2026.10.02

大阪市東淀川区の有料老人ホームが人手不足対策として取り組むべきこと

介護施設の職員が高齢者と笑顔で会話をしている様子

求人を出しても応募が来ない。採用できても数か月で辞めてしまう。そんな状態が続き、シフトを組むだけで精一杯になっている有料老人ホームの採用担当の方は、大阪市東淀川区にも少なくないはずです。

「外国人材の受入れを検討したほうがよいのか」と思いながらも、制度が複雑で何から手をつければよいか分からず、立ち止まってしまう方も多いのではないでしょうか。

大阪市東淀川区で有料老人ホームなどの介護施設を経営・運営している方に向けて書いています。自施設の人手不足の構造を整理したうえで、外国人介護人材の受入れが自施設に合うかどうか、どの在留資格を選ぶべきか、支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか、委託するならどこを選べばよいかを、順を追って判断できるようにまとめました。

この記事のポイント

  • 大阪市東淀川区は高齢化率が今後9ポイント近く上昇する見込みで、人材需要はさらに増えます
  • 早く人手が欲しいなら特定技能、長期育成を前提にするなら在留資格「介護」が候補になります
  • 人材紹介の手数料は理論年収の3割前後が業界全般の目安で、支援委託費は別途かかります
  • 専任の採用担当を置けない有料老人ホームほど、登録支援機関への委託が現実的な選択です
  • 大阪市東淀川区やその近隣に拠点を持つ支援機関かどうかで、緊急時の対応速度が変わります

大阪市東淀川区の有料老人ホームが抱える人手不足の実情とは?

大阪市東淀川区の人口は17万1,536人で、2020年と比べて約5,584人減少しています。年齢構成では高齢者人口(65歳以上)が25.06%を占めています。

将来推計では、2050年に高齢化率が34.42%まで上昇する見込みです。現在から約9ポイントの上昇が想定されており、介護を必要とする方は今後も増え続けます。

大阪市東淀川区単独の求人倍率は公表されていない

大阪市東淀川区単独の介護職有効求人倍率は公表されていません。参考として、大阪府の公表資料をもとにした調査では、府全体の介護職有効求人倍率が5.70倍(2019年11月時点)とされ、全国平均の4.45倍を上回る水準でした。

区単位のデータはなく、東淀川区が同様の傾向にあるかどうかは不明です。この数値は時点が古く、あくまで参考情報として受け止める必要があります。

東淀川区の立地が採用競争に与える影響

東淀川区は新大阪駅へのアクセスが良好な立地です。この利便性の高さが、介護以外の業種の求人とも人材を奪い合う要因になっている可能性があります。

区内には阪急京都本線・阪急千里線・おおさか東線・大阪メトロ今里筋線が通り、通勤の選択肢が広い地域です。通勤しやすい分、求職者にとって介護以外の職種も選びやすい環境だと考えられます。

外国人介護人材の在留資格ごとの違いは?

外国人介護人材の受入れには、主に4つの在留資格があります。どれを選ぶかによって、就労できる範囲や在留期間、受入れまでの手順が変わります。

在留資格 特徴 在留期間の目安 向いている施設
特定技能1号 即戦力として就労可能 通算5年まで 早く人手を確保したい施設
在留資格「介護」 介護福祉士資格が前提 更新制限なし 長期育成・定着を目指す施設
技能実習 実習を通じた技能移転が目的 最長5年 監理団体との連携体制がある施設
EPA(経済連携協定) 国家試験合格を目指す研修生 国家試験の合否で変動 研修体制を整えられる施設

特定技能は比較的早く就労を開始できる制度で、人手不足に即応したい有料老人ホームに選ばれやすい傾向があります。一方、在留資格「介護」は介護福祉士の資格取得が前提となるため、長期的な戦力として育てたい施設に向いています。

技能実習とEPAは、監理団体や送出し機関との連携が前提になる制度です。自施設だけで完結できる制度ではなく、受入れ後の支援体制とあわせて検討する必要があります。

自施設は外国人介護人材の受入れに向いているか見極める

制度を比較する前に、自施設の状況を整理しておくことが大切です。向き不向きは、採用の難しさだけでは決まりません。

人員体制と業務の切り分けができているか

日本語での意思疎通に不安がある段階からどこまで業務を任せられるか、あらかじめ整理しておく必要があります。食事介助や移動介助など身体に直接触れる業務と、記録や申し送りなど日本語力が求められる業務を分けて考えると判断しやすくなります。

指導役を社内で確保できるか

受入れ後は、業務を教える指導役が必要になります。指導役が1人に偏ると、その職員の負担が大きくなり、早期離職の原因にもつながります。

住居を確保できる見込みがあるか

東淀川区のワンルーム賃貸は、不動産データを扱う民間サイトのアキオによると月額4.4万円程度、1Kは月額6.3万円程度とされています。全間取りの平均家賃は月額7.5万円程度とされ、9,162件の物件情報をもとに集計されています。

不動産情報サイトのSUUMOでは、新築・駅徒歩1〜5分の条件でワンルーム月額6.4万円からという事例があります。アキオの集計では大阪府全体の家賃上昇率8.79%に対し東淀川区は5.28%程度の上昇にとどまるとされていますが、出典は民間サイトの集計であり調査方法の詳細は確認できないため、参考情報として捉えてください。

次の3点のうち2つ以上に当てはまる施設は、受入れを前向きに検討できる段階にあります。このチェックは次の「受入れ準備チェックリスト」にもまとめていますので、あわせて活用してください。

  • 日本語力に応じて任せる業務を切り分けられる
  • 指導役を複数人で分担できる
  • 住居費の目安を把握し、確保の見通しが立てられる

受入れまでの流れと期間の目安

外国人介護人材の受入れは、制度を問わずおおむね次の流れで進みます。期間は候補者の在留資格や送出し国の手続きによって変動します。

  1. 受入れ方針を決める(在留資格・人数・時期の整理)
  2. 支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか決める
  3. 人材紹介会社や監理団体を通じて候補者を募集する
  4. 面接・内定を行う
  5. 在留資格の申請書類をそろえ、出入国在留管理庁へ提出する
  6. 在留資格が許可されたら、住居と受入れ体制を整える
  7. 来日・就労開始

申請から許可までの期間は候補者の状況によって幅があるため、断定的な日数は書けません。余裕を持ったスケジュールを組み、支援機関にも早めに相談しておくことが望まれます。

外国人介護人材を受け入れる費用の相場と内訳は?

外国人介護人材を受け入れる費用の相場と内訳

費用は大きく分けて、紹介手数料・支援委託費・住居費・教育費の4つで構成されます。それぞれの相場を押さえておくと、見積もりを比べる際の判断材料になります。

費用項目 相場の目安 備考
人材紹介手数料 理論年収の30〜35%程度 完全成果報酬型が主流。採用時のみ発生。業界全般の水準で、東淀川区固有の値ではない
支援委託費 施設により異なる 登録支援機関へ委託する場合に発生
住居費(東淀川区目安) ワンルーム月額4.4万円〜 不動産情報サイトの集計値

人材紹介の手数料は、理論年収に料率をかけて算出される仕組みが一般的です。業界団体の調査を基にした民間資料では、介護福祉士資格を持つ常勤職員1人あたりの紹介手数料実績値が平均約89万円という結果も示されていますが、これは東淀川区に限定したものではなく、業界全般の参考値として捉えてください。

届出制の人材紹介会社では、法定上限が理論年収の50%と定められています。見積もりを取る際は、この料率が何パーセントに設定されているかを必ず確認してください。

複数の機関から見積もりを取り、内訳の項目をそろえて比べることが、適正な金額を見極める近道です。

コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。費用の内訳を確認する際の参考にしてください。

支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか

支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか

特定技能人材を受け入れる場合、1号特定技能外国人への支援は義務になります。この支援を自社で行うか、登録支援機関へ委託するかは、受入れ前に決めておく必要がある分岐点です。

比較項目 自社で支援 登録支援機関へ委託
コスト 委託費がかからない 支援委託費が継続的に発生
専任担当者 社内に専任者が必要 専任者を置かなくてよい
制度対応力 法改正への追従が自前 専門機関が最新情報を把握
多言語対応 社内に語学人材が必要 機関によっては通訳対応あり

専任の採用担当や多言語対応できる職員を社内に置ける有料老人ホームは、自社支援という選択肢も検討できます。一方、採用担当が他業務と兼任している施設では、委託のほうが現実的です。

特に小規模な有料老人ホームやグループホームでは、支援計画の作成や定期面談の記録まで自前で回すのは負担が大きくなります。委託を選ぶ施設が多いのは、この実務負担が理由です。

自社で対応できるか迷う場合は、コネクトナビ掲載の支援機関の対応範囲を見ながら、自施設に足りない部分を確認してみてください。

登録支援機関を選ぶときの判断基準は?

登録支援機関は、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関です。数が多いため、選び方の基準を持っておく必要があります。

大阪市東淀川区やその近隣に拠点があるか

拠点の有無は、実務上の差として表れます。受入れ後のトラブルは電話やメールだけでは解決しないことがあり、近隣に担当者がいれば当日中に施設へ駆けつけてもらえる可能性が高まります。

外国人材本人の役所手続きや住居探し、通院の同行なども、対面のほうが進みやすい支援です。地域の不動産会社や日本語教室とつながりを持つ機関であれば、生活面の支援もスムーズに進みます。

逆に遠方の機関は訪問頻度が下がりやすく、交通費が追加費用として発生することもあります。見積もりの際に、対応エリアと訪問頻度を具体的に確認してください。

介護分野での実績と対応できる制度の幅

介護分野での支援実績が豊富かどうかは、支援計画の質に直結します。特定技能だけでなく、技能実習やEPAなど複数の制度に対応できる機関であれば、将来的に受入れ人数を増やす際の相談先としても頼りになります。

定着支援と日本語教育の体制

受入れ後の定着支援に、生活相談や日本語学習のフォローが含まれているかを確認してください。参考として、大阪府教育庁の調査によると府内には識字・日本語教室が227教室あり、学習者数は5,576人とされていますが、これは大阪府全域の集計であり、東淀川区単独の教室数を示すものではありません。

大阪市東淀川区内の教室数は公表されていません。区内に教室が無いという意味ではなく、支援機関が地域資源とどう連携しているかを、選定時に直接確認することが大切です。

見積もりで確認すべき項目

複数の登録支援機関から見積もりを取る際は、次の項目をそろえて比較してください。

  • 紹介手数料の料率と、何を基準に算出しているか
  • 支援委託費に含まれる業務の範囲
  • 通訳対応や緊急時訪問が追加費用になるかどうか
  • 契約期間と、途中解約時の条件
  • 定期面談の頻度と報告方法

追加費用が発生しやすいのは、通訳同行、夜間や休日の緊急対応、住居探しの代行といった項目です。契約前に料金表へ明記されているかを必ず確認してください。

悪質な事業者の見分け方

選定基準の裏返しとして、避けるべき事業者の特徴も押さえておきましょう。

  • 費用の内訳を書面で示さず、総額だけを提示する
  • 定着支援の具体的な内容を説明できない
  • 担当者が頻繁に変わり、窓口が一貫しない
  • 契約解除の条件があいまいなまま契約を急がせる
  • 大阪市東淀川区やその近隣での対応実績を具体的に示せない

費用の安さだけで選ぶと、受入れ後の支援がほとんど受けられず、トラブル時に孤立することがあります。安さと支援内容のバランスを、契約前に必ず見極めてください。

受入れ体制として準備するものは?

受入れ体制として準備するもの

委託先が決まったあとは、施設側で次の体制を整える必要があります。

住居とシフトの調整

東淀川区は新大阪駅へのアクセスが良好で、通勤の選択肢は確保しやすい地域です。ただし夜勤明けの移動を考えると、施設からの距離や交通手段もあわせて検討してください。

指導役と記録の体制

指導役を1人に固定せず、複数人で分担できる体制が望まれます。支援計画に基づく記録も、定期的な提出が求められるため、誰が担当するかを事前に決めておく必要があります。

日本語能力と任せる業務範囲

日本語能力に応じて、任せる業務を段階的に広げていく考え方が現実的です。最初から申し送りや記録まで任せるのではなく、身体介助から始めて徐々に範囲を広げる施設が多く見られます。

受入れ後に起きやすいトラブルと対処

受入れ後は、業務面と生活面の両方でトラブルが起きやすくなります。あらかじめ対処法を知っておくと、慌てずに済みます。

トラブルの種類 起きやすい場面 対処の方向性
意思疎通の行き違い 申し送り・記録時 やさしい日本語とメモの併用
生活面の孤立 休日・勤務時間外 生活相談窓口の案内
住居トラブル 入居直後 支援機関や不動産会社への相談
職員間の摩擦 業務分担時 事前の説明会実施

生活面の孤立は、離職につながりやすいトラブルです。支援機関の定期面談だけに頼らず、施設側からも声をかける機会を持つことが、早期発見につながります。

外国人介護人材の定着のために効く取り組み

定着は、受入れが完了したあとに始まる取り組みです。受入れ前の準備と同じくらい、受入れ後の関わり方が重要になります。

  • 買い物や役所手続きへの同行を、最初の数か月は意識的に行う
  • 既存職員へ事前に受入れの目的と役割分担を説明する
  • 日本語学習の機会を継続的に案内する
  • 定期的な面談で、業務面と生活面の両方を聞き取る

既存職員への説明が不十分なまま受入れを進めると、指導役だけが負担を抱え込み、現場の協力が得られにくくなります。受入れの目的を事前に共有しておくことが、現場の受け止め方を左右します。

失敗事例から学ぶ受入れの落とし穴

契約後に通訳対応の追加費用が発生するのは、受入れで最も多い想定外の出費です。契約前に料金表へ通訳費用が含まれるかどうかを確認しておけば防げます。

住居探しの開始が遅れると、入職時期が1か月単位でずれることがあります。在留資格の許可が下りた時点ではなく、候補者が決まった段階で住居探しを始めると、ずれを防ぎやすくなります。

既存職員への説明が不足すると、指導役だけが孤立し、負担が偏ります。受入れの数週間前に説明会を開き、役割分担を共有しておくことで防げます。

日本語能力と任せる業務が合わないまま配置すると、早期離職につながりやすくなります。入職直後は身体介助を中心に任せ、段階的に業務を広げる計画を立てておくと防げます。

費用の安さだけで支援機関を選ぶと、受入れ後の支援がほとんど受けられないことがあります。契約前に定着支援の具体的な内容を書面で確認しておけば防げます。

受入れ準備チェックリスト

受入れを進める前に、次の項目を確認してください。

□ 自施設の人員体制と不足数を把握した
□ 受入れ可能な在留資格を確認した
□ 日本語力に応じて任せる業務を切り分けられる
□ 指導役を複数人で分担できる体制を決めた
□ 住居費の目安を把握し、確保の見通しを立てた
□ 費用の総額と内訳を確認した
□ 支援機関の対応範囲と拠点の位置を確認した
□ 既存職員への説明会の実施時期を決めた
□ 契約解除の条件を書面で確認した

支援機関選びで迷った場合は、コネクトナビ掲載の支援機関を比較してください。

大阪市東淀川区の有料老人ホームの人手不足対策まとめ

大阪市東淀川区では高齢化率が今後も上昇し、介護需要はさらに増えていく見込みです。日本人だけの募集を続けるだけでは、人員体制の確保が難しくなる施設も出てくると考えられます。

外国人介護人材の受入れを検討する際は、自施設の人員体制と業務の切り分けを整理したうえで、在留資格と受入れ方法を比較してください。費用は紹介手数料・支援委託費・住居費の内訳で考えると、見積もりの比較がしやすくなります。

専任の採用担当を置けない施設ほど、登録支援機関への委託が現実的な選択になります。大阪市東淀川区やその近隣に拠点を持つ機関であれば、緊急時の対応や生活支援の面でも安心材料になります。

費用や支援範囲、実績を確認し、自施設に合った支援機関を選びましょう。比較検討を重ねることが、受入れ後の定着につながります。

よくある質問

大阪市東淀川区でも外国人介護人材は受け入れられますか?
制度上、地域による制限はありません。在留資格の要件を満たせば、東淀川区内の有料老人ホームでも受入れが可能です。
特定技能と在留資格「介護」はどちらを選べばよいですか?
早く人手を確保したいなら特定技能、介護福祉士の資格取得を前提に長期的に育てたいなら在留資格「介護」が候補になります。受入れ人数や教育体制に応じて選んでください。
住居はどのように確保すればよいですか?
東淀川区のワンルーム賃貸は月額4.4万円程度からという民間集計があります。不動産会社や支援機関と相談しながら、通勤の負担も含めて検討してください。
一度に複数人を受け入れたい場合はどうすればよいですか?
受入れ人数が多いほど、住居の確保や指導体制の負担も大きくなります。対応実績が豊富な登録支援機関へ早めに相談することをおすすめします。
支援機関を途中で変更することはできますか?
契約内容によります。契約解除の条件を事前に書面で確認し、不明な点は契約前に担当者へ質問してください。