2026.09.30

泉南市の介護施設が人材不足解消のために取り組むべきこと

介護施設で笑顔を見せる女性スタッフと利用者の様子

求人を出しても応募が来ない。ようやく採用できても、数か月で辞めてしまう。

泉南市で介護施設を運営していると、こうした悩みを抱えている方は少なくないはずです。特に法人本部で採用を担当されている方は、次の一手をどう打つべきか、日々頭を悩ませているのではないでしょうか。

外国人介護人材の受入れという選択肢が気になりつつも、在留資格や費用の仕組みが複雑で、何から手をつければよいか分からず止まっている施設も多いはずです。

この記事のポイント

□ 泉南市は高齢化率29.8%で、大阪府全体でも介護職の求人倍率は高水準にあり、日本人だけの採用は厳しさを増しています

□ 早く人手を確保したいなら特定技能、長期的に育てたいなら在留資格「介護」が向いています

□ 専任の採用担当を置けない施設は、登録支援機関への委託が現実的な選択肢になります

□ 泉南市やその近隣に拠点がある支援機関を選ぶと、トラブル時に当日対応が期待できます

□ 費用は紹介手数料と支援委託費が中心で、契約前に内訳を書面で確認することが失敗を防ぎます

泉南市の介護人材不足の実情とは?

泉南市の人口は令和5年9月末時点で58,992人であり、年少人口・生産年齢人口・高齢者人口のいずれもが減少傾向にあります。高齢化率は同時点で29.8%に達しており、75歳以上の後期高齢者は今後しばらく増加が見込まれています。

泉南市の総人口は平成17年の64,683人をピークに減少へ転じ、令和2年には約60,000人となり、30年前とほぼ同じ水準まで戻りました。年少人口の割合は平成2年に約20%だったものが令和2年には12.5%まで下がり、反対に高齢化率は約10%から30%近くまで上昇しています。

令和2年時点で、65歳以上人口と20〜64歳人口の比率は約2.0人で1人の高齢者を支える「肩車型」に近い構造です。2000年は4.3人に1人、2010年は2.5人に1人であったことを踏まえると、支え手の減り方は急速です。

泉南市単独の介護職有効求人倍率は公表されていません。大阪府の公表資料によると、大阪府全体の介護職の有効求人倍率は5.70倍(2019年11月時点)で、全国平均の4.45倍を大きく上回り、近畿地方では奈良県に次ぐ水準です。

泉南市も同様の傾向にある可能性はありますが、市単位の数値は確認できていません。このように、支え手が減り続ける構造のなかで、施設側の採用競争が厳しくなっているのは確かです。

在留資格ごとの違いは?受入れの選択肢を整理する

在留資格ごとの違いは?受入れの選択肢を整理する

外国人介護人材を受け入れる在留資格には、主に「特定技能」と在留資格「介護」があります。特定技能とは、人手不足が深刻な分野で即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格のことです。

比較的早く採用できる一方、在留期間や支援計画の実施義務など、施設側に求められる対応が定められています。在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を取得した人材が長期的に働くための資格です。

養成校や実務経験を経ているため、教育コストを抑えつつ長く働いてもらいやすい特徴があります。

特定技能と在留資格「介護」の比較

比較項目 特定技能 在留資格「介護」
対象となる人材 技能試験・日本語試験に合格した人材 介護福祉士の資格を持つ人材
採用までの速さ 比較的早い 養成課程が必要な場合、時間がかかる
就労できる期間 通算の上限あり(詳細は所管省庁で確認) 更新制限なく長期就労が可能
施設側の主な義務 支援計画の作成・実施 比較的少ない

上限や要件は改正が続いているため、最新の内容は出入国在留管理庁の公表情報で確認することをおすすめします。早く人手を確保したい施設は特定技能、時間をかけて育てながら長く働いてもらいたい施設は在留資格「介護」が向いています。

両方を組み合わせて受け入れている施設もあり、必ずどちらか一方に絞る必要はありません。

自施設に外国人介護人材の受入れが向いているか見極める

受入れを検討する前に、まず自施設の状況を整理することが欠かせません。

採用を急ぐあまり、体制が整わないまま受け入れると、かえって定着しづらくなるためです。

人員体制と不足の構造を確認する

慢性的な欠員なのか、特定の時間帯・職種だけが不足しているのかを分けて考えます。

夜勤だけ人が足りないのか、日中の生活支援全般が不足しているのかで、必要な人数と業務範囲が変わります。

指導役を確保できるかを確認する

外国人材を受け入れる場合、日本語や介護記録の書き方を教える指導役が必要です。

既存職員の負担が既に大きい施設では、指導役を新たに置けるかどうかが受入れ可否の分かれ目になります。

住居を確保できる見込みがあるかを確認する

泉南市内には和泉砂川駅・新家駅などJR阪和線の駅があり、通勤や生活の拠点になり得ます。

ただし泉南市の家賃相場の具体的な数値は公表されていないため、実際の物件探しは不動産会社への相談が確実です。

社宅を用意できるか、近隣の賃貸物件を紹介できるかを、受入れ前に確認しておく必要があります。

受入れまでの流れと期間の目安

受入れの流れは、在留資格の種類によって多少異なりますが、大まかな手順は共通しています。

  1. 自施設の受入れ体制を整理し、必要な人数・職種を決める
  2. 人材紹介会社や登録支援機関に相談し、候補者を探す
  3. 在留資格の申請に必要な書類をそろえる
  4. 出入国在留管理庁への申請を行う
  5. 住居・指導役・シフトなど受入れ体制を準備する
  6. 入国後のオリエンテーションを経て就労を開始する

申請から就労開始までの期間は、書類の準備状況や審査の混雑状況によって変わります。

具体的な標準処理期間は、出入国在留管理庁の公表情報で確認することをおすすめします。

費用の相場と内訳とは?

費用の相場と内訳

受入れにかかる費用は、大きく分けて紹介手数料と支援委託費で構成されます。

介護業界の人材紹介では、想定年収の30〜35%を成功報酬とする完全成果報酬型が主流とされています。

2023年度の調査では、常勤介護職員(介護福祉士資格あり)1人あたりの紹介手数料平均は約89万円という結果が出ています。

この水準は地域に依らない介護業界全体の傾向であり、泉南市固有の金額ではない点にご留意ください。

手数料は採用が決定した際に発生する仕組みが一般的で、採用に至らなかった求人には費用が発生しない設計です。

費用の内訳比較

費用項目 内容 発生タイミング
紹介手数料 人材紹介会社への成功報酬(理論年収の30〜35%が目安) 採用決定時
支援委託費 登録支援機関への支援計画実施の委託費 契約期間中、継続的に発生
住居関連費 社宅準備・不動産仲介手数料など 入職前後
教育・研修費 日本語学習支援・介護技術研修など 受入れ後、継続的に発生

この表からも分かるとおり、初期費用だけでなく、支援委託費のように継続的に発生する費用があります。

契約前に、どの費用がいつ発生するのかを書面で確認しておくことが欠かせません。

なお大阪府では、外国人介護人材受入促進事業として補助率2/3・上限20万円程度の補助制度が用意されています。

詳細な要件や申請方法は、年度によって変わる可能性があるため、大阪府の公表資料で確認することをおすすめします。

支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか

特定技能で受け入れる場合、施設は1号特定技能外国人への支援計画を実施する義務を負います。

この支援は自社で行うことも、登録支援機関へ委託することも可能です。

自社対応と委託の比較

比較項目 自社で対応 登録支援機関へ委託
コスト 委託費はかからないが、人件費・体制構築費がかかる 支援委託費が継続的に発生する
専門知識 制度改正への対応を自社で追う必要がある 最新の制度知識を持つ担当者に任せられる
対応できる人数 専任担当がいないと対応が追いつきにくい 複数施設・複数人材への対応実績がある
緊急時の対応 自社の人手次第で対応が変わる 拠点の位置によって対応速度が変わる

専任の採用担当や国際担当を置ける法人本部であれば、自社対応も選択肢になります。

一方、日々の介護業務で手一杯の施設では、委託によって本来の介護業務に集中できるという利点があります。

登録支援機関を選ぶときの判断基準とは?

登録支援機関になるには、出入国在留管理庁長官の登録を受ける必要があり、登録された機関は登録支援機関登録簿に掲載されます。

2026年8月31日現在、全国で11,579件が登録されている状況ですが、この数の多さゆえに、どこを選べばよいか迷う施設は少なくありません。

支援機関選びで確認したい6つの視点

  1. 泉南市やその近隣に拠点・担当者がいるか
  2. 介護分野での支援実績が豊富か
  3. 対応できる在留資格・国籍の幅が広いか
  4. 受入れ後の定着支援や日本語教育の体制があるか
  5. 費用体系が明確で、追加費用の条件が書面で示されているか
  6. トラブル時・緊急時の対応や、契約解除の条件が明確か

特に泉南市やその近隣に拠点があるかどうかは、実務上の差になりやすい点です。

受入れ後のトラブルは、電話やメールだけでは解決しないことがあります。

近隣に担当者がいれば、当日中に施設へ駆けつけられる可能性が高まります。

外国人材本人の生活相談、たとえば役所での手続きや住居探し、通院の同行なども、対面のほうが進みやすい傾向があります。

地域の不動産会社や日本語教室とつながりを持つ支援機関であれば、住居確保や学習環境づくりの面でも心強い存在になります。

逆に遠方の事業者は、訪問頻度が下がりやすく、交通費が費用に上乗せされることもあるため、契約前に確認しておく必要があります。

見積もりで確認すべき項目とは?

複数の登録支援機関を比較する際は、見積もりの項目をそろえて比べることが欠かせません。

見積もり比較で確認する項目

  • 支援委託費に含まれる業務範囲(定期面談・通訳対応・緊急時訪問など)
  • 訪問頻度と、その頻度で発生する交通費の有無
  • 通訳が必要な場面での追加費用の有無
  • 契約期間の途中で解除する場合の条件
  • 受入れ人数が増減した場合の費用変動の仕組み

「支援委託費一式」とだけ書かれた見積もりでは、何にいくらかかっているかが分かりません。

項目ごとに内訳を出してもらい、複数社を並べて比較することをおすすめします。

悪質な事業者の見分け方とは?

費用体系が不透明な事業者は、契約後に追加費用を次々と提示してくる傾向があります。

質問への回答があいまいで、資料を出し渋る事業者も注意が必要です。

「絶対に人材が確保できます」といった断定的な表現を使う事業者にも、慎重な姿勢で臨むことをおすすめします。

受入れ後の定着支援の内容を具体的に説明できない事業者は、契約後のフォローが手薄になりがちです。

担当者の説明が丁寧で、質問に対して根拠とともに答えてくれるかどうかも、判断材料の一つになります。

受入れ体制として泉南市の施設が準備すべきものとは?

受入れ体制として泉南市の施設が準備すべきもの

在留資格の申請が進んだら、施設側でも受入れ体制を整える必要があります。

住居の確保

泉南市は和泉砂川駅・新家駅などJR阪和線沿線に位置し、大阪市内へのアクセスも一定確保されています。

社宅を用意できない場合は、不動産会社と連携し、通勤しやすい物件を早めに探し始めることが望ましい対応です。

指導役とシフトの調整

指導役を固定するか、複数の職員で分担するかを事前に決めておくと、現場の混乱を防げます。

夜勤にいきなり組み込むのではなく、まず日勤帯で業務に慣れてもらう段階を設けることも有効です。

日本語能力と任せる業務範囲

介護記録の作成や利用者・家族とのコミュニケーションには、一定の日本語能力が求められます。

入職当初は身体介助を中心に任せ、記録や申し送りは段階的に範囲を広げていく進め方が現実的です。

既存職員への説明

受入れの目的や役割分担を、既存職員に事前に説明しておくことが欠かせません。

説明が不足したまま受け入れると、指導役だけが孤立してしまう事態につながりかねません。

受入れ後に起きやすいトラブルと対処

言葉の壁から生じる誤解は、受入れ後に最も起きやすいトラブルの一つです。

介護記録の細かなニュアンスが伝わらず、申し送りの内容に食い違いが生じることがあります。

定期的な面談の場を設け、困っていることを早めに拾い上げる仕組みが有効です。

生活面では、役所の手続きや病院の受診で戸惑うことも少なくありません。

支援機関の生活支援と、施設側の日常的な声かけを組み合わせることで、孤立を防ぎやすくなります。

定着のために泉南市の施設が効果的な取り組みとは?

受入れが済んだあとは、いかに長く働き続けてもらうかが次の課題になります。

買い物や役所手続きへの同行は、生活面の不安を減らすうえで効果が期待できる取り組みです。

日本語学習の機会を職場として支援することも、コミュニケーションの改善につながります。

大阪府全体では識字・日本語教室が227教室、学習者数5,576人という調査結果があり、地域によって学習環境に差があります。

泉南市周辺の教室の有無は、識字・日本語センターなどの情報を通じて個別に確認することをおすすめします。

既存職員との交流の機会を意図的に設けることも、孤立を防ぐうえで効果的です。

失敗事例から学ぶ受入れの落とし穴

契約後に通訳対応の追加費用が発生するのは、受入れで最も多い想定外の出費の一つです。

見積もり段階で通訳対応の範囲を確認しておけば、防げるケースがほとんどです。

住居探しの開始が遅れると、入職時期が1か月単位でずれることがあります。

在留資格の手続きと並行して、住居探しを早めに始めておくことが有効な対策です。

既存職員への説明が不足すると、指導役1人に負担が集中し、孤立してしまうことがあります。

受入れ前の説明会や役割分担の明確化が、この事態を防ぐ手立てになります。

日本語能力に見合わない業務を任せると、本人の負担が大きくなり、早期離職につながることがあります。

入職当初は業務範囲を絞り、段階的に広げていく設計が防止策になります。

費用の安さだけで支援機関を選ぶと、受入れ後の定着支援がほとんど無いという事態も起こり得ます。

費用と支援内容の両方を確認し、総合的に判断することが欠かせません。

受入れ準備チェックリスト

□ 自施設の人員体制と不足の構造を把握した

□ 受入れ可能な在留資格を確認した

□ 住居の確保の見通しを立てた

□ 指導役とシフトの調整方針を決めた

□ 費用の総額と内訳を確認した

□ 支援機関の対応範囲と拠点の位置を確認した

□ 既存職員への説明の場を設けた

□ 見積もりを複数社から取り、内訳をそろえて比較した

泉南市の介護人材不足のまとめ

泉南市は高齢化率29.8%、支え手2人で1人の高齢者を支える構造にあり、日本人だけの採用に頼る採用活動は今後さらに厳しくなっていくことが見込まれます。

外国人介護人材の受入れは、こうした状況に対応する現実的な選択肢の一つです。

まず自施設の人員体制と課題を整理し、特定技能と在留資格「介護」のどちらが合うかを見極めることから始めましょう。

専任の採用担当を置けない施設は、登録支援機関への委託を検討する価値があります。

選定の際は、泉南市やその近隣に拠点があるか、費用体系が明確か、定着支援の内容が具体的かを確認してください。

コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。

費用や支援範囲、実績を確認し、自施設に合った支援機関を選びましょう。

支援機関選びで迷った場合は、コネクトナビ掲載の支援機関を比較してみてください。

よくある質問

泉南市周辺で外国人介護人材の受入れ実績がある登録支援機関はどう探せますか?
出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿で、所在地や対応分野を絞り込んで確認できます。あわせて、泉南市やその近隣に拠点があるかを個別に問い合わせることをおすすめします。
特定技能と在留資格「介護」、どちらを選べばよいか迷っています。
早く人手を確保したい場合は特定技能、長期的に育てたい場合は在留資格「介護」が向いています。受入れ人数や教育体制から検討するとよいでしょう。
受入れにかかる費用はどのくらいを見込めばよいですか?
紹介手数料は理論年収の30〜35%が目安とされ、これに支援委託費や住居関連費が加わります。金額は施設ごとに異なるため、複数の見積もりを取って比較することをおすすめします。
一度に多くの人数を受け入れたい場合はどうすればよいですか?
人数が多いほど住居確保や指導役の負担も大きくなるため、支援機関に相談しながら段階的な受入れ計画を立てることをおすすめします。
支援機関を途中で変更することはできますか?
契約内容によりますが、契約解除や乗り換えの条件を事前に確認しておくことで、必要になった際にスムーズに対応できます。