2026.09.24

大阪市東成区のグループホームが夜勤人材不足を解消する方法

都市部に建つマンションの外観と青空の風景

夜勤の人員配置を組むたびに、同じ職員へ無理をお願いすることになっていませんか。

大阪市東成区でグループホームを運営している方の多くが、求人を出しても応募が来ず、夜勤帯だけがいつも綱渡りになっているという悩みを抱えています。日本人職員だけでの採用にこだわり続けると、人員基準そのものが維持できなくなる時期が近づいています。

読み終えたときには、自施設の夜勤不足の構造がどこにあるのか、そして次に何を確認すればよいのかが分かる状態になっているはずです。

この記事のポイント

□ 大阪市東成区は高齢化率が市内24区中中位で、要介護度の高い高齢者が今後も増える地域です

□ 日本人職員だけの募集を続けると、グループホームの夜勤人員基準を維持できなくなる施設が出てきます

□ 早く夜勤の穴を埋めたいなら特定技能、長期的に育てたいなら在留資格「介護」を軸に検討します

□ 初年度の費用は紹介手数料や支援委託費が中心で、内訳を確認しないまま契約すると想定外の出費が出ます

□ 専任担当を置けない施設は登録支援機関への委託が現実的で、東成区近隣に拠点がある機関だと緊急時の対応が早くなります

大阪市東成区のグループホームが抱える夜勤不足の実情とは?

大阪市東成区役所が公表している区の概要によると、令和8年1月1日推計人口で65歳以上の年齢層が全人口の23.7%を占めています。これは大阪市内24区中16位の高齢化率にあたります。

令和5年2月1日推計人口の時点では高齢化率は24.9%で、市内15位でした。順位だけを見ると中位ですが、区の人口密度は18,854人/平方キロメートルと市内3位の高さです。

日本医師会総合政策研究機構の推計では、東成区が属する二次医療圏の75歳以上人口は2020年の11,607人から2045年には14,270人へ、23%増加すると見込まれています。

介護度の重い高齢者が今後さらに増えるということです。グループホームの夜勤は、認知症の症状がある入居者への対応や見守りが中心のため、人員配置の余裕が無いままでは職員1人あたりの負担が増していきます。

施設の立地と募集競合の傾向

東成区には今里駅、緑橋駅、深江橋駅、新深江駅といった大阪メトロの駅が複数あり、生活のしやすさから求人媒体を見ても幅広い業種の求人が並んでいます。

介護職に限らず選択肢が多い地域のため、日本人求職者の間では他業種との競合が起きやすく、夜勤専従の応募はさらに集まりにくいのが実情です。

大阪府全体の求人状況から見える背景

東成区単独の介護職有効求人倍率は公表されていません。厚生労働省の資料をもとにしたマイナビ介護職のまとめによると、大阪府全体の介護職有効求人倍率は2019年11月時点で5.70倍とされ、全国平均の4.45倍を大きく上回っていました。

この数値はあくまで大阪府全体の水準であり、東成区に当てはめられるかどうかは確認できていません。ただ、大阪府全体でこれだけの倍率が出ている以上、大阪市内での介護人材の獲得競争が緩やかとは考えにくい状況です。

外国人介護人材の在留資格ごとの違いとは?

外国人材が介護施設で働くための在留資格には、主に特定技能、技能実習、在留資格「介護」の3つがあります。それぞれ就労できる範囲や在留期間が異なります。

在留資格 特定技能 技能実習 在留資格「介護」
目的 人手不足分野での即戦力確保 技能移転を通じた国際協力 介護福祉士としての専門的就労
在留期間の目安 更新により長期化が可能 技能実習法に基づく期間 更新制限がなく長期就労が可能
受入れの担い手 登録支援機関 監理団体 登録支援機関の利用は任意
向いている施設 早期の人員確保を急ぐ施設 計画的な人材育成を重視する施設 介護福祉士資格を活かした長期雇用を望む施設

表から分かるとおり、受入れの担い手が資格ごとに異なります。特定技能と技能実習は登録支援機関や監理団体という第三者機関の支援が前提になっており、施設単独では受入れが成立しません。

在留資格「介護」は介護福祉士資格を持つ人材が対象で、日本人職員と同じような雇用形態に近づきますが、その分採用できる人材の数自体が限られます。

夜勤の穴を早く埋めたい場合は特定技能を軸に検討し、将来的に幹部候補として育てたい場合は在留資格「介護」も併せて検討するという整理がしやすくなります。

自施設に外国人介護人材の受入れが向いているか見極めるポイント

制度の説明を聞く前に、自施設の状況を整理しておくことが判断の近道になります。次の3つの観点から、現状を棚卸ししてみましょう。

夜勤帯の人員基準を満たせているか

グループホームの夜勤帯には人員配置に関する基準があり、詳細な要件は運営基準や自治体の指定基準で定められています。現在の職員体制で基準を満たせているか、綱渡りの状態が続いていないかを、まずは所管の指定権者や運営指導の資料で確認しておきましょう。

既存職員が受入れに理解を示せる状況か

外国人材の受入れは、既存職員の理解と協力があってはじめて成立します。説明の場を設ける余裕があるか、指導役を担える職員がいるかを先に見極めます。

住居確保や生活支援に対応できる余力があるか

特定技能や技能実習では、住居の確保が受入れ側の責任になる場面があります。東成区内で住居を確保できる見込みがあるか、あるいは委託先に任せられるかを整理しておきます。

この3点のいずれかに不安があるとしても、受入れができないという意味ではありません。次に説明する登録支援機関への委託によって、不足している部分を補うことができます。

外国人介護人材の受入れまでの流れと期間の目安

外国人介護人材の受入れまでの流れと期間の目安

受入れが決まってから就労開始までには、一定の準備期間が必要です。おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 登録支援機関または監理団体を選定する
  2. 候補となる人材を紹介してもらい、面談を行う
  3. 在留資格の申請書類をそろえ、出入国在留管理局へ申請する
  4. 住居の確保と受入れ体制の整備を進める
  5. 在留資格の許可を受けたのち、就労を開始する

この手続きの期間は制度上全国共通であり、東成区だからといって短縮や延長はありません。準備を早く始めるほど、夜勤不足が続く期間を短くできます。

海外人材コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。

外国人介護人材受入れの費用相場と内訳とは?

費用は主に紹介手数料と支援委託費の2つで構成されます。エッセンシャルワーカー採用研究所の2023年度調査によると、常勤介護職員(介護福祉士資格あり)1人あたりの紹介手数料の平均は約89万円とされています。

プロベルの人材紹介手数料相場に関するコラムによると、紹介手数料は理論年収に対して30〜35%の料率をかけて算出されるのが一般的とされています。この完全成果報酬型の仕組みは、採用が決まらなければ費用が発生しない点が特徴です。

費用項目 内容 発生タイミング
紹介手数料 理論年収の30〜35%が業界の一般的な水準(エッセンシャルワーカー採用研究所・プロベル調査) 採用決定時
支援委託費 登録支援機関ごとに定められる月額または年額 受入れ期間中、継続的に発生
住居関連費 物件確保にかかる初期費用(施設側が用意する場合) 入居時

支援委託費については、機関ごとに料金体系が異なり、この記事の材料の中に東成区や大阪府単位の相場は含まれていません。契約前に複数の機関から見積もりを取り、内訳の項目をそろえて比べることが欠かせません。

採用マーケティングのコラムでは、掲載課金型の求人広告費用が10万円から100万円ほど、新聞折込広告が1万円から20万円ほどとされていますが、時点が明確ではないため参考情報として扱ってください。日本人職員の中途採用にもコストがかかる以上、外国人材の受入れだけを特別に高いと判断するのは早計です。

登録支援機関の選び方を判断基準から見積比較まで整理する

登録支援機関は出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関で、登録支援機関登録簿に掲載されます。2026年8月31日現在で11,579件が登録されている状態で、選択肢が非常に多いのが実情です。特定技能や技能実習で生活支援や日本語学習の機会提供が必要になる場合、自社で行うか、この登録支援機関へ委託するかを選ぶことになります。

自社で支援するか、委託するかの比較

比較項目 自社で支援 登録支援機関へ委託
初期コスト 低い(委託費が発生しない) 支援委託費が発生する
専任担当の必要性 必須(多言語対応も含む) 不要(機関側が対応)
緊急時対応 施設職員が直接対応 機関の担当者が一次対応
向いている施設 大規模法人で多言語対応の専任者を置ける施設 専任担当を置く余裕が無い施設

グループホームのように職員数が限られる施設では、生活支援や日本語学習支援まで自社で担う余力が無いことが多く、委託を選ぶ施設が多数派です。専任担当を置けない施設は、委託を軸に検討したうえで、次の判断基準を確認してください。

委託先を選ぶときの判断基準

数の多さゆえに、何を基準に選ぶかを決めておかないと比較が終わりません。次の観点で確認してください。

  • 東成区やその近隣に拠点・担当者がいるか
  • 介護分野での実績があるか
  • 対応できる在留資格・制度の幅が自施設のニーズに合うか
  • 受入れ後の定着支援の内容が具体的か
  • 日本語教育の体制が整っているか
  • 費用体系が明確で、追加費用の条件が書面で示されているか
  • 対応できる国籍と現地送出機関との連携があるか

近隣に拠点があることの実務上の差

支援機関が東成区やその近隣にあるかどうかは、受入れ後の実務で差になります。トラブルは電話やメールだけでは解決しないことがあり、近隣に担当者がいれば当日中に施設へ来られる可能性が高くなります。

外国人材本人の役所手続きや住居探し、通院の同行なども、対面のほうが進みやすいのが実情です。地域の不動産会社や日本語教室とつながりを持つ機関であれば、生活面の相談もスムーズになります。

反対に遠方の事業者は訪問頻度が下がりやすく、交通費が費用に加算されることもあります。契約前に、緊急時の訪問対応が可能な範囲かどうかを確認しておきましょう。

支援機関選びで迷った場合は、海外人材コネクトナビ掲載の支援機関を比較してください。

見積もりを取るときに確認すべき項目

判断基準が固まったら、次は複数の登録支援機関から見積もりを取り、項目をそろえて比較する段階に進みます。

  1. 紹介手数料の算出方法(理論年収に対する料率か、固定額か)
  2. 支援委託費に含まれる業務の範囲(生活支援・日本語学習支援・定期面談の頻度)
  3. 通訳対応や緊急時訪問が追加費用になるかどうか
  4. 採用に至らなかった場合の費用発生の有無
  5. 契約解除やキャンセルの条件

見積書の項目名が機関ごとに違うと比較が難しくなるため、上記の5項目を軸に、同じ形式で書き出してもらうよう依頼するとよいでしょう。

契約前に見抜きたい注意点

良い支援機関の基準と見積もりの確認項目が分かったところで、その裏返しとなる注意点も押さえておきます。次のような様子が見られる機関は、契約前に立ち止まって検討し直してください。

  • 費用体系を口頭でしか説明せず、書面での提示を渋る
  • 受入れ後の定着支援の内容が具体的に説明できない
  • 契約解除やキャンセルの条件を明示しない
  • 担当者が制度の基本的な質問に答えられない
  • 費用の安さだけを強調し、支援体制の説明が乏しい

費用の安さだけで機関を決めると、受入れ後の支援がほとんど機能しないという事態につながりやすくなります。契約前の説明の丁寧さは、受入れ後の対応の丁寧さを推測する材料になります。

外国人介護人材の受入れ体制として準備するものとは?

委託先が決まったあとは、施設側で準備するものが残っています。

住居の確保

不動産情報サイトのスーモが公表する家賃相場によると、東成区のワンルームは3.8万円、1K・1DKは6.0万円が目安です。今里駅や緑橋駅、深江橋駅、新深江駅の周辺には物件が多く、通勤の面でも選択肢が確保しやすい地域です。

新築かつ駅から徒歩1〜5分の条件では、ワンルームで6.2万円からとされており、駅距離や築年数によって水準に差があることも踏まえて探す必要があります。

シフトと指導役の調整

夜勤帯に外国人材を配置する場合、受入れ初期は日本人職員との複数配置を組む施設が一般的です。指導役を固定するか、シフトごとに担当を分けるかを事前に決めておきます。

日本語能力と任せる業務範囲

日本語能力の水準によって、任せられる業務の範囲は変わります。記録の作成や医療機関との連携が必要な業務は、日本語能力が一定以上であることが前提になります。受入れ時点でどこまでの業務を任せるかを、支援機関とあらかじめ相談しておくと後のトラブルを避けられます。

既存職員への説明

受入れの目的や役割分担を、受入れ前に既存職員へ説明する場を設けます。説明が不足すると、指導役となる職員だけが負担を抱え込む状態になりやすくなります。

受入れ後に起きやすいトラブルと対処

受入れ後に起きやすいトラブルと対処

受入れ後によく起きるのは、生活面での孤立から意欲が下がっていくパターンです。役所手続きや通院、買い物といった日常生活の場面で困りごとが積み重なると、仕事への集中力にも影響します。

対処としては、定期的な面談を短い間隔で設定し、生活面の困りごとを早期に把握することが効果的です。委託先の支援機関が定期面談を担っている場合は、その頻度と内容を契約時に確認しておきます。

もう一つ多いのが、業務範囲についての認識のずれです。受入れ前に決めた業務範囲が、現場の状況で徐々に広がってしまうケースがあります。定期的に業務範囲を見直す機会を設けることで、行き違いを防げます。

大阪市東成区の外国人住民の状況と定着のために効く取り組み

大阪市東成区役所が公表している資料の基礎となった調査によると、令和2年12月31日時点で東成区の在留外国人数は7,444人であり、大阪市24区中7番目に多い水準でした。

外国人住民が一定数暮らす地域であることは、生活面での相談先や同じ言語を話せる住民との接点を持ちやすい可能性につながります。定着のためには、次のような取り組みが効果的とされています。

  • 買い物や役所手続きへの同行支援
  • 定期的な面談による生活面の困りごとの早期把握
  • 日本語学習の機会の提供
  • 既存職員との交流機会をつくる

大阪府教育庁地域教育振興課の調査によると、大阪府全域の識字・日本語教室は教室数227、学習者数5,576人とされています。東成区単独の教室数は公表されていませんが、大阪市が識字・日本語教育のコーディネートを行っているため、区内で通える教室を探す際の相談先として活用できます。

受入れでよくある失敗事例

契約後に通訳対応や緊急時訪問の追加費用が発生するのは、受入れで最も多い想定外の出費です。契約前に見積もりの内訳を書面で確認し、追加費用の発生条件をそろえて比較しておくことで防げます。

住居探しの開始が遅れると、入職時期が1か月単位でずれることがあります。在留資格の申請と並行して住居の確保を早めに始めることで、このずれを避けられます。

既存職員への説明が不足すると、指導役となった職員だけが負担を抱え込み、孤立してしまうことがあります。受入れ前に説明の場を設け、役割分担を共有しておくことが対策になります。

日本語能力の見立てと、実際に任せる業務内容がかみ合わないと、早期離職につながることがあります。受入れ前に業務範囲を具体的に決め、委託先の支援機関とも共有しておくことで防げます。

費用の安さだけで支援機関を選び、受入れ後の定着支援がほとんど機能しないというケースもあります。契約前に定着支援の具体的な内容を確認することで、この失敗は避けられます。

受入れ準備チェックリスト

□ 自施設の夜勤人員体制と不足数を把握した

□ 受入れ可能な在留資格を確認した

□ 東成区内または近隣で住居確保の見通しを立てた

□ 指導役とシフトの調整方針を決めた

□ 費用の総額と内訳を確認した

□ 支援機関の対応範囲と拠点の位置を確認した

□ 既存職員への説明の場を設けた

□ 契約解除やキャンセルの条件を確認した

東成区のグループホームの夜勤不足のまとめ

大阪市東成区は高齢化率が市内中位でありながら、75歳以上人口の増加が今後も続くと見込まれる地域です。日本人職員だけの募集を続けることには限界が近づいています。

自施設の状況を見極めたうえで、在留資格の違いを踏まえて選択肢を絞り、費用の内訳を確認しながら委託先を比較することが、判断を誤らないための道筋になります。

費用や支援範囲、実績を確認し、自施設に合った支援機関を選びましょう。

迷ったときは、東成区やその近隣に拠点を持つ機関を軸に、複数の見積もりをそろえて比較することから始めてください。

よくある質問

東成区のグループホームでも外国人介護人材の受入れは可能ですか
制度上は可能です。特定技能や在留資格「介護」など、施設の状況に応じた選択肢があります。
費用はどのくらいかかりますか
紹介手数料は理論年収の30〜35%が業界の一般的な水準とされています。支援委託費は機関ごとに異なるため、見積もりで確認する必要があります。
日本語がまだ上手でない人材でも夜勤を任せられますか
業務範囲を絞ることで対応できる場合があります。記録や医療連携が必要な業務は、日本語能力の水準を踏まえて任せる範囲を検討してください。
登録支援機関への委託は必須ですか
特定技能や技能実習では支援業務が必要ですが、自社で対応できる体制があれば委託は必須ではありません。専任担当を置けない施設は委託が現実的です。
受入れ人数が多く、自施設だけでは対応が難しい場合はどうすればよいですか
複数の登録支援機関を比較し、対応可能な人数や体制を確認してください。海外人材コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。