2026.09.22

大阪市住之江区でミャンマー人介護人材の活用が進む背景とは

都市部に並ぶマンションと街並みの風景

求人を出しても応募が来ない。ようやく採用できても、数か月で辞めてしまう。

大阪市住之江区で介護施設を運営していると、こうした悩みを抱えている方は少なくないはずです。日本人だけの募集を続けていても、人員基準を満たせない状況が続いているのではないでしょうか。

そうした中で、選択肢として名前が挙がるようになったのがミャンマー人介護人材の活用です。

ただ、在留資格の種類や費用の仕組みが分からず、検討が止まっている施設も多いはずです。

読み終えたときには、自施設に合った受入れ方法と支援機関を選ぶための判断材料が手に入る内容です。

この記事のポイント

□ 大阪市住之江区は高齢化率が大阪市平均を上回り、介護人材の需要が今後も続くとみられます

□ 住之江区の外国人住民は年々増加しており、ミャンマー人介護人材の活用も現実的な選択肢になっています

□ 特定技能は早期の人手確保向き、在留資格「介護」は長期育成向きという違いがあります

□ 支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するかは、専任担当を置けるかどうかで判断します

□ 支援機関選びでは、住之江区やその近隣に拠点があるかが実務上の差になります

大阪市住之江区の介護人材不足はどこまで進んでいる?

大阪市住之江区が公表している資料によると、平成27年時点の高齢化率は28.0%で、大阪市全体の24.8%を上回っています。

後期高齢者の比率も高く、同じ資料では65歳以上の高齢者のうち44.8%を75歳以上が占めるとされています。介護を必要とする度合いが高い層が、区内に多く暮らしているということです。

大阪市計画調整局の推計人口年報(令和4年)では、住之江区の老年人口割合は31.9%となっており、大阪市24区の中でも高い水準です。

一方で、住之江区全体の人口は減少傾向にあります。令和6年の推計では、前年からの人口減少数が460人と、大阪市24区の中で2番目に多い減少幅でした。

支える側の人口が減る一方で、支えられる側の高齢者は多い状態がうかがえます。これは、日本人だけの募集で人員を確保する難しさにつながっていると考えられます。

大阪府の公表資料によると、厚生労働省の推計では大阪府は2025年に34,495人の介護人材不足に陥ると予測されています。この数字は大阪府全体のものであり、住之江区単独の不足数は公表されていませんが、区内の施設にとっても無関係な数字ではないはずです。

特定技能と在留資格「介護」はどう違う?

外国人介護人材を受け入れる際、多くの施設が最初に迷うのがこの2つの制度です。それぞれ目的が異なります。

特定技能は、人手不足への対応を目的とした在留資格です。技能水準を満たせば、比較的早い時期から現場で働いてもらえます。

一方の在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を取得した人材が対象です。長期的な雇用を前提とした制度で、キャリアパスを描きやすい仕組みになっています。

比較項目 特定技能 在留資格「介護」
対象者 技能試験・日本語試験に合格した人材 介護福祉士の資格を持つ人材
就労までの期間 比較的短期間で就労が可能 資格取得のための学習期間が必要
在留期間 更新により長期就労も可能 更新の制限がなく長期雇用に向く
向いている施設 早期に人手を確保したい施設 長期的に育成したい施設

この表からも分かるように、どちらが優れているという話ではありません。早く人手が要るなら特定技能、長く育てて核となる人材にしたいなら在留資格「介護」という考え方で選ぶと判断しやすくなります。

実際の要件や在留期間の上限は制度改正が続いている領域です。最新の内容は、出入国在留管理庁の公表情報で確認することをおすすめします。

自施設に外国人介護人材の受入れは向いている?見極めの観点

施設規模と受入れ体制の関係

大阪市住之江区には、大規模法人が運営する特別養護老人ホームから、地域密着型の小規模事業所まで、さまざまな規模の施設があります。

受入れ体制を整える人手が社内にあるかどうかで、向き不向きが分かれます。専任の担当者を置けない施設は、外部の支援機関へ委託する方向で検討すると判断しやすくなります。

通勤圏と住まいの確保しやすさ

住之江区は大阪メトロ四つ橋線や南港ポートタウン線、南海本線が通っており、なんば方面への通勤がしやすい地域です。通勤のしやすさは、外国人材が長く働き続けられるかどうかにも関わります。

不動産情報サイトのLIFULL HOME’Sによると、住之江区のワンルーム・1DKの家賃相場は4〜5万円程度とされています。単身の外国人材にとって、比較的手が届きやすい水準であり、住居確保のしやすさは受入れのしやすさに直結します。

すでに住んでいる外国人住民の存在

大阪市市民局の「大阪市外国人住民国籍別区別人員数」によると、住之江区の外国人住民数は令和7年12月末現在で7,543人です。令和4年12月末の4,704人から、3年間で3,000人近く増えています。

国籍別では中国、ベトナム、韓国及び朝鮮、インドネシアなどが多く、ミャンマー人住民は令和7年12月末時点で197人とされています。すでに一定数の外国人住民が地域に暮らしていることは、生活面での孤立を防ぐ土台になり得ます。

これら3つの観点を照らし合わせ、専任担当を置けない・通勤圏が確保できる・住居費が手頃という条件がそろう施設ほど、受入れに向いているといえます。

受入れまでの流れと期間の目安

受入れまでの流れと期間の目安

受入れの手順は、選ぶ在留資格や支援機関によって多少変わりますが、大まかな流れは共通しています。

  1. 人材紹介会社や送出機関を通じて候補者を探す
  2. 面接・技能試験・日本語試験の結果を確認する
  3. 在留資格の申請書類をそろえ、地方出入国在留管理局へ提出する
  4. 住居と指導役、シフト体制を整える
  5. 在留資格が交付されたら、来日・受入れ準備を進める

候補者の選定から就労開始までは、おおむね3か月から半年程度の幅で見ておくと計画が立てやすくなります。この期間は制度上全国共通であり、住之江区だからといって短縮される仕組みはありません。

そのため、人員不足が深刻になってから動き出すのではなく、早めに準備を始めることが欠かせません。

費用の相場と内訳はどうなっている?

費用の相場と内訳はどうなっている

人材紹介を使う場合、費用の中心になるのは紹介手数料です。介護業界向けの調査では、想定年収の30〜35%を成功報酬とする完全成果報酬型が主流とされています。

この手数料は、採用が決まった時点で初めて発生する仕組みが一般的です。採用に至らなかった場合には費用が発生しないという説明も見られます。

この30〜35%という水準は、住之江区や大阪府に限った数字ではなく、介護業界全体の一般的な傾向として紹介されている値です。実際の料率は紹介会社ごとに異なります。

紹介手数料に加えて、登録支援機関へ委託する場合は支援委託費が発生します。この費用は契約する業務範囲や施設によって条件が異なるため、見積もりを取って確認する必要があります。

費用の種類 発生のタイミング 備考
紹介手数料 採用決定時 想定年収の30〜35%が業界の一般的な水準
住居関連費 受入れ前後 社宅か個人契約かで負担範囲が変わる

正確な総額を知るには、複数の登録支援機関から見積もりを取り、内訳の項目をそろえて比べる方法が確実です。料金表と追加費用の条件を、契約前に書面で確認しておくと後のトラブルを防げます。

コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。まずは費用の内訳を見比べる際の参考にしてください。

支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するかどちらがよい?

特定技能で受け入れる場合、1号特定技能外国人への支援計画の実施は、自社で行うか登録支援機関へ委託するかを選べます。

比較項目 自社で実施 登録支援機関へ委託
担当者の負担 専任担当が必要 専任担当を置かなくてよい
費用 人件費が中心 支援委託費が発生
専門知識 社内で蓄積が必要 支援機関の知見を活用できる
対応スピード 社内のリソース次第 拠点の近さに左右される

専任の担当者を置ける規模の法人であれば、自社実施も選択肢になります。ただし、日々の業務に追われる中で支援計画を回すのは、想像以上に手間がかかる作業です。

専任担当を置けない施設は、登録支援機関への委託を軸に考えると無理がありません。委託した場合でも、施設側が現場での指導や生活面の目配りをする役割は残ります。

登録支援機関を選ぶときの判断基準は?

委託先を決める際は、次の観点を確認しておくと選びやすくなります。

拠点の近さと介護分野での実績

住之江区やその近隣に拠点や担当者がいる支援機関かどうかは、実務上の差になります。受入れ後のトラブルは、電話やメールだけでは解決しないことがあるためです。

近隣に担当者がいれば、当日中に施設へ来られる可能性が高くなります。外国人材本人の役所手続きや住居、通院の相談も、対面のほうが進みやすい傾向があります。

地域の不動産会社や日本語教室とつながりを持つ支援機関であれば、住居確保や日本語学習の面でも助けになります。逆に、遠方の事業者は訪問頻度が下がりやすく、費用に交通費が加わることもあります。

介護分野での支援実績があるかどうかも欠かせない確認点です。他業種を中心に扱ってきた機関では、介護現場特有の事情に対応しきれない場合があります。

対応制度の幅と定着支援の内容

特定技能だけでなく、技能実習や在留資格「介護」にも対応できる機関であれば、将来の受入れ拡大にも柔軟に対応できます。

受入れ後の定着支援がどこまで含まれるかも重要です。日本語学習のフォローや生活相談の同行まで含む機関と、書類手続きだけの機関では、現場で感じる支えの大きさが変わります。

見積もりで確認すべき項目は?

複数の支援機関から見積もりを取る際は、次の項目を必ずそろえて比べてください。

  • 支援委託費に含まれる業務範囲(書類作成・定期面談・生活相談など)
  • 通訳対応や緊急時訪問が追加費用になるかどうか
  • 契約期間と更新時の費用
  • 受入れ人数が増えた場合の費用の変わり方

特に追加費用が発生しやすいのは、通訳対応と緊急時の訪問です。契約時の説明では基本料金に含まれるように見えても、実際には別料金になっているケースが少なくありません。

契約前に、料金表と追加費用の条件を書面で確認しておくことが欠かせません。

悪質な事業者の見分け方は?

悪質な事業者の見分け方

先に挙げた判断基準の裏返しとして、注意すべき特徴もあります。

  • 費用の内訳を口頭でしか説明せず、書面を渡さない
  • 受入れ後の定着支援の内容が具体的に説明できない
  • 契約解除やキャンセルの条件が契約書に明記されていない
  • 担当者が変わるたびに説明が変わる

契約解除の条件が曖昧なまま契約してしまうと、支援の質に問題があっても切り替えにくくなります。契約前に、解除条件まで含めて確認しておくことが自施設を守る手段になります。

外国人介護人材の受入れ体制として準備するものは?

住居とシフトの調整

住居探しの開始が遅れると、入職時期が1か月単位でずれることがあります。受入れが決まった段階で、早めに物件を確保する動きに入ることが欠かせません。

住之江区のワンルーム・1DKの家賃相場は4〜5万円程度とされており、社宅として提供するか個人契約にするかを早い段階で決めておくと、後の調整が楽になります。

指導役と支援計画の記録

現場での指導役を誰が担うかも、受入れ前に決めておくべき事項です。指導役が孤立すると、本人にも負担がかかります。

支援計画の記録には、支援を実施した日時・内容・対応した担当者・本人の様子や相談内容を項目として残しておくと、後から振り返りやすくなります。記録が不十分だと、行政の確認対応に追われることになります。

既存職員への説明と業務範囲の設計

受入れの目的や役割分担を、既存職員に事前に説明しておくことも欠かせません。説明が不足すると、指導役だけが板挟みになりやすくなります。

日本語能力に応じて任せる業務の範囲を決めておくことも重要です。任せる業務と本人の日本語能力が合わないと、現場での戸惑いが大きくなります。

受入れ後に起きやすいトラブルと対処は?

受入れ後によく起きるのは、生活面でのつまずきです。役所手続きや通院、買い物といった日常生活で困りごとが出やすくなります。

コミュニケーション不足からくる誤解も少なくありません。業務指示が伝わっていないと、本人が悪気なく違う対応をしてしまうことがあります。

こうしたトラブルへの対処として、定期的な面談の機会を設け、小さな困りごとを早めに拾う体制が有効です。支援機関に定着支援の内容として含まれているかを、契約前に確認しておくとよいでしょう。

ミャンマー人介護人材の定着のために効く取り組みは?

受入れが済んだ後は、定着に向けた取り組みが本番になります。

離職は生活面の孤立からも起きると言われることがあります。買い物や役所手続きへの同行は、地味に見えて効果が期待できる支えです。

日本語学習の機会を確保することも定着につながります。大阪市は識字・日本語教育のコーディネートを行っており、地域の日本語教室とのつながりを持つ支援機関であれば、こうした情報を提供してもらえる可能性があります。

同じ国籍の職員が複数いる施設では、互いに支え合える環境が生まれやすくなります。1人だけの受入れよりも、孤立を防ぎやすい面があります。

受入れ準備チェックリスト

□ 自施設の人員体制と不足数を把握した

□ 受入れ可能な在留資格を確認した

□ 住居の確保の見通しを立てた

□ 指導役とシフトの調整方針を決めた

□ 費用の総額と内訳を確認した

□ 支援機関の対応範囲と拠点の位置を確認した

□ 既存職員への説明を済ませた

大阪市住之江区のミャンマー人介護人材の活用のまとめ

大阪市住之江区は高齢化率が大阪市平均を上回り、介護人材の需要は今後も続くとみられます。日本人だけの募集に限界を感じている施設は、外国人介護人材の活用を現実的な選択肢として検討する時期に来ています。

在留資格の選び方は、早期の人手確保か長期育成かで判断できます。費用は紹介手数料が中心で、支援委託費とあわせて複数の支援機関から見積もりを取って比べることが欠かせません。

支援機関を選ぶ際は、住之江区やその近隣に拠点があるか、介護分野での実績があるか、定着支援の内容がどこまで含まれるかを確認してください。

支援機関選びで迷った場合は、コネクトナビ掲載の支援機関を比較してください。自施設の状況に合った1社を見つける手がかりになります。

よくある質問

ミャンマー人介護人材を受け入れる場合、特定技能と在留資格「介護」どちらを選ぶべきですか?
早く人手を確保したいなら特定技能、長期的に育成したいなら在留資格「介護」が向いています。自施設の受入れ人数や教育体制から判断してください。
住之江区の近隣に拠点がない支援機関でも問題ありませんか?
対応は可能ですが、緊急時の訪問対応や生活相談で差が出ることがあります。近隣拠点の有無は選定時の確認項目にしてください。
費用はどのくらいかかりますか?
紹介手数料は想定年収の30〜35%が業界の一般的な水準とされています。支援委託費は機関ごとに異なるため、複数社から見積もりを取って比べることをおすすめします。
特定技能人材を複数名同時に受け入れることはできますか?
制度上は可能ですが、支援機関が複数名を同時に支援できる体制を持っているかを事前に確認する必要があります。担当者1人あたりの対応人数も聞いておくと安心です。
契約後に支援機関を変更することはできますか?
契約解除やキャンセルの条件は機関ごとに異なります。契約前に条件を確認し、書面に明記されているかを確かめておくことが重要です。