2026.10.08

摂津市で外国人介護人材を受け入れるには|制度・費用・支援機関の選び方

介護施設で外国人スタッフと日本人職員が並んで笑顔を見せている様子

求人を出しても応募が来ない状態が、何か月も続いていないでしょうか。面接までたどり着いても、採用に至らないまま時間だけが過ぎていく施設も少なくありません。

摂津市でも高齢化が進み、介護を必要とする方は今後さらに増えていく見込みです。一方で、日本人だけを対象にした募集では、必要な人員を確保しきれない施設が増えています。

外国人材の受入れは、その選択肢の一つです。ただ、在留資格の種類や費用、支援機関への委託など、分からないことが多く、検討が止まってしまう担当者も多いはずです。

読み終えたときには、自施設にどの受入れ方法が合うか、支援機関へ委託すべきか判断できる状態を目指します。

この記事のポイント

□ 摂津市では要介護認定者数が増加を続けており、日本人だけの募集では人員確保が難しくなります

□ 早く人手が要るなら特定技能、長く育てたいなら在留資格「介護」を選びます

□ 受入れには住居・指導役・記録体制の準備が要り、専任担当を置けない施設は委託が現実的です

□ 登録支援機関は、摂津市やその近隣に拠点があるかで緊急時の対応速度が変わります

□ 離職の多くは生活面の孤立から起きるため、定着支援の中身を契約前に確認します

摂津市の介護現場が抱える人材不足の構造とは?

摂津市では、第9期せっつ高齢者かがやきプラン(素案)により、65歳以上の要支援・要介護認定者数が令和6年の4,398人から、令和7年に4,543人、令和8年には4,658人へ増える見込みが示されています。わずか2年で260人増える計算です。

さらに団塊ジュニア世代が65歳以上となる令和22年には、認定者数が5,262人まで伸びる見込みとされています。令和6年との差は864人にのぼります。

摂津市単独の有効求人倍率は公表されていません。大阪府の公表資料をもとにしたまとめ記事では、府全体の介護職の有効求人倍率が5.70倍(2019年11月時点)とされ、全国平均の4.45倍を上回る水準だったとされています。この数値はあくまで大阪府全体の参考値であり、時点も古いため、摂津市の現在の人材不足の深刻さを直接示すものではありません。

摂津市も同じ傾向にある可能性はありますが、市単位の数値までは確認できていないことを踏まえ、あくまで参考情報として受け止めてください。

施設規模と立地による採用力の差

摂津市駅・正雀駅・千里丘駅の周辺には、大阪梅田方面・京都方面の双方からアクセスできる路線が通っています。大阪モノレールの摂津駅・南摂津駅も使え、南茨木・千里中央方面との連絡があります。

通勤の選択肢が広いこと自体は採用面で有利な材料です。ただ、近隣の大阪市・吹田市・茨木市の施設とも職員を奪い合う構図になりやすいといえます。

大規模法人は通勤手当や寮の用意で競えますが、小規模な事業所ほど日本人採用だけに頼る募集の限界に直面しやすくなります。

外国人材の受入れにはどんな在留資格の選択肢があるか?

外国人材の受入れにはどんな在留資格の選択肢があるか

外国人介護人材を受け入れる在留資格には、主に「特定技能」と「介護」の2つがあります。特定技能とは、人手不足分野で即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格です。

在留資格「介護」とは、介護福祉士の資格を取得した人が、専門職として長期的に働くための在留資格です。

特定技能と在留資格「介護」の違い

比較項目 特定技能 在留資格「介護」
対象者 一定の技能・日本語試験に合格した人 介護福祉士資格を取得した人
在留期間 所管省庁の最新情報で確認が必要です 更新制限なし
就労できる範囲 介護業務全般(詳細は所管省庁で確認が必要です) 介護業務全般(詳細は所管省庁で確認が必要です)
家族帯同 所管省庁の最新情報で確認が必要です 可能
向いている施設 早く人手を確保したい施設 長期的に専門職として育てたい施設

特定技能は比較的短期間で人材を確保しやすい一方、在留期間や就労範囲、家族帯同の扱いには制限があります。最新の要件は所管省庁の情報で必ず確認してください。

準備期間と移行ルート

在留資格「介護」は、介護福祉士資格の取得が前提となるため、受入れまでの準備期間は長くなりやすい傾向があります。

このほかに技能実習からの移行というルートもありますが、まずは特定技能と在留資格「介護」の違いを押さえておくと判断しやすくなります。

自施設は外国人材の受入れに向いているか見極めるポイントとは?

受入れを検討する前に、自施設の状況を整理しておく必要があります。次の3つの観点で、自施設を振り返ってみてください。

人員不足の深刻度と期間

欠員が一時的なものか、1年以上続いている慢性的なものかで、取るべき手段は変わります。

慢性的な欠員であれば、日本人採用だけに頼らない仕組みづくりを検討する時期に来ています。

教育・指導体制の有無

特定技能人材であっても、日本語でのコミュニケーションや介護記録の書き方には、一定の指導が必要です。

指導役を担える職員が既にいるか、新たに育てる余裕があるかを確認してください。

住居確保への同行余力

施設として住居探しに同行できる余力があるかも、受入れの向き不向きを左右します。住居の確保そのものについては、別の章で具体的に扱います。

摂津市で外国人材を受け入れるまでの流れと期間の目安

受入れまでの手続きには、一定の準備期間が必要です。一般的な流れは次の順番になります。

  1. 自施設の受入れ方針を決める(在留資格・人数・時期)
  2. 人材紹介会社や登録支援機関に相談する
  3. 候補者の選考・面接を行う
  4. 在留資格の申請書類をそろえる
  5. 住居・指導役・シフトなど受入れ体制を整える
  6. 入国・就労開始

手続きにかかる期間は全国共通であり、摂津市固有の違いがあるわけではありません。

ただし、住居探しや指導役の調整といった施設側の準備は、摂津市の通勤圏や住宅事情に合わせて進める必要があります。早めに動き出すほど、入職時期のずれを防ぎやすくなります。

外国人材の受入れにかかる費用の相場と内訳とは?

外国人材の受入れにかかる費用の相場と内訳

費用は、人材紹介・支援委託・住居・教育のそれぞれで発生します。

介護業界における人材紹介の手数料は、採用する人材の理論年収に対して30〜35%程度が一般的な相場とされています。届出制の人材紹介では、理論年収の50%が法定上限とされています。

2023年度の調査では、常勤介護職員(介護福祉士資格あり)の1人あたり紹介手数料の平均が約89万円だったという結果が出ています。

これらはいずれも地域に限らない業界全体の水準であり、摂津市固有の金額ではない点にご注意ください。

費用項目ごとの内訳

費用項目 発生のタイミング 内容
人材紹介手数料 採用決定時 理論年収の30〜35%程度が目安とされています(業界一般の水準)
支援委託費 月額・継続 登録支援機関へ委託する場合に発生。金額は機関ごとに異なります
住居関連費 入職前後 家賃・初期費用。摂津市の最新相場は不動産会社への確認が必要です
教育・研修費 受入れ後継続 日本語学習・介護技術研修などにかかる費用

人材紹介は「完全成果報酬型」が一般的で、採用に至らなかった求人には費用が発生しないとされています。

支援委託費や教育費は施設や機関によって幅があるため、複数の機関から見積もりを取り、内訳の項目をそろえて比較することをおすすめします。

外国人材の支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか

特定技能人材を受け入れる場合、生活支援や日本語学習の支援などを自社で行うか、登録支援機関へ委託するかを選ぶ必要があります。

登録支援機関とは、出入国在留管理庁長官の登録を受け、特定技能1号の外国人材への支援計画の実施を担う機関です。

比較項目 自社で支援 登録支援機関へ委託
専任担当者 必要(社内で確保) 不要(機関側が担当)
費用 人件費のみ(委託費はかからない) 月額の支援委託費が発生
対応できる範囲 社内の知見に依存する 複数施設の支援実績を活用できる
向いている施設 専任担当を置ける大規模法人 専任担当を置けない施設全般

専任の担当者を置ける体制が整っていない施設は、登録支援機関へ委託したほうが、支援計画の実施漏れを防ぎやすくなります。特に、既存業務と兼任で担当者を置く予定の施設は、委託を前提に検討することをおすすめします。

摂津市の施設が登録支援機関を選ぶときの判断基準とは?

委託すると決めた後は、どの機関を選ぶかが次の課題になります。

出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿には、2026年8月31日時点で11,579件が登録されており、選択肢は非常に多い状態です。数が多いからこそ、次の観点で絞り込む必要があります。

摂津市やその近隣に拠点があるか

受入れ後のトラブルは、電話やメールだけでは解決しないことがあります。近隣に担当者がいれば、当日中に施設へ駆けつけてもらえる可能性が高まります。

役所手続きや通院の同行といった生活支援も、対面のほうが進みやすいのが実情です。遠方の機関では訪問頻度が下がりやすく、交通費が追加費用として乗ることもあります。

介護分野での実績と対応できる国籍

介護分野特有の在留資格や支援計画に慣れているかどうかで、手続きのスムーズさは変わります。

対応できる国籍と、現地の送出機関との連携体制も確認してください。

費用体系の明確さと追加費用の有無

月額の支援委託費に何が含まれ、何が含まれないかを契約前に確認する必要があります。

通訳対応や緊急時訪問が追加費用になるかどうかは、特に見落としやすい点です。

登録支援機関の見積もりで確認すべき項目とは?

複数の機関から見積もりを取る際は、次の項目を必ずそろえて比較してください。

  1. 月額支援委託費に含まれる支援内容の範囲
  2. 通訳対応・緊急時訪問が追加費用になるかどうか
  3. 契約期間と途中解約の条件
  4. 担当者が摂津市やその近隣に駐在しているか
  5. 定着支援(生活相談・面談頻度)の具体的な内容

見積もりを項目ごとにそろえないと、金額だけを見て安さで選んでしまい、後から支援範囲の狭さに気づくことになります。

悪質な事業者を見分けるにはどうすればよいか?

良い支援機関の基準が分かれば、その裏返しとして注意すべき特徴も見えてきます。次のような機関には注意が必要です。

  • 費用の内訳を書面で示さず、口頭の説明だけで契約を急がせる
  • 支援計画の内容が定型文のみで、施設の状況に合わせた提案がない
  • 担当者が遠方におり、訪問実績を具体的に説明できない
  • 契約解除やキャンセルの条件があいまいなまま契約を進めようとする

出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿には、登録後に抹消された機関は掲載されていません。

登録されているという事実だけで安心せず、担当者の説明の丁寧さや費用体系の明確さも合わせて確認してください。

摂津市の施設が受入れ体制として準備すべきものとは?

摂津市の施設が受入れ体制として準備すべきもの

委託先が決まった後は、施設側の実務的な準備に入ります。

住居の確保

不動産情報サイトのSUUMOが公表する家賃相場では、摂津市周辺の新築・駅徒歩1〜5分の賃貸マンションがワンルームで6.9万円、5K以上で16.2万円という数値が示されています。この情報は掲載時点のものであり、時点の確認が取れていないため、参考情報として扱ってください。

実際の契約前には、最新の家賃を不動産会社へ直接確認することをおすすめします。施設として住居探しに同行できる体制を整えておくと、入職時期のずれを防ぎやすくなります。

指導役とシフトの調整

特定技能人材に業務を教える指導役を、誰が担うかを決めておく必要があります。

日本語でのコミュニケーションに時間がかかる前提で、初期のシフトには余裕を持たせてください。

支援計画の記録体制

特定技能1号の受入れでは、支援計画の実施記録を残す義務があります。

記録が不十分だと、後から行政への対応に追われることになります。

外国人材の受入れ後に起きやすいトラブルと対処とは?

受入れ後のトラブルは、業務面よりも生活面から生じることが多いといえます。次のようなトラブルが起きやすいパターンです。

トラブルの種類 起きやすい原因 対処の方向性
生活面の孤立 日本語でのコミュニケーション不足 日本語教室や相談窓口の情報提供
業務とのミスマッチ 日本語能力と任せる業務が合っていない 任せる業務範囲を段階的に広げる
既存職員との摩擦 受入れ前の説明不足 受入れ前に目的と役割を共有する

摂津市の外国人人口は、2020年の国勢調査時点で1,382人とされています。調査から時間が経過しているため、現在の状況を正確に表すものではない可能性がありますが、他の地域に比べて特に大きなコミュニティとはいえない規模と推測されます。生活面での孤立を防ぐには、施設側からの働きかけが一定の役割を果たすと考えられます。

外国人材を摂津市で定着させるために効く取り組みとは?

離職の多くは、業務内容そのものよりも生活面の孤立から起きると考えられます。買い物や役所手続きへの同行は、定着を後押しする取り組みの一つです。

摂津市内に日本語教室があるかどうかは、個別に確認する必要があります。大阪府内には識字・日本語教室が227教室、学習者数5,576人という調査結果がありますが、これは大阪府全域の数値であり、摂津市内の教室数を示すものではありません。

先に触れたとおり、摂津市の外国人人口は大きなコミュニティとはいえない規模と推測されるため、施設の外に居場所を見つけにくい可能性があります。既存職員への事前説明も欠かせません。

受入れの目的と役割分担を共有しておくことで、指導役が孤立するのを防げます。定着支援の中身が具体的かどうかは、支援機関選びの重要な判断材料になります。コネクトナビでは、定着支援の内容から支援機関を比較できます。

外国人材の受入れで起きやすい失敗事例

契約後に通訳対応の追加費用が出てくるのは、受入れで最も多い想定外の出費です。見積もり段階で範囲を確認しておけば防げる失敗です。

住居探しの開始が遅れると、入職時期が1か月単位でずれることがあります。受入れ方針が決まった時点で、住居探しに着手しておくことで防げます。

既存職員への説明が不足すると、指導役だけが負担を抱え込み、孤立しやすくなります。受入れ前に目的と役割を共有しておくことが対策になります。

日本語能力に見合わない業務を最初から任せると、早期離職につながりやすくなります。業務範囲を段階的に広げる計画を立てておくことで防げます。

費用の安さだけで支援機関を選ぶと、受入れ後の支援がほとんど無いという状況に陥ることがあります。見積もり時に支援内容の範囲を項目ごとに確認しておくことが対策になります。

外国人材の受入れ準備チェックリスト

□ 自施設の人員体制と不足数を把握した

□ 受入れ可能な在留資格を確認した

□ 住居の確保の見通しを立てた

□ 指導役とシフトの調整方針を決めた

□ 費用の総額と内訳を確認した

□ 支援機関の対応範囲を確認した

□ 既存職員へ受入れの目的を共有した

□ 支援機関が摂津市やその近隣に拠点を持つか確認した

摂津市の外国人材受入れのまとめ

摂津市では要介護認定者数が今後も増加する見込みが示されており、日本人だけの募集に頼り続けることが難しくなっていきます。

受入れを検討する際は、まず自施設の人員不足の深刻度や教育体制を見極めてください。そのうえで、特定技能と在留資格「介護」のどちらが合うかを判断します。

専任担当を置けない施設は、登録支援機関への委託を前提に検討を進めるとスムーズです。

支援機関を選ぶ際は、摂津市やその近隣に拠点があるか、費用体系が明確か、定着支援の内容が具体的かを確認してください。

コネクトナビでは、対応制度や支援内容から支援機関を比較できます。費用や支援範囲、実績を確認し、自施設に合った支援機関を選びましょう。

よくある質問

摂津市の施設でも外国人材を受け入れられますか?
在留資格の要件を満たせば、施設の規模や立地に関わらず受入れは可能です。まずは自施設の人員状況と受入れ方針を整理することから始めてください。
特定技能と在留資格「介護」はどちらを選べばよいですか?
早く人手を確保したい場合は特定技能、長期的に専門職として育てたい場合は在留資格「介護」が向いています。受入れ人数や教育体制に応じて判断してください。
費用はどれくらいかかりますか?
人材紹介手数料は理論年収の30〜35%程度が業界の一般的な水準とされています。これに支援委託費や住居関連費が加わるため、複数の機関から見積もりを取って比較することをおすすめします。
支援業務を自社で行うか、委託するか迷っています。
専任の担当者を置ける体制がなければ、登録支援機関への委託が現実的です。既存業務との兼任を予定している施設は、委託を前提に検討してください。
受入れ人数が多い場合はどうすればよいですか?
人数が増えるほど、住居確保や生活支援の負担も増えます。対応実績の多い登録支援機関へ相談し、支援体制を事前に確認することをおすすめします。