東大阪市でベトナム人介護人材の採用競争が高まる理由
求人を出しても応募が来ない。そんな状態が続いている東大阪市の施設は、少なくないはずです。
職員の確保に追われるなかで、ベトナム人介護人材の採用という選択肢が気になり始めた方もいらっしゃるでしょう。ただ、在留資格の違いや費用の仕組みが分からず、最初の一歩で止まってしまうことも多いですね。
読み終えたときには、自施設にとって外国人介護人材の採用が現実的な選択肢かどうか、そして次に何を確認すればよいかが分かる状態を目指します。
この記事のポイント
□ 高齢化率28.9%の東大阪市では、日本人だけの募集で職員数を維持するのが難しくなっています
□ 早く人手が要るなら特定技能、長期育成を見据えるなら在留資格「介護」を選びます
□ 採用後の費用は紹介手数料と支援委託費が中心で、内訳を見積もりで必ず確認します
□ 専任の担当者を置けない施設は、登録支援機関への委託が現実的な選択です
□ 東大阪市やその近隣に拠点がある支援機関は、トラブル時の対応が速い傾向があります
東大阪市の介護人材不足の実情とは?
東大阪市の高齢化率は28.9%です(住民基本台帳、2023年)。すでに4人に1人以上が高齢者という構成になっています。
将来推計では、東大阪市の高齢化率は2050年までに11.2ポイント上昇し、40.0%に達すると見込まれています(国立社会保障・人口問題研究所)。10人に4人が高齢者になる社会で、介護需要はこの先も増え続けると見てよいでしょう。
一方で東大阪市の総人口は、2023年時点で478,539人と過去10年で7.0%減少しています(住民基本台帳、2023年)。支える側の生産年齢人口も縮小が進んでいます。
大阪府全体で見る求人の厳しさ
東大阪市単独の有効求人倍率は公表されていません。大阪府の公表資料をもとにしたマイナビ介護職のまとめによると、府全体の介護職の有効求人倍率は5.70倍(2019年11月時点)で、全国平均の4.45倍を大きく上回っています。
近畿地方で比較すると、1位の奈良県5.87倍に次ぐ第2位という水準です。東大阪市も同様の厳しさに置かれている可能性はありますが、市単位の数値までは確認できていません。
離職率の高さが採用を難しくしている
大阪府の介護職員の離職率は17.1%という調査結果があり、全国平均の14.9%より高い水準です(公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」、時点は資料に記載がありません)。厚生労働省の推計では、大阪府は2025年に34,495人の介護人材が不足すると見込まれています。
採用しても定着しなければ、同じ採用活動を繰り返すことになります。日本人の求人だけに頼る体制には、限界が見え始めているといえるでしょう。
在留資格ごとの違いは?特定技能と介護の選び方
外国人介護人材を受け入れる主な在留資格は、特定技能と在留資格「介護」の2種類です。どちらを選ぶかで、採用までの期間や想定できる雇用の長さが変わります。
| 比較項目 | 特定技能 | 在留資格「介護」 |
|---|---|---|
| 対象となる人材 | 技能試験・日本語試験に合格した人材 | 介護福祉士資格を取得した人材 |
| 在留期間 | 通算5年が上限 | 更新に上限なし |
| 家族帯同 | 原則不可(特定技能1号) | 可能 |
| 支援の義務 | 登録支援機関への委託が可能 | 義務的な支援体制の規定なし |
| 向いている施設 | 早く人手を確保したい施設 | 長期的な育成を前提とする施設 |
特定技能は、採用までの期間を短縮しやすい点が特徴です。在留資格「介護」は、介護福祉士養成施設の卒業や実務経験を経た人材が対象となるため、採用までに時間がかかりますが、長期雇用を前提とした関係を築きやすい資格といえます。
制度の詳細な要件や在留期間の上限は改正が続いている領域です。出入国在留管理庁の公表情報で、申請時点の最新要件を必ず確認してください。
自施設は外国人介護人材の受入れに向いている?見極めることポイント
制度を比較する前に、自施設の状況を整理しておくことが大切です。向き不向きは、施設の規模や体制によって変わります。
人員不足が構造的かどうか
一時的な欠員なのか、恒常的に応募が集まらない状態なのかを切り分けます。後者であれば、外国人材の採用を検討する意味は大きいでしょう。
指導役を割ける体制があるか
受入れ直後は、業務指導と生活面のフォローの両方が必要になります。既存職員のうち誰が指導役を担うか、見通しを立てておく必要があります。
住居を確保できるか
東大阪市の家賃相場について、不動産情報サイトのSUUMOが公表する数値では、新築・駅から徒歩1〜5分の条件でワンルームが6.0万円からとなっています。社宅や住居支援の制度が無い施設は、この水準を踏まえて準備の見通しを立てておくと安心です。
この3点がある程度整っているなら、受入れを前向きに検討できる段階にあるといえます。整っていない部分があるなら、登録支援機関への委託でどこまで補えるかを次に確認しましょう。
東大阪市で受入れが決まってから就労開始までの流れと期間
在留資格の種類にかかわらず、受入れには一定の準備期間が必要です。全国共通の手続きとして、次の順序で進みます。
- 人材紹介会社や登録支援機関を通じて候補者を探す
- 面接・雇用契約の締結
- 在留資格認定証明書の交付申請(海外から呼び寄せる場合)
- 査証(ビザ)の申請・取得
- 入国・住居手配・支援計画に基づく生活オリエンテーション
- 就労開始
候補者がすでに国内に在留している場合は、在留資格の変更申請という形になり、期間が短縮されることもあります。申請から許可までの標準的な処理期間は、出入国在留管理庁の公表情報で確認してください。
東大阪市には近鉄奈良線・近鉄大阪線・近鉄けいはんな線・JRおおさか東線など26か所の鉄道駅があり、大阪市中心部や奈良方面への移動がしやすい地理にあります。候補者が通勤可能な範囲を広く取れる点は、住居探しの選択肢を増やす要素になります。
東大阪市で介護人材を受け入れる費用相場と内訳とは?

費用の内訳は、主に紹介手数料と支援委託費の2つに分かれます。
人材紹介の手数料
人材紹介会社を利用する場合、手数料は採用する人材の理論年収に料率をかけて算出されます。業界一般の水準として、料率は30〜35%が目安とされています(プロベル「人材紹介の手数料相場」)。エッセンシャルワーカー採用研究所の2023年度調査では、常勤介護職員(介護福祉士資格あり)1人あたりの紹介手数料平均は約89万円という結果が出ています。
手数料は採用が決定した時点で発生する完全成果報酬型が一般的で、採用に至らなかった求人には費用が発生しません。この仕組みは地域に関わらず、業界共通の水準です。
登録支援機関への支援委託費
支援委託費は、月額で発生する継続的な費用です。委託する支援の範囲(生活オリエンテーション、日本語学習支援、定期面談など)によって金額が変わるため、個別の見積もりで確認する必要があります。
東大阪市単独の支援委託費の相場は公表されていません。複数の登録支援機関から見積もりを取り、支援範囲をそろえたうえで比較することをおすすめします。
住居費と教育費
社宅を用意する場合は、東大阪市のワンルーム家賃(SUUMO公表で6.0万円から)を目安に、初期費用(敷金・礼金・仲介手数料)も合わせて見込んでおく必要があります。日本語学習支援の教材費や研修費も、委託先の支援内容によって発生する場合があります。
外国人介護人材の支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するかの比較

特定技能で受け入れる場合、1号特定技能外国人支援は自社で行うか、登録支援機関へ委託するかを選べます。
| 比較項目 | 自社で実施 | 登録支援機関へ委託 |
|---|---|---|
| 初期コスト | 低い(委託費が不要) | 月額の委託費が発生 |
| 必要な体制 | 専任担当者と多言語対応力が必要 | 委託先の体制をそのまま活用できる |
| 支援の継続性 | 担当者の異動・退職で途切れるリスク | 組織として継続しやすい |
| 向いている施設 | 複数名を継続採用し、専任体制を組める法人 | 初めての受入れ、少人数の受入れ |
自社で行う場合、支援責任者・支援担当者を選任し、出入国在留管理庁が定める支援計画の内容をすべて自力で実施する必要があります。生活オリエンテーションや日本語学習の機会提供まで含まれるため、担当者の負担は小さくありません。
初めて外国人介護人材を受け入れる施設や、専任の担当者を置けない施設は、登録支援機関への委託から始めるほうが現実的です。
登録支援機関を選ぶときの判断基準とは?
委託すると決めたあとに迷うのが、どの登録支援機関を選ぶかという点です。次の観点で比較してください。
東大阪市やその近隣に拠点・担当者がいるか
受入れ後のトラブルは、電話やメールだけでは解決しないことがあります。近隣に担当者がいれば、当日中に施設へ駆けつけられる可能性が高まります。
役所の手続き同行や住居の契約、通院の付き添いといった生活支援も、対面でのやり取りのほうが進みやすいものです。地域の不動産会社や日本語教室とつながりを持つ支援機関であれば、住居探しや学習環境の面でも頼りになります。逆に遠方の事業者は訪問頻度が下がりやすく、交通費が費用に上乗せされることもあります。
介護分野での実績と対応できる国籍
介護分野特有の在留資格や業務範囲に詳しいかどうかは、支援の質に直結します。対応できる国籍と、現地の送り出し機関との連携体制も確認しておきましょう。
定着支援の内容と日本語教育の体制
定期的な面談の頻度、生活相談の窓口の有無、日本語学習の機会提供の方法まで、具体的に確認してください。支援計画に書かれているだけで実態が伴わない場合もあります。
費用体系の明確さと契約条件
月額費用に何が含まれ、何が追加費用になるのかを明文化してもらいます。契約解除やキャンセルの条件も、契約前に確認しておくべき項目です。
見積もりで確認すべき項目は?
複数の登録支援機関を比較するときは、次の項目をそろえて見積もりを依頼してください。
- 月額の支援委託費と、含まれる支援範囲
- 緊急時訪問や通訳対応が追加費用になるかどうか
- 人材紹介を伴う場合の紹介手数料の料率
- 契約期間と途中解約の条件
- 担当者の訪問頻度と対応エリア
項目をそろえずに見積もりを比べると、安く見えた事業者が実は支援範囲が狭かった、ということが起こります。同じ条件で複数社に依頼し、総額と内訳の両方を比較しましょう。
悪質な事業者の見分け方とは?
良い支援機関の基準が分かったところで、避けるべき事業者の特徴も押さえておきましょう。
契約前に料金の内訳を曖昧にしか説明しない事業者は、注意が必要です。契約後に通訳対応や緊急時訪問の費用が追加されるケースが、受入れで最も多い想定外の出費につながります。
また、担当者が一度も施設を訪問せず、書類のやり取りだけで契約を進めようとする事業者も避けたほうがよいでしょう。登録支援機関は出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関であり、登録支援機関登録簿に掲載されています。契約前に登録の有無を確認することが、最初の防御線になります。
特定の国籍の人材について、優劣を強調するような説明をする事業者にも警戒してください。人材を労働力としてのみ扱う姿勢は、受入れ後のトラブルにつながりやすい傾向があります。
受入れ体制として準備するものとは?

委託先が決まったあとは、施設側で整える実務が残ります。
住居とシフトの調整
社宅を用意するか、本人が賃貸契約を結ぶ支援をするかを早めに決めます。東大阪市は近鉄各線やJRおおさか東線が通り、通勤できる範囲が広い地域です。夜勤明けの移動手段も含めて、住居の立地を検討してください。
指導役と業務範囲の設計
日本語能力の段階に応じて、最初に任せる業務を決めておきます。身体介護の基本動作から始め、記録業務や申し送りは段階的に広げていくやり方が定着しやすいでしょう。
記録の書き方と既存職員への説明
介護記録は専門用語が多く、日本語を学習中の人材には負担になりやすい部分です。記入例を用意し、簡易な言葉への言い換えを示しておくと助けになります。
受入れ前に、既存職員へ採用の背景と役割分担を説明しておくことも欠かせません。説明が不足すると、指導役を任された職員が孤立してしまうことがあります。
受入れ後に起きやすいトラブルと対処
受入れ後は、業務面と生活面の両方でトラブルが起きやすくなります。
日本語の指示が伝わりにくく、記録の記入ミスが続くと、現場の負担が増えていきます。指示は短い文で区切り、やさしい日本語に言い換えることで、こうした行き違いは減らせます。
生活面では、役所の手続きや住居契約で本人だけでは対応しきれない場面が出てきます。登録支援機関の支援範囲にこれらが含まれているか、契約時点で確認しておくことがトラブルの予防につながります。
既存職員との関係づくりに時間がかかることも珍しくありません。業務外での交流の機会を意識的に設けると、関係が築きやすくなります。
外国人介護人材を定着させるために東大阪市で効果的な取り組み
離職は、業務上の不満よりも生活面の孤立から起きることが多いといわれています。買い物や役所手続きへの同行は、効果の高い取り組みの一つです。
東大阪市には多文化共生指針があり、外国籍住民の増加と国籍の多様化が市の課題として認識されています(東大阪市「東大阪市多文化共生指針」2022年)。地域に外国人住民のコミュニティが一定数あることは、孤立を防ぐうえで支えになる可能性があります。
定期的な面談で生活面の困りごとを早めに拾い上げることも、定着支援の基本です。面談は業務の評価の場ではなく、相談の場として位置づけると本音が出やすくなります。
日本語学習の継続支援も欠かせません。東大阪市単独の日本語教室の数は確認できていませんが、大阪府内には識字・日本語教室が227教室あるという調査結果があります(大阪府教育庁地域教育振興課「令和7年度識字・日本語教室等現況調査」、大阪府全域の数値)。地域の教室情報は、登録支援機関や自治体の窓口を通じて確認できます。
外国人介護人材の受入れで起きやすい失敗事例
契約後に通訳対応や緊急時訪問の費用が追加されるのは、受入れで最も多い想定外の出費です。見積もり段階で、何が月額費用に含まれ、何が追加費用になるかを書面で確認しておけば防げます。
住居探しの開始が遅れると、入職時期が1か月単位でずれることがあります。在留資格の手続きと並行して、受入れ決定直後から物件探しを始めることで回避できます。
既存職員への説明が不足したまま受入れが始まると、指導役に任された職員だけが負担を抱え込み、孤立してしまうことがあります。受入れの背景と役割分担を、受入れ前に全体へ共有しておくことが効果的です。
日本語能力に見合わない業務を任せると、本人が自信を失い、早期離職につながりやすくなります。最初は簡単な業務から始め、段階的に範囲を広げる設計が定着を後押しします。
費用の安さだけで登録支援機関を選ぶと、受入れ後の支援がほとんど機能しないことがあります。費用だけでなく、支援内容と対応エリアを含めて比較することが欠かせません。
外国人介護人材の受入れ準備チェックリスト
□ 自施設の人員体制と不足数を把握した
□ 受入れ可能な在留資格を確認した
□ 指導役を担える職員を決めた
□ 住居の確保の見通しを立てた
□ 既存職員へ受入れの背景を説明した
□ 費用の総額と内訳を見積もりで確認した
□ 支援機関の対応範囲と拠点の位置を確認した
□ 契約解除・キャンセルの条件を確認した
東大阪市のベトナム人介護人材採用のまとめ
東大阪市の高齢化率は28.9%で、2050年には40.0%に達すると見込まれています。日本人だけの募集で人員体制を維持することは、今後さらに難しくなっていくでしょう。
外国人介護人材の受入れを検討する際は、自施設の人員不足が構造的かどうか、指導役を割ける体制があるか、住居を確保できるかの3点をまず見極めてください。
在留資格は、早く人手が必要なら特定技能、長期育成を見据えるなら在留資格「介護」が目安になります。費用は紹介手数料と支援委託費が中心で、見積もりの段階で内訳をそろえて比較することが欠かせません。
専任の担当者を置けない施設は、登録支援機関への委託から始めるのが現実的な選択です。支援機関選びで迷った場合は、コネクトナビ掲載の支援機関を比較してください。費用や支援範囲、実績を確認し、自施設に合った支援機関を選びましょう。
よくある質問
- 東大阪市内に拠点がある登録支援機関でないと委託できませんか。
- 拠点が離れていても委託は可能ですが、トラブル時の訪問対応や生活支援のしやすさには差が出ます。東大阪市やその近隣に拠点がある機関を優先的に検討することをおすすめします。
- ベトナム人介護人材の採用で、特に意識すべきことはありますか。
- 国籍によって一律の対応を決めるのではなく、本人の日本語能力と経験に応じて業務範囲を設計することが大切です。登録支援機関を通じて、現地の送り出し機関との連携体制も確認してください。
- 費用はどのタイミングで発生しますか。
- 人材紹介の手数料は採用決定時に発生する完全成果報酬型が一般的です。登録支援機関への支援委託費は、契約期間中に月額で発生します。
- 受入れ人数が多い場合はどうすればよいですか。
- 複数名を同時に受け入れる場合、住居の確保や指導役の配置が課題になりやすいため、早い段階で登録支援機関へ相談することをおすすめします。コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。
- 日本語能力はどの程度あれば採用できますか。
- 在留資格によって求められる日本語水準が異なります。最新の要件は出入国在留管理庁の公表情報で確認し、不明点は登録支援機関に相談するとよいでしょう。
