人材競争が激しい東大阪市で介護職員を確保するには
求人を出しても応募が来ない状態が、何か月も続いているのではないでしょうか。
東大阪市では高齢化率が28.9パーセントに達し、4人に1人以上が高齢者という構成になっています。介護の需要は増える一方で、人材競争は激しくなり、日本人だけの募集では人員基準を満たせない施設が増えています。
そこで検討されるのが、外国人介護人材の受入れです。ただ、在留資格の種類や費用、支援機関への委託の是非など、判断すべき点が多く、途中で止まってしまう施設も少なくありません。
読み終えたときには、東大阪市の人材競争のなかで自施設に合った受入れ方法と、委託すべきかどうかの判断ができる状態を目指します。
この記事のポイント
□ 高齢化率28.9パーセントの東大阪市では、日本人限定の募集は限界が近づいています
□ 早く人手が要るなら特定技能、長く育てるなら在留資格「介護」を選びます
□ 初年度の費用は1人あたり40〜80万円で、大半が紹介手数料と支援委託費です
□ 専任担当を置けないなら登録支援機関への委託が現実的です
□ 東大阪市近隣に拠点を持つ支援機関なら、トラブル時に当日訪問が期待できます
東大阪市の介護人材競争が激しくなっている実情とは?
東大阪市の高齢化率は28.9パーセントです。生産年齢人口は60.5パーセントまで下がっています(住民基本台帳、2023年)。
働き手そのものが減っているなかで、高齢者は増え続けている状況です。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口では、東大阪市の高齢化率は2050年までに40.0パーセントへ達すると見込まれています。おおよそ10人に4人が高齢者になる計算です。
一方で総人口自体は減少が続いています。2050年の推計人口は377,297人で、現在と比べて約21パーセント減る見込みです。
需要は増え、支える側は減っていく。これが東大阪市の介護人材競争を生んでいる構造です。
大阪府全体の求人倍率が示す採用の厳しさ
大阪府が公表する「大阪府介護・福祉人材確保戦略2023」によると、介護分野の職業の有効求人倍率は令和4年10月時点で4.32倍でした。
過去には5.70倍(2019年11月時点)という時期もあり、これは全国平均の4.45倍を大きく上回る水準です。都道府県順位では東京都、愛知県、奈良県、岐阜県に次ぐ5位という高さでした。
東大阪市単独の求人倍率を示す統計は確認できませんが、大阪府全体でこの水準にあるということは、東大阪市の施設も同じ人材競争のただなかにあるということです。
近隣の雇用先との競合が採用を難しくしている
東大阪市には近鉄奈良線・大阪線・けいはんな線、JRおおさか東線、大阪メトロ中央線が通っており、大阪市中心部への通勤も容易です。
介護職を目指す人材にとって、通勤圏の広さは選択肢の広さでもあります。つまり、東大阪市内の施設は、市内だけでなく大阪市内の施設とも介護人材を奪い合う関係にあるということです。
交通の便がよいことは住民にとって利点ですが、採用の場面では競合を増やす要因にもなっています。
外国人介護人材の在留資格ごとの違いとは?

外国人介護人材を受け入れる在留資格には、主に「特定技能」「技能実習」「在留資格『介護』」の3種類があります。
どれを選ぶかによって、就労できる範囲や在留期間、受入れの手順が変わります。
| 在留資格 | 就労できる範囲 | 在留期間の目安 | 受入れの向き |
|---|---|---|---|
| 特定技能 | 介護業務全般(訪問系は対象外の場合あり) | 最長5年(更新可否は要件により異なる) | 早く人手を確保したい施設 |
| 技能実習 | 指導員のもとでの実習という位置づけ | 最長5年(区分により異なる) | 技能移転を前提とする施設 |
| 在留資格「介護」 | 介護福祉士資格を活かした業務全般 | 更新の上限なし | 長期的に育成・定着させたい施設 |
特定技能は比較的早く受入れが進みやすく、人手不足への即効性を重視する施設に向いています。
在留資格「介護」は介護福祉士の資格取得が前提となるため、時間はかかりますが長期的な定着が見込めます。
技能実習は技能移転という制度の目的があり、実習計画の作成や指導体制が求められます。
いずれの在留資格も、要件や運用は見直しが続いています。最新の要件は、出入国在留管理庁など所管機関の情報で確認することをお勧めします。
自施設に外国人介護人材の受入れが向いているか見極めるには?
受入れを検討する前に、まず自施設の状況を整理する必要があります。
東大阪市のように高齢化率が28.9パーセントに達している地域では、日本人だけの募集で人員基準を満たすのが年々難しくなっています。
「なんとなく足りない」ではなく、シフト表から夜勤帯・早番・遅番のどこが特に埋まらないのかを、実際の不足人数として数字にします。この特定が、選ぶべき在留資格や受入れ人数を決める土台になります。
次に確認したいのが、日本語での指導やフォローができる職員を配置できるかどうかです。技能実習であれば技能実習指導員の配置が求められますし、特定技能でも、実質的に同じ役割を担う職員がいなければ現場が回りません。
そして住居を確保できる見通しがあるかも、早い段階で確認しておく必要があります。不動産情報サイトのエスライフによると、東大阪市のワンルームの家賃相場は月額3.44万円です。1Kは4.55万円、1DKは5.43万円が目安とされています。
不動産情報サイトのスーモでは、駅から徒歩1〜5分・新築の条件でワンルーム6.0万円からという相場も示されています。
家賃自体は比較的手が届きやすい水準ですが、外国人材本人が単身で契約するのが難しい場合もあります。施設側で借り上げる、あるいは保証人的な役割を担う準備があるかを確認しておきましょう。
受入れまでの流れと期間の目安とは?
受入れを決めてから実際に就労が始まるまでには、一定の準備期間がかかります。
おおむねの流れは、次のとおりです。
- 候補者の選定・面接(人材紹介または現地面接)
- 在留資格の申請・審査
- 支援計画の作成(特定技能の場合)
- 入国・住居の準備
- 就労開始・初期研修
候補者が国内にいる場合と海外にいる場合で、期間の長さは大きく変わります。国内在住者の切り替えであれば数か月、海外からの呼び寄せであれば半年以上かかることも珍しくありません。
この期間は制度上どの地域でも共通です。逆算して早めに動き出す必要があります。
外国人介護人材受入れの費用相場と内訳とは?

初年度にかかる費用は、1人あたりおおむね40〜80万円が目安です。
| 費用項目 | 金額の目安 | 幅が出る理由 |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 20〜40万円程度 | 在留資格の種類、紹介会社の料率設定 |
| 支援委託費(登録支援機関) | 月額2〜3万円程度 | 支援範囲の広さ、受入れ人数 |
| 住居関連費(初期費用) | 10〜20万円程度 | 敷金・礼金、家具家電の有無 |
| 日本語教育・研修費 | 数万円〜 | 教材の有無、現地教育の負担割合 |
業界団体である一般社団法人全国介護事業者連盟の2023年度調査では、常勤介護職(介護福祉士資格あり)1人あたりの紹介手数料平均は約89万円という結果も出ています。
別の民間調査では、人材紹介手数料は想定年収の30〜35パーセント程度が相場とされ、年収350万円の場合は105万〜122.5万円が目安になるという計算も示されています。
数字に幅があるのは、紹介会社の料率設定や対象となる在留資格、支援範囲によって条件が変わるためです。見積もりを複数取り、内訳を比較することをお勧めします。
支援委託費は受入れ人数が増えると1人あたりの単価が下がる契約も見られます。複数名の受入れを検討している場合は、単価交渉の余地があるか確認しておきましょう。
支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するかの判断
特定技能で外国人介護人材を受け入れる場合、生活支援や定期面談などの「支援計画」の実施が必要です。これは自社で行うこともできますが、登録支援機関へ委託することもできます。
自施設の指導体制や人手を把握したうえで、どちらが現実的かを比較します。
| 比較項目 | 自社で行う場合 | 登録支援機関へ委託する場合 |
|---|---|---|
| 専任担当者 | 必要(既存職員が兼務するケースが多い) | 不要(機関側の担当者が対応) |
| 費用 | 担当者の人件費として発生 | 月額2〜3万円程度の支援委託費 |
| 日本語・生活面のフォロー | 職員の語学力に依存する | 専門知識を持つ担当者が対応 |
| トラブル対応 | 施設側で全て抱える | 相談窓口として機能する |
専任の担当者を置ける施設であれば、自社で支援を行うことでコストを抑えられます。ただし、担当者が異動や退職をした場合に支援体制が途切れるリスクがあります。
専任担当を置く余裕がない施設や、初めて外国人材を受け入れる施設は、登録支援機関への委託が現実的な選択になりやすいでしょう。
登録支援機関を選ぶときの判断基準とは?
委託すると決めた後は、どの機関を選ぶかが次の課題になります。
東大阪市やその近隣に拠点があるか
受入れ後のトラブルは、電話やメールだけでは解決しないことがあります。
近隣に担当者がいる機関であれば、当日中に施設へ来られる可能性が高くなります。外国人材本人の役所手続きや通院の同行も、対面のほうが進みやすいものです。
市内に拠点を持つ機関があること自体、選択肢の1つとして押さえておく価値があります。
逆に、遠方の機関は訪問頻度が下がりやすく、出張費が費用に加算されることもあります。
介護分野での実績と対応できる在留資格の幅・費用体系の明確さ
製造業や建設業を主に扱う機関では、介護特有の事情への理解が浅いことがあります。
介護分野は「生活支援に加えて日本語での記録・申し送りの支援、定期的な面談の継続」が重要とされています。この視点を持つ機関かどうかを、初回相談で確認しましょう。
あわせて、月額支援委託費だけでなく、通訳対応や緊急対応時の追加費用が発生するかどうかも確認が必要です。契約前に、想定される全ての費用項目を書面で提示してもらいましょう。
見積もりで確認すべき6つの項目
見積もりを比較する際は、次の6項目を必ず確認します。
- □ 支援委託費に含まれる業務の範囲(生活支援・日本語支援・定期面談の有無)
- □ 通訳対応や緊急対応が追加費用になるかどうか
- □ 受入れ人数が増えた場合の単価の変動
- □ 契約期間と更新時の条件
- □ 対応可能な国籍と現地送り出し機関との連携状況
- □ 契約解除・キャンセル時の条件
この6項目が見積もり書に明記されているかどうかで、機関の透明性がある程度分かります。
悪質な登録支援機関・紹介事業者の見分け方とは?
良い基準が分かると、その裏返しとして悪い特徴も見えてきます。
費用の内訳を口頭でしか説明せず、書面での提示を渋る機関は注意が必要です。
「必ず定着します」「絶対に人手不足が解消します」といった言い切りをする機関も、実態を正確に説明していない可能性があります。
受入れ後の定着支援について、具体的な内容を答えられない機関も避けたほうがよいでしょう。生活相談の頻度や方法を尋ねて、曖昧な返答しか得られない場合は慎重に検討します。
契約解除の条件が契約書に明記されていない場合も、後のトラブルにつながりやすい点です。
外国人介護人材の受入れ体制として準備するもの

委託先が決まった後は、施設内の実務的な準備に進みます。
先述のとおり、東大阪市のワンルームの家賃相場は月額3.44万〜6.0万円程度です。施設が借り上げる場合、この金額を予算に組み込んでおきます。
指導役となる職員の業務負担が過剰にならないよう、シフト全体も見直しておきましょう。指導役1人に負担が集中すると、その職員自身が疲弊してしまいます。
日本語能力の水準によって、任せられる業務も変わります。記録や申し送りが必要な業務は、日本語での読み書きに一定の力があることが前提になります。
最初は身体介護など言葉に依存しない業務から任せ、段階的に業務範囲を広げる施設が多く見られます。
加えて、受入れの目的や役割分担を、事前に既存職員へ説明しておくことも欠かせません。説明が不十分だと、指導役となる職員が周囲から孤立してしまうことがあります。受入れは施設全体で取り組むものだという共有が必要です。
受入れ後に起きやすいトラブルと対処
受入れ後によく見られるのが、生活面での孤立から生じるトラブルです。
役所での手続きや通院に付き添う人がいないと、本人の負担が積み重なっていきます。
東大阪市は「東大阪市多文化共生指針」を2022年に策定し、外国人住民の増加と多様化に対応する方針を示しています。市内にはNPO東大阪日本語教室が運営する日本語教室もあり、学習者とボランティアがペアで学ぶ形式で、見学も事前予約なしで参加できます。
こうした地域の日本語学習環境を紹介することも、施設内での支援と並行して効果があります。
業務指示が伝わらないというトラブルも起きやすいものです。指示は短い文で、1つずつ伝えることで誤解を減らせます。
外国人介護人材を定着させるために効く取り組み
定着のために最も効果があるのは、生活面の孤立を防ぐことです。
買い物や役所手続きへの同行は、業務外の対応に思えますが、離職を防ぐうえで大きな効果を持ちます。
東大阪市には近鉄けいはんな線の荒本駅周辺に市役所があり、大阪メトロ中央線と相互直通運転しているため、大阪市中心部からのアクセスも良好です。手続きの同行先が分かりやすい地理条件は、支援のしやすさにもつながります。
定期的な面談も欠かせません。特定技能では定期面談が支援計画に含まれていますが、形式的に済ませず、本音を聞く場として活用することが定着に効きます。
大阪府は「介護人材確保・職場環境改善等事業費補助金」を実施しており、職場環境の改善や生産性向上に取り組む事業所への支援を行っています。こうした制度も、定着施策の一環として活用を検討する価値があります。
外国人介護人材受入れの失敗事例
契約後に通訳対応の追加費用が発生するのは、受入れで最も多い想定外の出費です。契約前に、通訳対応が支援委託費に含まれているかを確認しておけば防げます。
住居探しの開始が遅れると、入職時期が1か月単位でずれることがあります。在留資格の審査期間と並行して住居探しを進めておくことで、このずれを防げます。
既存職員への説明が不十分なまま受入れを始めると、指導役の職員だけが対応に追われ、孤立してしまうケースがあります。受入れ前に全体ミーティングで役割分担を共有しておくことが対策になります。
日本語能力の見立てと実際の業務が合わないと、早期離職につながりやすくなります。面接時の日本語能力の確認を、書類だけでなく実際の会話で行うことで防げます。
費用の安さだけで支援機関を選ぶと、受入れ後の支援がほとんど無かったというケースも見られます。見積もり時に支援内容の範囲を具体的に確認することが対策になります。
海外人材コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。
外国人介護人材受入れ準備チェックリスト
受入れを検討する前に、次の項目を確認しておきましょう。
- □ 自施設の人員体制と不足数を職種・時間帯別に把握した
- □ 受入れ可能な在留資格を確認した
- □ 住居の確保の見通しを立てた
- □ 指導役とシフトの調整方針を決めた
- □ 費用の総額と内訳を確認した
- □ 支援機関の対応範囲と追加費用の有無を確認した
- □ 既存職員への説明の場を設けた
支援機関選びで迷った場合は、海外人材コネクトナビ掲載の支援機関を比較してください。
東大阪市の介護人材競争のまとめ
東大阪市の高齢化率は28.9パーセントに達し、2050年には40.0パーセントまで上昇すると見込まれています。日本人だけの募集では、いずれ人員基準を満たせなくなる施設が増えていきます。
在留資格は、早く人手が必要なら特定技能、長く育てたいなら在留資格「介護」が向いています。初年度の費用は1人あたり40〜80万円が目安で、内訳の多くは紹介手数料と支援委託費です。
専任の担当者を置けない施設は、登録支援機関への委託が現実的な選択になります。選ぶ際は、東大阪市やその近隣に拠点があるか、介護分野での実績があるかを必ず確認しましょう。
費用や支援範囲、実績を確認し、自施設に合った支援機関を選びましょう。
海外人材コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。まずは自施設の状況を整理し、比較検討から始めてみてください。
よくある質問
- 東大阪市で外国人介護人材を受け入れる場合、まず何から始めればよいですか?
- まず自施設のシフトから不足人数と時間帯を数字で把握します。そのうえで在留資格を選び、支援機関へ相談する流れが一般的です。
- 費用はどのくらいかかりますか?
- 初年度は1人あたり40〜80万円が目安です。紹介手数料と支援委託費が主な内訳になります。
- 住居は施設側で用意する必要がありますか?
- 必須ではありませんが、外国人材本人が単身で賃貸契約を結ぶのが難しい場合があります。施設が借り上げる、あるいは契約時に同行するなどの支援が定着の助けになります。
- 受入れ人数が多い場合、どこに相談すればよいですか?
- 人数が多いほど支援計画の作成やシフト調整が複雑になります。登録支援機関に早めに相談し、複数名受入れの実績があるかを確認することをお勧めします。
- 東大阪市はほかの地域と比べて人材競争が厳しいのですか?
- 大阪府全体で介護分野の求人倍率が高く、東大阪市も同じ競争のなかにあります。通勤圏の広さが近隣施設との競合を強めている面もあります。
