2026.09.11

門真市の有料老人ホームが人材不足を解消する方法

介護施設で笑顔を見せるスタッフと利用者の様子

求人サイトに掲載しても応募がほとんど来ない。面接まで進んでも辞退される。ようやく採用できても、数か月で退職してしまう。

門真市で有料老人ホームを運営する経営者や採用担当の方の中には、こうした状況が何年も続いている方も多いのではないでしょうか。人手が足りないまま夜勤のシフトを組み、既存の職員に無理をお願いする日々が続くと、現場全体が疲弊していきます。

在留資格の違い、費用の相場、支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するかの比較、そして委託先の選び方まで、実際に判断へ使える形でお伝えします。

この記事のポイント

□ 門真市は高齢化率が急速に高まっており、日本人だけの募集では人員基準の維持が今後さらに難しくなる可能性があります

□ 早く人手を補いたいなら特定技能、長期的に育成したいなら在留資格「介護」が選択肢になります

□ 支援業務を専任で担当できないなら、登録支援機関への委託が現実的です

□ 支援機関を選ぶときは、門真市やその近隣に拠点があるかどうかが実務上の差になります

□ 定着を左右するのは制度よりも、住居や生活面の支援体制です

門真市の有料老人ホームが抱える人材不足の構造とは?

門真市の高齢化率は、令和2年の国勢調査時点で全国や大阪府の平均を上回るペースで上昇してきました。門真市が公表している資料によると、高齢化率は昭和55年の4.6%から平成22年には22.9%まで上昇し、2025年には30%を超える見込みとされています。

総人口は平成2年の143,287人をピークに減少が続いており、2035年には101,964人、2050年には84,579人まで減ると推計されています。つまり、支える側の現役世代が減る一方で、支えられる側の高齢者が増え続けるという構造が、これから数十年にわたって続きます。

門真市単独の求人・離職の数値は公表されていない

門真市単独の介護職の有効求人倍率は公表されていません。大阪府の公表資料によると、2019年11月時点という古いデータではありますが、当時の府全体の有効求人倍率は5.70倍で、全国平均の4.45倍を上回る水準でした。

この数値は現在の市況を示すものではなく、あくまで当時の参考値としてご覧ください。門真市も同様の傾向にある可能性はありますが、市単位の数値・最新の値ともに確認できていません。

厚生労働省の推計では、大阪府全体で2025年に34,495人の介護人材が不足すると見込まれています。これは大阪府全体の推計値であり、門真市固有の不足数を示すものではない点にご留意ください。

施設規模による採用力の差

大阪府の公表資料によると、府内の有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は合計2,166施設、定員9.3万人にのぼります(令和5年7月時点)。これだけの施設数がある中で、大規模法人が運営する施設と、単独で採用活動を行う中小規模の施設とでは、採用にかけられる予算や人事の専門性に差が出やすい状況です。

門真市内の施設も例外ではなく、採用担当者が他業務と兼任しているケースでは、求人広告の出し方一つで応募数が大きく変わってしまいます。

通勤圏の広さがもたらす競合

門真市の中心駅である門真市駅は、京阪本線と大阪モノレール本線の乗換駅です。京橋から門真市駅までは所要時間20分、淀屋橋方面へも1回の乗換で移動できる立地にあります。

この交通の利便性は、職員にとって通勤先の選択肢が広いことを意味します。門真市駅周辺にはパナソニック関連施設も複数立地しており、同じ沿線上の大阪市内で介護職を探すことも、介護以外の職種を選ぶことも容易な環境です。

つまり、門真市の施設は「近隣に住む人材を囲い込みにくい」立地条件を抱えています。日本人採用だけに頼る募集では、この構造的な競合から抜け出しにくいといえます。

外国人介護人材の在留資格にはどんな違いがある?

外国人介護人材の在留資格にはどんな違いがある

外国人介護人材を受け入れる在留資格には、主に「特定技能」「介護」「技能実習」の3種類があります。それぞれ、就労できる範囲や在留期間、受入れまでの手順が異なるため、自施設の状況に合わせて選ぶ必要があります。

在留資格 特定技能 在留資格「介護」 技能実習
就労できる範囲 介護業務全般 介護業務全般(資格保有が前提) 技能実習計画に定めた範囲
在留期間の考え方 通算上限あり(詳細は所管省庁で確認) 更新を続ければ長期就労が可能 実習の区分により異なる
受入れの主な担い手 登録支援機関 養成施設・就労先が直接支援 監理団体
向いている施設 早く人手を補いたい施設 長期的に育成したい施設 計画的な人材育成を行う施設

特定技能は、登録支援機関のサポートを受けながら比較的早期に人材を迎えられる制度です。在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を前提とするため、長期的な戦力として育てる考え方に向いています。

技能実習は監理団体を通じた受入れとなり、実習計画に沿った運用が求められます。在留資格の要件や在留期間の上限は改正が続いているため、断定的な数字ではなく、出入国在留管理庁の最新情報で確認することをおすすめします。

自施設に外国人介護人材の受入れが向いているか見極めるには?

受入れを検討する前に、まず自施設の状況を整理することが欠かせません。

次の3つの観点から、自施設が受入れに向いているかを確認してみましょう。

人員体制と不足の深刻度

夜勤を含むシフトが恒常的に組めない状態が続いているなら、募集方法を変えるだけでは解決しない可能性があります。

門真市のように高齢化が急速に進む地域では、日本人だけの募集で人員基準を維持し続けることが、今後さらに難しくなる可能性があります。

受入れ体制を整える余力

外国人材の受入れには、住居の確保や生活支援など、日本人採用にはない準備が必要になります。

これらを担当する人員や時間を確保できるかどうかも、受入れの可否を左右します。

教育・指導にかけられる時間

特定技能人材は即戦力として業務にあたれますが、日本語や介護記録の書き方に慣れるまでは指導役のサポートが必要です。

指導役を任せられる職員がいるかどうかを、事前に確認しておく必要があります。

外国人介護人材の受入れまでの流れと期間の目安

受入れを決めてから実際に就労が始まるまでには、複数の手続きを順に進める必要があります。

主な流れは次のとおりです。

  1. 登録支援機関または監理団体を選定する
  2. 人材紹介を通じて候補者と面談する
  3. 在留資格の申請書類をそろえ、出入国在留管理庁へ申請する
  4. 在留資格の許可を受け、住居と指導役の体制を整える
  5. 来日・入職し、支援計画に沿った生活支援を開始する

手続きにかかる期間は在留資格の種類や申請時期によって変わるため、断定的な日数は示せません。

余裕を持ったスケジュールで進めるためにも、支援機関へ早めに相談しておくことをおすすめします。

外国人介護人材受入れの費用相場と内訳は?

外国人介護人材受入れの費用相場と内訳

費用は大きく分けて、人材紹介にかかる費用と、登録支援機関へ支払う支援委託費の2つで構成されます。

介護業界の人材紹介では、想定年収の30〜35%を成功報酬とする完全成果報酬型が主流とされています。この料率は地域を問わない業界一般の水準です。

介護業界向けの調査では、常勤の介護福祉士1人あたりの紹介手数料の平均は約89万円だったという結果が出ています(2023年度調査)。この数値も業界全般の参考値であり、門真市の相場を示すものではありません。

この手数料は採用が決定した際に初めて発生する仕組みで、採用に至らなかった場合は費用がかからないとされています。

費用項目 内容 発生タイミング
紹介手数料 想定年収の30〜35%が一般的な相場(業界全般の水準) 採用決定時
支援委託費 登録支援機関ごとに料金体系が異なる 月額・継続的に発生
住居関連費 賃貸契約時の初期費用・家賃補助の有無は施設ごとに異なる 入居時・継続的に発生

複数の登録支援機関から見積もりを取り、月額料金に何が含まれるかを比べることが判断の第一歩になります。

住居費については、門真市の家賃相場を参考にできます。

不動産情報サイトのスーモが公表する家賃相場では、門真市周辺のワンルームは6.4万円、3LDKは16.5万円が目安とされています(新築・駅徒歩1〜5分の条件)。

Yahoo!不動産の集計では、門真市駅周辺の平均家賃は8.1万円〜8.2万円という数値も示されています。

社宅として1Kを用意する場合、これらの家賃水準を踏まえて予算を組んでおくと見通しが立てやすくなります。

外国人介護人材の支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか

特定技能で受け入れる場合、支援計画に基づく生活支援を自社で行うか、登録支援機関へ委託するかを選べます。

自社の状況を踏まえたうえで、どちらが現実的かを比べてみましょう。

比較項目 自社で支援 登録支援機関へ委託
担当者の専任性 専任担当を置ける施設向け 専任を置けない施設でも対応可能
多言語対応 対応言語が限られやすい 複数言語に対応する機関が多い
費用 支援委託費は発生しない 月額の支援委託費が発生する
緊急時対応 施設職員が直接対応する必要がある 機関が窓口として対応する

自社で支援を行う場合、支援委託費はかかりませんが、生活相談や役所手続きへの同行など、想定以上に手間がかかることが少なくありません。専任の担当者を置けない施設では、登録支援機関へ委託するほうが現実的な選択になります。

海外人材コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できますので、自社と委託のどちらが自施設に合うか検討する際にご活用ください。

登録支援機関を選ぶときの判断基準とは?

委託すると決めた後は、どの登録支援機関を選ぶかが次の課題になります。

次の観点から比較すると、判断がしやすくなります。

門真市やその近隣に拠点・担当者がいるか

支援機関が門真市やその近隣に拠点を持っているかどうかは、実務上の大きな差になります。

受入れ後のトラブルは、電話やメールだけでは解決しないことがあります。

近隣に担当者がいれば、当日中に施設へ駆けつけてもらえる可能性が高まります。

外国人材本人の役所手続きや住居探し、通院の同行も、対面のほうが進みやすいのが実情です。

地域の不動産会社や日本語教室とつながりを持つ支援機関であれば、生活面の相談もスムーズに進みます。

逆に遠方の支援機関では訪問頻度が下がりやすく、交通費が追加費用として乗ることもあります。

介護分野での実績と対応できる制度の幅

介護分野特有の支援計画や記録の書き方に慣れているかどうかは、実績で判断できます。

特定技能だけでなく、在留資格「介護」や技能実習にも対応できる機関であれば、将来的な制度変更にも柔軟に対応してもらえます。

定着支援と日本語教育の体制

受入れ後の定着支援がどこまで含まれるかは、機関によって差があります。

日本語学習の機会をどう確保しているかも、事前に確認しておきたい点です。

門真市内の日本語教室の数は公表されていません。参考として、大阪府教育庁地域教育振興課の調査では、大阪府全域で227の識字・日本語教室があり、学習者数は5,576人とされています(令和7年度、府内全域の集計値)。

支援機関が独自の日本語学習支援を用意しているかどうかも、選定の判断材料になります。

費用体系の明確さと追加費用の有無

月額料金に何が含まれ、何が追加費用になるのかを、契約前に書面で確認しておく必要があります。

通訳対応や緊急時訪問が追加費用になる機関も少なくありません。

トラブル時の対応と契約解除の条件

緊急時の連絡体制や対応の速さは、実際に困ったときにしか分かりません。

契約解除やキャンセルの条件も、契約前に必ず確認しておきましょう。

見積もりで確認すべき項目とは?

複数の登録支援機関から見積もりを取るときは、項目をそろえて比べることが大切です。

次の項目を確認しておくと、後から想定外の費用が出にくくなります。

  1. 月額の支援委託費に含まれる業務範囲
  2. 通訳対応・緊急時訪問が追加費用になるかどうか
  3. 訪問頻度と、門真市への訪問にかかる交通費の扱い
  4. 契約期間と、途中解約の条件
  5. 紹介手数料の発生タイミングと返金規定

見積もりの内訳がそろっていない機関には、項目を分けて再提示してもらうよう依頼しましょう。

注意すべき登録支援機関の特徴とは?

費用の内訳を尋ねても曖昧な説明しか返ってこない事業者は、契約後に追加費用が発生しやすい傾向があります。

受入れ後の定着支援について具体的な説明がなく、「来日させたら終わり」という姿勢の事業者にも注意が必要です。

出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿に掲載されているかどうかは、最低限確認しておきたいポイントです。

この登録簿は出入国在留管理庁のウェブサイトでExcel形式で公開されており、事務所名や所在地を確認できます。

前段で挙げた判断基準を満たさない機関ほど、契約後にこうした問題が表面化しやすい傾向にあります。

外国人介護人材の受入れ体制として準備するものとは?

外国人介護人材の受入れ体制として準備するもの

登録支援機関が決まった後は、受入れに向けた実務的な準備を進めます。

住居の確保

社宅として用意するか、賃貸物件を紹介するかを早めに決めておく必要があります。

門真市周辺の家賃相場は、ワンルームで6.4万円前後が目安とされており、この水準を踏まえた予算組みが求められます。

シフトと指導役の調整

受入れ直後は、指導役となる職員が通常業務に加えてサポートを行うことになります。

指導役の負担が偏らないよう、シフトの調整をあらかじめ検討しておきましょう。

支援計画の記録体制

特定技能で受け入れる場合、支援計画に基づいた記録を継続的に残す必要があります。

記録の書き方に不慣れなまま進めると、後からまとめて対応する負担が大きくなります。

受入れ後に起きやすいトラブルと対処

受入れ後によく見られるトラブルには、いくつかの型があります。

日本語での意思疎通が業務に必要な水準まで届かず、記録の記入に時間がかかるケースは少なくありません。

任せる業務の範囲を事前にすり合わせておくことで、こうしたずれは軽減できます。

生活面では、役所での手続きや通院の同行が想定より多く発生し、施設側の負担が増えることもあります。

この負担は、支援機関が同行対応まで担う契約になっているかどうかで大きく変わります。

外国人介護人材の定着のために効く取り組みとは?

離職には、業務そのものよりも生活面の孤立が関わっていると言われることがあります。

買い物や役所手続きへの同行、地域のコミュニティへつなぐ機会をつくることが、効果的な取り組みの一つです。

門真市の総人口は2024年1月1日時点で117,139人とされ、外国人住民も一定数暮らしています。

地域に外国人住民のコミュニティがあるかどうかは、生活のしやすさに影響すると考えられます。

既存職員への説明も欠かせません。

受入れの目的や役割分担を事前に共有しておくことで、指導役が孤立せずに済みます。

失敗事例から学ぶ受入れの落とし穴

契約後に通訳対応の追加費用が発生するのは、受入れで最も多い想定外の出費の一つです。

契約前に料金表と追加費用の条件を書面で確認しておけば、防げるケースがほとんどです。

住居探しの開始が遅れると、入職時期が1か月単位でずれることがあります。

在留資格の許可が下りた時点ではなく、申請時点から住居探しを並行して進めておくことが対策になります。

既存職員への説明が不十分なまま受入れを進めると、指導役だけが業務を抱え込み、孤立してしまうことがあります。

受入れの目的とスケジュールを、指導役を含めた職員全体に事前共有しておくことで防げます。

費用の安さだけで登録支援機関を選ぶと、受入れ後の定着支援がほとんど機能しないことがあります。

見積もり時点で支援内容の範囲を確認し、金額だけで比較しないことが重要です。

外国人介護人材の受入れ準備チェックリスト

□ 自施設の人員体制と不足数を把握した

□ 受入れ可能な在留資格を確認した

□ 住居の確保の見通しを立てた

□ 指導役とシフトの調整方針を決めた

□ 費用の総額と内訳を確認した

□ 支援機関の対応範囲と門真市周辺への訪問可否を確認した

□ 既存職員への説明の時期と方法を決めた

門真市の有料老人ホームの人材不足対策まとめ

門真市の高齢化率は今後さらに上昇が見込まれ、日本人だけの募集では人員基準の維持が難しくなっていく可能性があります。

外国人介護人材の受入れは、この構造的な課題に対する現実的な選択肢の一つです。

早く人手を補いたいなら特定技能、長期的に育成したいなら在留資格「介護」が向いています。

専任の担当者を置けない施設は、登録支援機関への委託を検討する価値があります。

支援機関を選ぶ際は、費用の明確さだけでなく、門真市やその近隣に拠点があるかどうかも確認してください。

定着を左右するのは制度そのものよりも、住居や生活面の支援体制です。

費用や支援範囲、実績を確認し、自施設に合った支援機関を選びましょう。

支援機関選びで迷った場合は、海外人材コネクトナビ掲載の支援機関を比較してください。

よくある質問

門真市の有料老人ホームでも特定技能人材は採用できますか?
施設種別による制限は基本的になく、登録支援機関を通じて採用を進められます。制度の詳細は出入国在留管理庁の最新情報でご確認ください。
支援委託費の相場はどれくらいですか?
登録支援機関ごとに料金体系が異なるため、一律の相場はお示しできません。複数の機関から見積もりを取り、月額料金に含まれる業務範囲を比べることをおすすめします。
住居はどこまで施設側が用意する必要がありますか?
法律上の義務範囲は制度で定められていますが、実務では社宅の用意や賃貸契約の同行まで行う施設が多いです。門真市周辺のワンルーム家賃は6.4万円前後が目安になります。
一度に多くの特定技能人材を受け入れる場合はどうすればよいですか?
受入れ人数が多いほど、住居の確保や指導役の配置が複雑になります。海外人材コネクトナビ掲載の支援機関を比較し、大人数の受入れ実績がある機関を選ぶと安心です。
登録支援機関が門真市から遠い場合、どんな影響がありますか?
訪問頻度が下がりやすく、緊急時の対応に時間がかかることがあります。交通費が追加費用として発生する場合もあるため、契約前に確認しておきましょう。