介護職員処遇改善支援補助金などの賃上げ支援制度も用意されています。これらは大阪府が実施する制度のため、申請要件や最新の交付状況は大阪府福祉部の公表資料で確認してください。
支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか
費用の全体像をつかんだところで、次に考えるべきは実務を誰が担うかです。特定技能人材を受入れる場合、1号特定技能外国人支援は自社で行うか、登録支援機関へ委託するかを選べます。
| 比較項目 | 自社で行う場合 | 登録支援機関へ委託する場合 |
|---|---|---|
| 費用 | 委託費は不要だが、担当者の人件費・教育コストがかかる | 支援委託費が発生する |
| 専門知識 | 法改正の情報を自ら収集し、支援計画の様式変更にも自力で対応する必要がある | 法改正への対応や書類の様式更新を任せられる |
| 生活支援 | 住居・役所手続きなどを自前で対応する体制が要る | 支援のノウハウを持つ機関に任せられる |
| 向いている施設 | 専任担当を置ける施設、受入れ人数が多い施設 | 専任担当を置けない施設、初めて受入れる施設 |
表のとおり、専任担当を置けるかどうかが、自社対応と委託のどちらを選ぶかの分かれ目になります。委託費用が継続的に発生する点は、長期的なコストとして見込んでおく必要があります。
登録支援機関を選ぶときの判断基準とは?
委託すると決めた施設が次に知りたいのは、どの機関を選ぶかという点です。判断基準として、次の項目を確認することをおすすめします。
- 東大阪市やその近隣に拠点・担当者がいるか
- 介護分野での受入れ実績があるか
- 特定技能・技能実習など対応できる在留資格の幅
- 受入れ後の定着支援の内容(生活相談・日本語教育の体制)
- 費用体系が明確で、追加費用の条件が書面で示されているか
- 対応できる国籍と現地側との連携体制
- トラブル時・緊急時の対応の速さ
- 契約解除やキャンセルの条件
登録支援機関は、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関で、登録支援機関登録簿に掲載されます。出入国在留管理庁のウェブサイトで公開されている一覧ファイルから検索する仕組みで、東大阪市固有の窓口があるわけではありません。所在地や分野で絞り込みながら、候補を探すことになります。
東大阪市やその近隣に拠点があることの意味
支援機関を選ぶ判断基準のうち、拠点の有無は特に実務への影響が大きい項目です。受入れ後のトラブルは、電話やメールだけでは解決しないことがあります。
近隣に担当者がいれば、当日中に施設へ来られる可能性が高まります。外国人材本人の役所手続きや住居相談、通院同行といった生活支援も、対面で対応できるほうが進みやすいのが実情です。
逆に、遠方の事業者は訪問頻度が下がりやすく、交通費が費用に上乗せされることもあります。
見積もりで確認すべき項目とは?
支援機関選びの一環として、見積もり段階で確認すべき項目を整理しておきましょう。
複数の登録支援機関から見積もりを取り、内訳の項目をそろえて比べることが基本です。支援委託費の中に、生活オリエンテーションや定期面談、通訳対応がどこまで含まれているかを確認します。
料金表と追加費用が発生する条件(緊急時訪問、通訳対応の時間外料金など)を書面で確認しておくことで、契約後のトラブルを減らせます。口頭だけの説明で済ませず、必ず書面に残すよう求めましょう。
悪質な事業者を見分けるにはどうすればよいか?
良い判断基準を踏まえたうえで、注意すべき事業者の特徴も押さえておく必要があります。
費用体系が不明瞭で、見積もりの内訳をはっきり説明しない事業者は注意が必要です。契約解除やキャンセルの条件があいまいなまま契約を急がせる場合も、警戒したほうがよいでしょう。
定着支援の内容を聞いても「任せてください」としか答えない、担当者の説明が曖昧で専門用語を使うだけ、といった対応も見極めのポイントになります。トラブル時の対応速度や、実際にどのような支援を行っているかを具体的に聞き、答えに具体性があるかどうかを確認しましょう。
外国人介護人材の受入れ前に準備しておくべきもの

委託先が決まったら、次は施設側の実務的な準備です。住居の確保、シフトの調整方針、指導役の配置、支援計画の記録方法という4点を整えておく必要があります。
住居の確保では、大阪府が住宅セーフティネット法に基づき指定する居住支援法人の存在が参考になります。令和8年1月時点で210法人が指定されており、高齢者・外国人を含む住宅確保要配慮者の入居相談や見守りなどの生活支援を行っています。
これは大阪府が指定する制度であり、東大阪市独自の窓口ではありませんが、住居探しに不安がある施設にとっては有力な相談先になります。シフトと指導役は、受入れ初期は特に手厚くし、徐々に自立できる体制へ移行していく設計が現実的です。
受入れ後に起きやすいトラブルと対処法
準備を整えても、受入れ後にはいくつかのトラブルが起きやすいものです。生活面での孤立、業務範囲の認識違い、支援計画の記録不備が代表的な型です。
生活面の孤立は、職場以外でのつながりが少ないことから起こります。早い段階で相談できる窓口を用意し、定期的な面談を設けることが対処の基本になります。
業務範囲の認識違いは、受入れ前の説明が不十分なまま現場に配属することで生じやすくなります。記録や報告の不備は、支援機関との連携を密にし、定期的に支援計画の実施状況を確認することで防げます。
外国人介護人材の定着のために効く取り組み
受入れが済んだあと、最も重要になるのが定着です。買い物や役所手続きへの同行、通院の付き添いといった生活支援が、定着に効果的な取り組みとしてよく挙げられます。
公益財団法人介護労働安定センターの介護労働実態調査によると、全国の介護職員の離職率は2023年度時点で13.1%と過去最低を更新しています。この数値は東大阪市単独のものではありませんが、全国的に見ても定着への取り組みが欠かせない分野であることが分かります。
生活面の孤立を防ぐことが、離職を防ぐ最も効果的な手段の一つです。業務上の指導だけでなく、職場の外での生活を支える姿勢が、長く働いてもらうための鍵になります。
特養で起きやすい受入れの失敗とは?
契約後に通訳対応の追加費用が出てくると、予算を圧迫することがあります。見積もり段階で内訳を細かく確認しておくことで防げます。
住居探しの開始が遅れると、入職時期が1か月単位でずれます。選考と並行して住居の検討を始めることが対処になります。
既存職員への説明が不足すると、指導役だけが孤立しやすくなります。受入れの目的をチーム全体で共有しておくことが防止策です。
日本語能力と任せる業務が合わないと、早期離職につながりやすくなります。段階的に業務範囲を広げる設計が有効です。
支援計画の記録が不十分だと、後の対応に追われることになります。支援機関と連携し、記録の方法を最初に決めておくことが防止につながります。
外国人介護人材の受入れ準備チェックリスト
自施設の準備状況を、次の項目で確認してみてください。
□ 自施設の人員体制と不足数を把握した
□ 受入れ可能な在留資格を確認した
□ 住居の確保の見通しを立てた
□ 指導役とシフトの調整方針を決めた
□ 費用の総額と内訳を確認した
□ 支援機関の対応範囲と拠点の位置、定着支援・費用体系の明確さを確認した
チェックが埋まらない項目があれば、該当する章を読み返し、対応を進めてから次のステップへ進むことをおすすめします。
東大阪市の特養の採用競争に勝つためのまとめ
東大阪市の特養は、高齢化率の上昇が続く一方で、働き手を確保する環境も厳しさを増しています。日本人採用だけに頼らない視点が、今後ますます重要になります。
在留資格は、早く人手が要るなら特定技能、長く育てるなら在留資格「介護」が基本の選び方です。費用は紹介手数料と支援委託費が中心で、大阪府の補助制度を活用すれば負担を抑えられる場合があります。
受入れをまだ検討していない施設は、まず自施設の人員体制と将来の需要を把握することから始めてください。検討中の施設は、在留資格ごとの違いと費用相場を比較し、自施設に合う制度を見極めましょう。
委託先を探している施設は、東大阪市やその近隣に拠点があるか、定着支援の内容が具体的かを軸に比較することをおすすめします。コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。
支援機関選びで迷った場合は、コネクトナビ掲載の支援機関を比較してください。費用や支援範囲、実績を確認し、自施設に合った支援機関を選びましょう。
よくある質問
- 東大阪市の特養でも外国人介護人材の受入れは可能ですか?
- 制度上は全国どこでも可能です。ただし受入れ体制や住居の確保など、施設側の準備状況によって向き不向きがあります。
- 特定技能と技能実習、どちらを選べばよいですか?
- 早く人手を補いたいなら特定技能、段階的に育成したいなら技能実習や在留資格「介護」が向いています。受入れ人数や教育体制に応じて判断しましょう。
- 登録支援機関への委託費用はどのくらいかかりますか?
- 支援委託費は機関によって異なります。複数社から見積もりを取り、内訳をそろえて比較することをおすすめします。
- 受入れ人数が多く自施設だけでは対応しきれない場合はどうすればよいですか?
- 複数人の受入れを一度に進める場合は、登録支援機関への委託を検討してください。生活支援や定着支援まで含めて任せられる機関であれば、施設側の負担を抑えられます。
- 大阪府の補助金はどこで申請できますか?
- 外国人介護人材受入促進事業など大阪府の制度は、大阪府福祉部地域福祉推進室が所管しています。最新の要件や申請時期は大阪府の公表資料で確認してください。
