2026.06.23

特定技能の「定期面談」完全マニュアル!オンライン化のルールや質問項目を解説

特定技能外国人を受け入れている企業の担当者様の中には、目前に迫る定期面談の実施や報告書の提出期限に焦りを感じている方も多いのではないでしょうか。法令を正しく遵守できているか、手続きに不備がないかといった不安は、日常業務を圧迫する要因になり得ます。

2025年4月の制度改正により、オンライン面談の解禁や報告頻度の変更など、実務のルールが大きく変わります。最新の要件を把握しておくことで、手戻りなく安心して業務を遂行することが可能です。

この記事のポイント
・特定技能の定期面談は最低3か月に1回、本人と監督者それぞれに実施する義務がある
・2025年4月より、一定の条件を満たせばオンライン面談が可能になる
・2026年4月以降、行政への定期報告は四半期ごとから年1回に変更される
・面談や支援業務は登録支援機関に委託することで、企業の負担を大幅に軽減できる
・制度や費用を比較し、自社に合ったパートナーを選ぶことが成功の鍵となる

特定技能の「定期面談」とは?目的や義務、実施しない場合のリスク

結論からお伝えすると、定期面談は特定技能所属機関に義務付けられた法定要件であり、単なる事務作業ではありません。外国人が抱える悩みや職場環境の課題を早期に把握し、迅速に解決するための重要な支援措置に位置づけられています。

比較項目 自社で実施する場合 登録支援機関に委託する場合
費用相場 担当者の人件費・通訳費(都度発生) 月額2万〜3万円程度/人(支援全般込み)
メリット 外部コストを抑えられる 法改正への対応や通訳の手配を任せられる
デメリット 担当者の業務負担が大きく、法令違反のリスクがある 毎月の委託費用が発生する

自社で面談や書類作成を行う場合、外部コストは抑えられますが、担当者の業務負担は計り知れません。一方、登録支援機関に委託すると月額費用はかかりますが、多言語対応や複雑な行政手続きを任せることができ、法令違反のリスクを回避できます。

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もし定期面談を実施しなかったり、虚偽の報告を行ったりした場合、受入れ資格の取り消しや罰則の対象となる恐れがあります。適切に面談を実施することは、外国人の労働環境を改善し、結果として定着率の向上や生産性アップにつながります。

特定技能の定期面談における基本ルールと実施要件

面談を実施するにあたり、誰を対象に、どのような体制で行うべきかといった基本ルールを整理しておくことが重要です。

実施頻度と対象者(最低3か月に1回)

特定技能制度では、少なくとも3か月に1回以上の頻度で定期面談を実施する法的義務があります。

対象者は特定技能外国人本人だけでなく、その外国人を直接指導する「監督者(直属の上司など)」も含まれます。外国人が本音を話しやすくするため、本人と監督者を同席させるのではなく、個別に面談を実施することが求められます。

面談の実施担当者(誰が行うべきか)

面談の担当者は、「支援責任者」または「支援担当者」でなければなりません。

外国人と雇用側の双方から中立な立場で話を聞く必要があるため、直属の上司や企業の代表取締役は面談担当者になれないルールが定められています。担当者の選任を誤ると法令違反となるため、注意が必要です。

使用言語と通訳の配置

面談は、特定技能外国人が十分に理解できる言語で実施する必要があります。

日本語能力が不十分な場合は、母国語の通訳者を配置するなど、コミュニケーションの壁を取り除く配慮が欠かせません。通訳の手配が難しい場合は、多言語対応が可能な登録支援機関への委託を検討するのも一つの手段です。

【2025年4月改正】オンライン面談の条件と注意点

これまで原則対面とされてきた定期面談ですが、2025年4月1日より一定条件下でオンライン(リモート)での実施が解禁されます。担当者の業務効率化に大きく貢献する変更点です。

比較項目 対面面談 オンライン面談(2025年4月〜)
メリット 表情や雰囲気の変化を感じ取りやすい 移動時間や調整の手間を大幅に削減できる
デメリット 日程調整や場所の確保に手間がかかる 通信環境の整備や録画保管の義務が生じる
適用条件 原則として全要件で可能 本人と監督者双方の事前の同意が必要

オンライン化により利便性は向上しますが、トラブルを防ぐための厳格なルールが設けられています。

オンライン面談の必須要件(同意取得とツール)

オンラインで面談を行うためには、外国人本人および監督者の同意を確実に取得しなければなりません。外国人の同意は「1号特定技能外国人支援計画書」への署名で確認し、監督者の同意は任意の様式で取得するといった方法の違いに注意が必要です。

また、使用するツールは音声のみの通話は認められず、お互いの表情が確認できるテレビ電話システム等を使用することが義務付けられています。

録画・保管の義務とトラブル回避のポイント

オンライン面談を実施した際の様子は録画し、特定技能雇用契約の終了日から1年間保管する義務が生じます。

画面越しでは周囲の状況が分かりにくいため、第三者が不当に介入していないかを確認できるよう、面談開始時にカメラで部屋全体を映してもらうなどの工夫が必要です。過去の失敗事例として、「制度理解不足で手続きが進まなかった」ことや、「コミュニケーション不足で定着しなかった」というケースも多く見受けられます。画面越しであっても、信頼関係を築くための丁寧な対話が求められます。

定期面談で確認すべき5つの質問事項(ヒアリング内容)

面談の目的は形式的な質疑応答ではなく、外国人が抱える不満やトラブルの芽を早期に摘み取ることです。法令で定められた5つの確認事項をベースに、ヒアリングを進めていきます。

業務内容・待遇に関する事項

まず確認すべきは、業務内容と待遇が契約通り守られているかという点です。

雇用契約外の業務を任されていないか、他社で就労していないかといった業務範囲の確認に加えて、日本人と同等以上の報酬が適切に支払われているかをヒアリングします。休日が適正に付与されているか、住環境の家賃負担が事前の合意通りかといった生活基盤に関わる質問も重要です。

保護・生活に関する事項と違反発覚時の対応

後半では、職場での差別やハラスメントがないか、預金通帳やパスポートを不当に管理されていないかといった保護に関する事項を確認します。さらに、健康状態や日常生活におけるトラブルの有無も丁寧に聞き取ります。

万が一、面談を通じて労働基準法違反や人権侵害などの問題が発覚した場合は、労働基準監督署や出入国在留管理庁などの行政機関へ速やかに通報する義務があります。問題を放置せず、適切な対応手順を踏むことが企業を守ることに繋がります。

定期面談の報告書作成と「定期届出」の提出手続き

面談を実施した後は、その内容を報告書にまとめ、四半期ごとに地方出入国在留管理局へ提出する「定期届出」の手続きが必要です。

報告書の様式(フォーマット)と記入・保管の注意点

定期面談報告書の公式フォーマットは、出入国在留管理庁のホームページからダウンロードできます。

面談で確認した状況や、問題があった場合の通報記録などを正確に記入します。作成した書類は、雇用契約終了日から1年以上保管する義務があります。手続き上の不備による再提出を防ぐためにも、記入例を参考にしながら漏れなく記載することが大切です。

【重要】2025年4月から定期報告の提出頻度が「年1回」へ

支援状況の定期届出について、大きな制度変更が予定されています。

比較項目 旧制度(〜2025年度まで) 新制度(2026年4月提出分〜)
提出頻度 四半期ごと(年4回) 年1回
対象期間 3か月間 毎年4月1日〜翌年3月31日までの1年間
提出期限 翌四半期の初日から1か月以内 対象期間の翌年4月1日〜5月31日まで

面談自体は引き続き「3か月に1回」実施する必要がありますが、行政への報告頻度が年1回に減ることで、企業や登録支援機関の事務負担は大きく軽減されます。

ここで、定期面談や届出をスムーズに進めるためのチェックリストを用意しました。

□ 採用目的が明確になっている
□ 自社対応か外部委託か、予算と費用相場を把握している
□ 支援体制を準備している
□ 面談担当者が要件を満たしている
□ 登録支援機関を比較している

外国人採用を検討している場合は、海外人材コネクトナビ掲載企業を比較してください。自社のリソースと照らし合わせ、適切な運用体制を構築しましょう。

まとめ:定期面談を形式で終わらせず、人材定着のチャンスに

最後に、定期面談に関してよく寄せられる疑問を整理しておきます。

よくある質問(FAQ)

Q. 特定技能の定期面談は通常の面談と何が違いますか?
A. 単なるヒアリングではなく、法令で義務付けられた支援措置です。本人だけでなく監督者にも実施し、行政への報告義務が伴います。

Q. 費用はいくらかかりますか?
A. 自社で行う場合は担当者の人件費と通訳費程度ですが、登録支援機関に委託する場合は外国人1人あたり月額2万〜3万円が相場となります。

Q. 登録支援機関は必要ですか?
A. 自社で全ての支援要件を満たすのは負担が大きいため、多くの企業が登録支援機関に委託しています。法令遵守と業務負担軽減の観点から、委託を推奨するケースが一般的です。

定期面談を単なる法令上の義務や報告書作成のための作業としてこなすのではなく、特定技能外国人との信頼関係を深める重要なコミュニケーションの場として活用することが大切です。小さな不満や悩みに耳を傾ける姿勢が、離職を防ぎ、長期的な定着と生産性向上につながります。

外国人採用で失敗しないためには、制度や費用、支援内容を比較したうえで、自社に合った採用方法を選ぶことが重要です。海外人材コネクトナビ掲載企業を比較し、自社に最適なパートナーへ相談してください。

執筆者コネクトナビ編集部

外国人材採用に役立つ情報を随時発信しています。


監修青山 信明

2018年から一般社団法人外国人介護留学生支援機構にて、日本で介護職を目指す外国人留学生の生活支援および就職支援を担当。ベトナム・ネパール・インド国籍の学生支援に従事する。
特定技能制度施行後は、同機構が登録支援機関として認可を受ける過程にも関与し、現在は主にベトナム国籍人材を中心とした特定技能外国人の支援業務を行っている。

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